頭の中身

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社会保険労務士試験

特集:社会保険労務士試験


かつて,社会保険労務士という資格の試験を受けたことがある。
うまい具合に合格できたのだが,得たものはマークシート式の試験の勉強のやり方と問題の解き方だけであった。

合格した当時にまとめた手記が見つかったので,ここに掲載してみる。
2000年度(平成12年度)のものなので,時代にそぐわない箇所もあるかもしれない。
しかし,情けないけれども,唯一僕が自信を持って人に話せることかもしれず,力を入れてまとめた記憶があるのでそのまま掲載してみることにした。


社会保険労務士試験

 まだ草稿の段階ですが,とりあえずUpしてみます。

 私自身,できるだけ労力を必要としない勉強のやり方を好みますが,なるべく楽に,短期間で合格するには資格の学校を利用することをお薦めせざるを得ません。
 ですので,ここで述べることは,資格の学校に通学(若しくはビデオやテープを使った通信講座を受講)することを前提とさせていただきます。
 なお,このページの文章は,「~と思われる」「~であろう」など補って読んでいただくことを前提としています。
 したがって,全体的に断定口調で記述していますのでご了承ください。


 平成12年度社会保険労務士試験に合格することができました。  試験勉強を通して感じたことをそのまま記録しておきたいと思い,ここにまとめてみます。




● 勉強以前

 合格体験記には,勉強のやり方が紹介されている。
 しかし,実はもっと大切な,勉強するための前提が述べられていない。
 それが「勉強以前」のことである。
 勉強のやり方は市販の合格体験記でくさるほど目にすることができる。要するに語り尽くされているのである。
 逆に言えば,それらを熟読することで勉強の「やり方」は確立できるはずである。

 従って,ここではあえて勉強の「やり方」ということには重きを置かない。


1.合格体験記の読み方

 合格体験記には様々な人の合格苦労話が載っている。
 わざわざその文章に同情する必要もないし,感動する必要もない。
 合格体験記から読み取ることは,合格者全員に共通する勉強のやり方である。それも,できれば一発合格した人たちのやり方を参考にするに越したことはない。
 一発合格できるということは,たとえ運がよかったとしても,そういった人たちは要領がよく,試験勉強の本質を見抜けている人が多いと思われるからである(私は例外)。


2.大切なことは気持ちと工夫

(1)大前提 「絶対に合格するという気持ち」
(2)基本1 「勉強をおもしろいものにする工夫」
(3)基本2 「毎日続ける」

 大切なのは上記(1)~(3)である。

(1)大前提とは

 「絶対に合格する」という気持ちである。
 どんなに勉強のやり方が優れていようとも,動機がしっかりしていなければうまく事が運ばないケースが多いだろう。
 どんな動機であろうと,それが強烈なものであれば何でも良い。
 例としては,合格して自分はこうしたいし,あんなこともしたいという気持ちであるとか,自分は資格合格証書コレクターであるとか,とにかくどうしても合格してみたい・・・など,理由はどうでもいい。
 合格したいという強い気持ちであり,かつ,持続する気持ちであれば,それで充分である。仮にそれが不純な動機であっても。

(2)基本1とは

 「勉強をおもしろいものにする工夫」である。
 例えば,初めて法律の条文に接するとなれば,わからなくて当り前である。徐々に慣れてきて,わかるところはわかってくるものである。
 勉強が楽しい,面白いというのは,「内容がわかる!」「問題の意味がわかる!」ということである。
 だとすれば「予習」はしない。なぜなら,わからないから。「復習」はする。なぜなら,わかるところだから。
 わからないからつまらないのであって,長続きがしないのである。苦しむのである。
 だったら,わかることを繰り返せばよい。

