11.温泉・海水


 使い出してしばらくすると公園で声をかけられた。
「ねえ、ぼく最近きれいになってきたよね。」
しゃべったことのない人だったが毎日同じ公園に通うので我が子のアトピーを眺めていたらしい。彼女の子はアトピーではなかったが、そのお兄ちゃんがアトピーということだった。そのとき、初めてパウダーの効果があるということに気づいた。正直いって毎日みている我が子が良くなったことは自分ではなかなか気づかない。きれいになったと思っても翌日には悪化し全身の力が抜けるということを何度も経験し何も信じられなくなっていたので、とてもうれしく感じた。彼女がお兄ちゃんに使ってみたいということでそのパウダーを使うようになってしばらくしたとき「すごくいいよ。このパウダー」といわれた。私自身は自分の子に使っていてもいいのか悪いのか判断しかねていた。いいよ。といわれて悪くないものならしばらく使おうかな。そんな感じで使い出したが結果として3年後ぐらいに子供のアトピーがかなり改善し良くなったということが実感できた。そのときこれはずっと3年間使ってよかった。と初めて思った。そして長男は少しずつであるが良くなっていった。もちろんどんどんよくなったというわけではない。目に見えてわからない程度ずつの進度だ。3年続けて初めて良かったということに気づいた。先を急がない。これがアトピーを治すための第一歩であるといえよう。
 夏は温泉に3箇所いった。一箇所は海に近い温泉で良かった。山の中の温泉には2箇所いった。一方はいつも通っている温泉でよかったが、新たに鉄の入っているという温泉に入った時は悪化し散々だった。そして、海がいいということで、海にも行った。海の水は皮膚の剥けている状態の長男にはとても痛いものだった。因幡のしろうさぎ状態のところに海水と想像しただけで痛さは想像できる。だから、彼は決して自分から海に入ることはなかった。そのため、ペットボトルで海水をくみ、その海水を泣き叫ぶ彼の体にかけた。痛い思いはしたが、海に行った後の状態は良かったので何度か海にでかけた。ずいぶんかわいそうなことをしたのだが、そのときは必死だった。この夏もイソジン消毒をし、半ズボンをはくことはできなかった。子供1歳半の夏は、外遊びも多くちょっとしたきっかけでとびひになったりもした。子供は当然ききわける年ではなく、昨年よりさらに大変であった。トイレトレーニングも春先からはじめて見たが、尿がつくとかゆく掻いたところは血まみれになった。トイレトレーニングのパンツは蒸れ、また、おしっこに気づかないままぬれていると皮膚がすぐにあれた。そのため一時中断し、真夏にトレーニングを再開した。だが荒れやすい状態は続きその年のトイレトレーニングはあきらめた




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