バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

乗り換えの街・・・・・・「Kiruna」




 Boden駅を過ぎた頃起こされる。
 午前8:40。

 9:32GALLIVARE駅に、列車は滑り込んだ。
プラットホームに降りて見ると、なんと雪が凍っている。
乗客の数人が、改札口に急いでいる。
白い煙が、何本も乗客たちの頭付近から立ち上っている。

 10:50、スウエーデン北部の町Kiruna駅に到着。
このKiruna駅の街は、フィンランドほどではないが、
数多く点在している湖・・・・その一番北に位置している、
湖の近くにある。

 この街からすぐ近くの国境を越えると、
ノルウエーのNarvikという街に入る。
外は真っ白な雪の世界が広がっている。
こんあ雪景色は、生まれて今方見たことがないほど美しい。
創造すら超える美しさだ。

 もうすぐ正午だと言うのに、まるで夕闇が広がっているかのように
太陽の光が遮られている。
海で言えば、深海の美しさと言っても過言ではないだろう。

 街に入ると、黒い針葉樹に代わり・・・・黒い建物が見えている。
ここが少し大きな街だということを教えてくれている。
プラットホームでは、太ったおばさんが、フランクフルトソーセージを
パンに挟んで売っている。

 売店だろうか、明々と灯が入っている。
雪はまだ少し落ちてきている。

 Narvikの街は、ここKirunaの駅で乗り換える事になる。
ここからは、国境越えとなるからだ。
KirunaからNarvikまでの列車は、同じホームにすでに待機していた。
 ホームに降り立ったままで、呆然としていると
先ほどまで眠っていた列車は、いつの間にか姿を消していた。
乗り換えようの列車に乗り込む。

 新しい列車は、国際列車なのか、なかなかきれいな車両で
ゆったりと座れるようだ。
暖房も、申し分ない。
四両ばかりの小さな列車に、乗客は数えるばかり。
目の前には、スイスの若者が座っている。

 大雪原の中を二本の黒いレールが真っ直ぐ伸びている。
針葉樹の黒い森が、レールの周りを取り囲んでいる。
雪の明かりが、幾分周囲を照らして見える。

三両ばかりの客車を必死で引っ張っている列車は、
ノルウェーの国境へと突き進んでいく。

 1クラスの車両は、一番後ろの一両だけで、6人ばかりの
乗客がいるだけのようだ。
そのうち、旅行者らしい人は私を含めて三人。
ストックホルムで出合ったスイス人が一緒だ。

 他には、スウエーデン人らしい親子と老人が一人。
可愛い小さな男の子とお父さんは、歌を歌いながら、
列車の旅を楽しんでいるようだ。

 老人はと言えば、・・・・(これが大変で)・・・・
我々旅行者に、スウエーデン訛りの英語ともスウエーデン語とも
思えない難解な言葉で、気軽に話しかけてくるが、
誰も理解できないようで、みんな首を捻って笑っている。
当然、田舎者の私に理解できるはずがなく、
ただ笑って済ます以外にないのである。

 俺 「わからない?」
そういう顔をしていると・・・・・・
 老人「I‘m スウェディッシュ!(スウエーデン人)」
そう言っては、頭をペコペコ上下し始めた。
どうやらこの老人、日本人の特徴を理解しているようだ。

 握手を求めてくる手は、老人特有の皺だらけなのだが、
大きな手で力強く握ってくるのには閉口してしまった。
若い俺でも、とても敵わないような握力で、グイ!グイ!と
握り返してくる。

 老人「ユー!ヤポン?」
などと、知っている英語を何度も何度も繰り返して
質問攻めしてくるのには、人の良い俺でも、
好い加減ウンザリしてしまうほどだ。
老人の持っている小さな鞄には、酒瓶が一本だけ入っている。
この寒さを凌ぐには、酒の力が必要なのだろう。

 12:15、湖のそばにあるAbisko駅に、
列車が到着したようだ。

 湖と言っても、降り積もった雪で、湖だと言う姿を
見せてはくれない。そこが湖だと言う事を誰にも
知られないように、真っ白な雪原だけが広がっている。
駅に近くなると、雪に埋もれた小さな家が、
数えるほど姿を現してくる。

 このAbisko駅で、同じ車両にいた親子連れが
降りていった。駅構内から、町を見ると・・・・
車の代わりに、スノーモービルが街中を
走り回っているのが見える。
各家々の前には、必ずと言っていいほど、
スノーモービルが停めてある。

 この駅で降りていった親子も、どこで調達したのか、
スノーモービルにまたがり、雪原の中に消えていった。

           ※






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