14.母の力


 保育園に行きだす頃にはお友達の誕生日会やひな祭り会でもケーキを食べるようになった。今まで与えていないせいかがぶがぶとみっともないほどの食欲をもってくいついた。
 その秋田舎から都会に主人の転勤のため引越しをした。都会は空気が悪く、長男は喘息に苦しむことになった。やっとアトピーが良くなったと思ったら喘息がでて気分は一気に暗くなった。私にとってはアトピーより喘息の方が恐ろしかった。アトピーは見かけの悪さを我慢すればいいが、喘息は命に関わる病気だからだ。新しい土地では給食の除去は牛乳、ソバ、チーズで依頼。卵はOKとした。新しい土地には親子共々なかなかなじめなかった。次男が風邪をこじらせ、肺炎になったり、胃腸炎になったりして何度も入院。やっと元気になると長男が風邪から喘息、中耳炎。と病院通いの日々だった。アトピーのほうはよくなっていたがアレルギーマーチがはじまっていた。2人を風呂にいれるとなるとパウダーを泡立てるのがおっくうになり、界面活性剤のはいっていないバスソープを使って快適だった。時間との戦いだ。
 都会に引越してまもなく雑誌の対談にでてほしいという依頼があった。そしてそのアトピーの対談で今までの経験を対談した。そこにはアトピーでぐちゃぐちゃの写真もきれいになった後の写真も掲載されたため、全国から反響があった。最初は1通ずつ返事を書いていたのだがそこにどれをそうつかうと良くなるであろうという丁寧なアドバイスを加えていた。状態別に対処したのだ。だが、それでは時間が足りない状態になってしまった。
そこで基本、考え方は同じであり、知っていた方が良いことも同じである。また、私が約1年後に会社に復職する予定もあったため、その一年はアトピーボランテイア期間として無料の会報を発行することにした。食生活を中心に、いろいろ使ったものの感想をいただいた手紙を掲載したりした。また、ひとつの商品についていい話、悪い話を掲載した。そうすることで、私のみではない広い意見をみんなが聞けるようにした。現在は会社勤務のため休刊している。友人経由で我が子のアトピーがよくなったことを聞きつけて連絡があったりする人にはアドバイスをしている。
 知人のホームページにも写真を掲載しているが現在自分のホームページを作ったのでそちらに掲載しようかと考えている。それを見て、みんなに元気になってもらえればと思う。
 生まれて数ヶ月の赤ちゃんがぐちゃぐちゃでみるも無残な姿のとき親としてはこの世の終わりほど落ち込むが、絶対よくなる。何人もの人にそういった。だれもはじめは信じてくれない。だが、我が子が良くなったとき初めて私の言っていたことが本当だったと気づく。そして、まわりの同じような子の母親に「良くなるよ」といっても信じてくれないから困る。といって私のところに電話がかかってくる。離乳食前の子であれば、余分なことをしなければ自然によくなる、ただそれが遅いか早いかは使うものによって変わるし、悪化の原因をつくることもある。1歳を越えた子の場合は既に親にいろいろな食べ物を与えられている。自然なものばかりなら良いが日常的にスナック菓子やチョコレート、アメ、ジュースなどを飲食している子にはまずそれらをやめてもらわなければならない。今までアドバイスをして私の言うとおりにしても良くならない。と連絡があった人が2.3人いた。彼女たちは例外なくお菓子類を子供に与えていた。いくらよいものを使っても、体の中からかゆみのもとを作っているわけだからなかなかよくならない。母親の意思の強さが子供のアトピーが良くなるかどうかを決める。
 そんなことを言っている私も喘息に関してはどしろうとで困るとすぐに友人に電話しアドバイスをうけている。知っている人が身近にいるということはかなり心強い。
 都会での1年半の間中耳炎で耳鼻科に通ったがなかなかよくならなかった。病院もあちらこちら行ったがすっきりしない。テレビをみたりするのに顔を傾けるので斜視ではないかと思い、眼科にもいった。そこでは「目ではなく耳の聞こえが悪いのかも」という診断をうけた。近所の耳鼻科で「このままでは学校の授業についていけないよ。」と小児難聴耳鼻科のある大学病院を紹介され行くと、即手術が必要。脳の発達が遅れているということだった。
 ちょうど私の会社復職のため引越しとかさなり手術は引越し後。ということになった。「脳の発達は既に遅れており、今手術しても大きくなって遅れて発達するものではないからもう未発達のままです。」といわれた。かなりショックだった。がどうしようもなかった。
引越し後病院に行ったが大きくなればよくなるように思われ、手術を見送った。長男が年長になろうとしていた。その後、小学校入学、返事をしても返事がない。それでもなんとかときが過ぎ大きくなればよくなると思いたかったが小学2年のこの冬ついにあきらめた。あまりの聞こえなさと落ち着きのなさにようやくチューブを入れる手術をした。当初全身麻酔を予定していたが、私の仕事の休みの関係もあり、局部麻酔で行った。そのときはとてもよく聞こえて本人も驚くほどだったらしい。道路をあるくと「車の音がうるさいからなんとかして」そんな私たちにとってはあたりまえの音も長男には初めて聞こえた。なんということだろう。もともと聞こえない状態で生活をしていたのでだれも気づかない。恐ろしいことだと思った。チューブをいれてから怒り方がかわった。いままで聞こえないことでいらいらしていたのだろうか。かわいそうなことをしてしまったと思う。
 次男のしたたらずもそういったことが影響しているのかもしれない。一度しっかり検査を受けてみようと考えている。
 長男の喘息は風邪が悪化すると出るタイプのものだ。健康な体つくりが一番ということだろう。アトピーについてはいろいろ経験している私も他のアレルギーについてはまだまだ未熟だ。今後ともいろいろな方向から研究し、得ることをできた知識を探しているひとに伝えることができたらと考えている。




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