バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

有料トイレとホモ



   目を覚ますと、Berlin-Wannsee駅(スペルが間違っているかも)だっ

た。

ベルリンには、ベルリンと名前の付いた駅が四つあることに気が付き、次の

Berlin-Zool Garten駅まで行くことにした。

Berlin-Wannsee駅では、停車時間が2分ほどしかないのに比べて、Zool駅では

15分ほど停車すると書いてある。

停車時間の長いほうが、大きな駅だと判断した訳だ。

   Zool駅に到着したのが、午前7:35。

午前8:00になるのを待って、駅を出てMoneyChangeを済ませる。

まだ外は薄暗く、少しモヤがかかっているようだ。

雪は薄っすらと積もっているものの、降ってはいなかった。

寝不足のせいか、頭の中も薄っすらとモヤがかかっている。

外の冷気で、やっと目が開いている状態だ。

   トイレに行こうと、地下に下りる。

”DAMEN”が女で、”HERREN”が男のようだ。

ヘレンが・・・・女かいな。

地下にあるトイレの前まで行くと、やっぱり有料だった。

Koln(ケルン)では、0.3DM(≒38円)だったのに、ここでは0.4DM(≒50円)。

有料だけあって、トイレの中はきれいに清掃されている。

日本の公衆トイレとは、雲泥の差があるようだ。

   奥に座っているおばさんに(日本の風呂の番台のように座っている)ト

イレを利用したいむねを伝えると、鍵を持ってきてトイレのドアを開けてく

れる。

もちろんお金を支払ってからだが・・・・。

それにしても、こんな所に一日中座っているのも大変じゃないのかな・・。

だからいつも臭わない様に、きれいに掃除するのかも知れない・・・など

と、変に納得している。

ドアの表には、大きな文字で”0.4”と書かれてあった。

トイレの番号ではなく、料金表示なんだと気が付く。


                     *

   コインロッカーは、24時間で「1.0DM(≒125円)」。

お金を入れても、なかなか閉まらず、”ガチャガチャ”やっていると、地元

の娘さんだろうか、困っていると思ったのか近づいてきた。

       娘さん「ちょっと貸して!」

俺からコインをもぎ取ると、慣れた手付きでロッカーを閉め、キーを俺に渡

しながらウインクしやがった。

         俺「サンキュウ!!(可愛い娘だな・・・・。)」

ドアを閉めてからコインを入れたのが間違いだったらしい。

コインを入れてから、ドアを閉めて鍵を回すようになっていたらしい。

でもこれって、日本と同じだよな???

先にコインを入れると、ドアが開いたままコインを取られるようで、先にド

アを閉めてしまったのが間違っていたのだ。

・・・・なんか、わからなくなってきた。

なんとも情けない話だが、おかげでドイツ娘のウインクが貰えたのだから、

怪我の功名だったのだ。

失敗は成功の元とは、こういうことを言うんだった?

一遍に眠気が吹っ飛んでしまった。

                      *

    駅構内のカフェに入った。

荷物をコインロッカーに入れてきたので、重い荷物から開放されて気持がい

い。

店内はすでに、1/3ほどお客で埋まっている。

その大半のお客のテーブルには、早朝とは言うもののビールが並んでいた。

女も男も朝からビールを飲んでいるのだ。

昨年の統計では、ここビールの本場でも、ビールよりコーヒーの需要が上回

ったと言う。

    しかしここはドイツ。

やはりビールを美味そうに飲んでいる。

もう九時を回ったと言うのに、外はまだ白んでいる。

クリーム色した二階建てのバスが、通勤客を運んでいく。

外の看板が目に入ってきた。

「カラテ、ジュードー、Japan 」そんな文字がここでも見ることが出来る。

    ”これから・・・・・どうする??”

14:01発のハンブルグ行きがある。

17:48到着のようだ。

ここは陸の孤島「ベルリン」。

離れ小島だ。

そして東ドイツは海。

同じドイツ民族なのに、どうしてこうなってしまったのか。

朝鮮も同じ運命を辿っている。

この後、ドイツは統一されるが、朝鮮は分裂のまま。

日本だって分裂の危機はあった。

北海道をロシアが押さえようとしたんだから。

それを助けたのがアメリカ。

日本はアメリカのおかげで、民族が分裂しないですんだのだ。

                     *

    雪が降ってきた。

こやみなく降りつづいている。

美しく敷きこまれた石畳の上を薄っすらと覆っていく。

この街にも日本人は多いと聞く。

駅の構内にあるポリスで、インフォメーションの場所を確認する。

地図を手に入れて、雪の降る町を歩く。

降る雪と石で造られた建物がマッチしている。

白装束の町はすばらしい光景だ。

    駅のすぐ前に日本のレストランを見つけた。

メニューを覗くと、お茶漬けが6.00DM(≒750円)。

他のメニューを見ると、皆この値段の倍以上する。

さすがにまだお客はパラパラのようだ。

    13:00近くまで、ビールを飲みながら、ジュークボックスから流れ

てくる音楽を聴きながら、ドイツの若者達の行動を観察する。

カフェにもホモがいた。

人前で、どうどうと男同士がキスをしている。

                  *

    13:00「Buhen」までの二等チケットを購入。

28.4DM(≒3550円)もした。

CityTrainと言う小さな列車だ。

昼間の移動は久しぶりなのだが、ベルリンの壁を見るにはちょうど良いかも

知れない。

改札口がある。

珍しいことだ。

もうすでに人が並んでいる。

改札口の近くの柱に、荷物を立てかけていたら、いきなり誰かに倒されてし

まった。

すぐに「このやろう!!」と思った瞬間、それを見つけた近くのおばさん連

中が俺に代わって、倒した野郎に向って文句を言ってくれたではないか。

       俺「サンキュウ!」

おばさんたちもニッコリ笑ってくれた。

    14:01、Berlin-ZoolGarten駅を発車。

久しぶりの二等車両。

同じコンパートメントには、ドイツの老人達が三人いる。

葉巻をふかしたり、新聞・雑誌に目を通したりリラックスしているようだ。

雑誌はA-4版くらいの薄いもので、せいぜい20Pくらいのものがほとんどで、

表紙には女性のヌードが見られることから、内容がわかろうというもの。

ヌード写真は、日本と違いすべてオープンだ。

誰でも購入してみることが出来るのだ。

俺も読んでみたいが、ドイツ語が全くわからない。

大学ではドイツ語を専攻したのだが、この体たらく。

今思えば、もっと真剣にやっておけば良かったと・・・・・・・思う。

大学のドイツ語も、授業でこういうテキストを使ってくれたら、もっと真剣

に取り組んでいたと思うのだが・・・・どうだろう。

   雑誌・新聞には必ずと言っていいほど、クロスワード・パズルが大き

く掲載されていて、みんな夢中でやっている。

列車の旅には、良い暇つぶしになっているようだ。



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