バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

ストーブに火が入った!



  日系二世のカナダ人の女の子がI・S・Hにやってきた。
 丸くて小さなメガネをかけていて、どう見ても日本人なのだが、日本語は少し解る程度で、喋ることは全然ダメだとウインク。
 カナダに帰れば、大学生で刑事方面の専攻をしているとか。
 犯罪学を学ぶ3年生である。
    「後一年勉強して、大学院へいって専門家になりたい。」
    「怖くないの?」
    「どうして?」
    「犯罪だろ!」
    「現場じゃないもん。化学捜査だからそんなに危険じゃないわ。」
    「そう!」
    「あなたは?」
    「学生じゃないけど、建築やってる。」
    「アーキテクト!素晴らしい!」
    「そうでもないけど。」
    「あら!良いじゃない!」
    「・・・・・・。」
    「お互い頑張りましょ!」
    「OK!」

  今日、オランダ人がこの部屋から旅発った。


                ≪十一月二十一日≫

  I・S・Hから旅発ったカナダ人が、イスラエルから戻ってきた。
 本日、快晴。
 久しぶりに鉄臣を誘って映画を見に行く。


                ≪十一月二十二日≫

  クリント・イーストウッド主演の映画を見にいく。


                ≪十一月二十三日≫

  日本に送り返す(荷物が増えてきた為)小包を一日がかりで作る。
 ダンボールと紐と鋏は買ってきた。
 雨をともなった寒い一日となった。


                ≪十一月二十四日≫

  切符の手配、そして手紙に小包。

    アテネ  ~  パトラス  ≪バス250Dr(2000円)≫学割
    パトラス ~  イタリア  ≪860Dr(6880円)≫  学割

  もちろん学生ではないが、少しでも旅費を安くと、タイで偽の学生証を作ってきたお陰で助かっている。
 もちろん、見つかれば、それなりの処罰を受ける事になる。
 リスクは大きい。

  今日も雨。
 I・S・Hのストーブに初めて火が入った記念すべき一日となった。
 ヨーロッパの冬はもうそこまで来ている。


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