 勉強を始めた直後は苦しいものである。しかし,やる気もあって少々のことは乗り切れるものである。
 つまらなく苦しい時期をのりきることができれば,既に合格圏に達しているともいえる。
 よく「自分は追い込み型だ」という人を見かけるが,逆に,はじめに全力を傾けて乗りきってしまうことで,その後がとても楽に楽しく勉強できるようにもなれる。
 多くの人は,追い込まれないとなかなか動こうとしないが,(1)で述べた大前提のとおり,なぜ合格したいのかということが明確な人は,初めから力を入れることができるであろう。そして,先行逃げ切り,いや,先行そのまま独走を目指すとよい。
 苦しむのは初めのうちだけである。
 勉強をおもしろいものにする工夫を続ければ,苦しさを乗り越えたあとは,余裕を持って勉強できる。

(3)基本2とは

 「毎日続ける」である。
 毎日勉強するとは,基本1で述べた「勉強をおもしろいものにするための工夫」のひとつである。
 人の頭は忘れやすくできている。
 忘れたところを勉強しなおすというのも労力を要する。
 それならば,忘れるのを防ぐ工夫をすればよい。
 毎日続けるとは,忘れ方を緩やかにする方法である。いわゆる忘却曲線を緩やかにするということである。

例1:一昨日は国語,昨日は数学,今日は休み,明日は英語
例2:例1と同じ3科目でも,1日も休みを入れずに3科目勉強

 例1と例2では,3日前又は2日前にやったことの忘れ方が異なるのである。勉強したことを忘れていく速度が異なるということである。
 毎日勉強することによって,その毎日の勉強の科目に関連性がなくとも忘却曲線は緩やかになる。
 要するに,例2のやり方がよい,ということである。


 勉強のやり方というのはこれら3つのことがわかると,自ずと導かれるものである。


3.その他思うこと

・テキストを何回も読まなくてよい。眠くなる。

 私は,いわゆるテキストを読む時間というのを設けたことがない。
 誤解されると悪いので言い直すと,テキストを通読したことがない。強いて言えば,講義に出て先生の話を聴く,ということがテキスト読みであったかもしれない。
 この講義の時間は,とにかく集中してテキストを読み,先生の話を聴いた。先生の話したことは,ジョークであろうとなんだろうとテキストに書き込んだ。(そういう勢いで講義に出席していた,ということである)
 このことはすべて,復習するときのことを考えたからである。
 私は予習というものを一切しなかった。これは誇張ではない。予習は時間の無駄だと思ったからだ。


・予習はしなくてよい。とにかく復習する。

 どうせわからない法律の勉強をしているのである。
 わからないことを自分の力で読解しようとすれば,時間がかかって仕方がない。
 それならば,講義が済んでいる範囲で復習をした方が時間もかからないし,労力も必要としない。
 わかるところを自分でやり直す作業だから,それほど苦にならない。しかも,わかるところをやり直すのであるから,「わかるうれしさ,たのしさ」が生じ,勉強も続くのである。
 復習に全力を傾けて,わからない所は次回の講義のときに先生に聞けばよいのである。
 テキストの中でわからないことは,通学で勉強しているのであれば,その通学期間内にすべて解決するべきである。
 そうしておくことによって,あとは過去問集を徹底的に繰り返すことに労力を回せるのである。


・復習は過去問集を使う。

 その日の講義が終わって復習である。
 復習でテキストをくり返し読み直すよりも,すぐに過去問を解いていくとよい。
 過去問を解いてみることによって,テキストの重要部分(しっかり読み込む部分)がわかるのである。
 テキストの中の,しっかり読み込む箇所と,軽く読み流しておけばよい箇所をはっきりさせることができるのである。
 また,テキストの中のわからない部分が,過去問に接することによって理解できることも少なくない。


・とにかく過去問集を繰り返す。


・過去問は「解」くものではなく熟「読」するものである。

 勉強を進めていくうちに,基本書と過去問集のどちらがメインなのかわからなくなってくることがあるかもしれない。
 そんなときは過去問集をメインとしてしまえばよい。基本書は辞書・資料の位置付けにまで落としてしまってよい。
 ただ,過去問集に載っていて基本書に載っていないものは,基本書に自分で補っておくべきである。その逆も然り。
 過去問集をメインとするなら,できるだけ基本書に戻る手間を省いていくことを心がけ,過去問集にもガリガリと書き込んでいくとよい。


