バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

海の向こうにモロッコが見える。



  空一面の雲が強い風に流されている。
 寒い一日を迎えた。
 日曜日。
 下のカウンターへ、今日の部屋代を持っていったのが、午後0時十五分。
 ミリンダの空瓶を二本抱えて、いつものパンを売っている小さな店に行く。

  この店には、スペイン娘らしからぬ、優しい顔を持った娘がいつも店番をしていた。
 俺にとってはなじみの店なのだ。
 この娘も俺が顔を出すと、ニッコリ笑って挨拶してくれるようになった。
 一日に二度は顔を出す常連なのだ。
 空瓶二本とパン二個を交換してくれるので、今日のパン代は無料という事になった。
 言葉が通じないので、いつもの笑顔とジェスチャーで会話する。

  小さな店のすぐ近くにある、いつものレストランに入った。
 キッチンには、奥さんとおばあちゃんが仲良く働いていて、いつもいる旦那の姿が見えない。
 この店の子供だろうか、小さな少年が給ししている。
 客は俺だけだから、暇そうだ。
 まだ時間が早いのだろう。

    ソパ(スープ)30pt(145円)、ポテトに目玉焼き35Pt(170円)、パン一個18Pt(85円)。

  今日は日曜日という事か、人通りがいつもと違って少ないみたいだ。
 バザーも閉められたまま。
 ここアルジェシラスの街も今日で四日目。
 小さな港町に四日は少々退屈になってきたようだ。

  明日、天気がよければ、アフリカ大陸にでも上陸してみようか。
 アフリカ・・・・・・旅の目的に入っていなかったけど、こんなに間じかに大陸が見えるのだから、ちょっと立ち寄って見たい気持ちになってきた。
 目と鼻の先。
 小豆島へ行くより近いのだ。



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