・過去問を繰り返す速度を上げていく。


・予想問題集は買い揃えなくてよい。

 模擬試験を受ければ充分である。その際,これも言い尽くされていることだが,成績に一喜一憂しなくてよい。当り前である。
 模擬試験とは教材である。
 極端に言えば,模擬試験では問題を解く(正解肢を選ぶ)ことが目的ではない。本当にその意味をわかっている人は,実は少ないのではないだろうか。


・模擬試験とは

I  時間配分の確認
II 自分のその時点での実力の確認
III 正解率の高い問題の確認

である。

 このうちIIIが一番大切なことである。
 極端なことを言えば,多くの模擬試験問題と,その各設問の正解率というデータさえ収集できればよいのである。
 多くの人が正解してくる問題を復習すればよい。それらの問題は自分も間違えてはいけないものだから。基本中の基本である。
 全体的に正解率の低い問題は復習する必要もない。


4.ちょっとしたまとめ

 「勉強以前」のことを述べていこうと思ったが,結局は「やり方」にも踏み込んでしまった。
ついでなので,簡単にまとめてみようと思う。

・やるべきことをとにかく単純化し,それを繰り返す。

 やるべきこととは,正解率が高くなるであろう問題を間違わないようにする,ということである。
 それには過去問集を繰り返すことである。
 過去問集を全て解けるようになったとき(正確には,過去問集を納得するまで読み終えたとき),本試験では最低でも6割は正解できる。
 「6割では合格できないではないか!」と言われるかもしれない。
 しかし逆に言わせてもらう。
 「本当に過去問集を熟読し終えて,テキストも完全に自分のものにしてから文句を言え!」と。
 過去問集を読みながら,テキストに戻り,確認するという作業を繰り返してきているはずである。
 そうすると知らず知らずのうちに,重要な部分の周辺の知識もモノになっているものである。その部分が「6割+α」の「α」の部分である。

 あれもこれもと手をつけて,基本書も過去問集もモノにできないのでは問題外である。
 自分が使っている教材を完全にやり終えたかどうかが問題である。
 どうせ大手の資格の学校の教材ならば,どこの学校のものであってもそれほど内容は違わない。

 過去問集を徹底的にやり終えたなら,本試験で解けない問題が出題されても,自信を持って間違えればよい。
 どうせほとんどの受験生が解けない問題なのである。


5.余談

 その他,勉強期間中に私が常に頭に置いていたポイント3点と,2つの言葉を以下に挙げてみる。
 どちらも紙に書いて机の前に貼っておいたものである。


大切なことはこれだけ



一,体系的理解
・時間をかけて基本書を1回精読するぐらいならば,同じ時間で3回速読した方がよい

ニ,主要論点の確定
・各選択肢で問われている論点を押さえる

三,過去問検討
・本試験の出題範囲を知る
・パレートの法則:重要性の高い20%の分野に時間と労力を集中させれば,全体の80%をカバーできる



・唯今がその時,その時が唯今なり。二つに合点してゐる故,その時の間に合わず。

・聖賢の学,いとまありて後修ることをきかず。


 上記ポイントと言葉は,ただ自分が気に入ったからとか,誰かが言っていたからとか,いい言葉だからとかいう理由だけで挙げたわけではない。自分自身で納得できて,理解できたときに初めて紙にできたものである。
 この真似をする場合は,自分が納得できるポイントなり,言葉を掲げることが大切である。


 自分なりの納得できる勉強方法・方針が確立できれば確実に合格圏内に入れる。
 試験のライバルは周りの受験生などではない。
 自分がやるべきことをやったかどうかで結果が出るものなのである。




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