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最終兵器彼女  高橋しん


注:めちゃめちゃ、はしょってます。

『最終兵器彼女』とは:突然始まった戦争。ある都市以外は壊滅状態の日本や世界のお話。

戦争が始まり、戦闘要員や、薬、医療機関などの数が少なくなってきたある日、主人公・シュウジ(高校生)の住む町に大地震が起こります。その大地震よって、シュウジの母は足に怪我を負ってしまった。その足からの血は止まらず、病院には人が詰め掛けているだろうけど、居ても立ってもいられないシュウジは、母を背負い、その病院へと歩き出します。歩きながら町の様子を見ると、表面的にはパニックを起こすような事態にはなっていないが、徐々に町の異変に気付いていく。この大地震は、多くの家屋や人の命を静かに、しかし凶暴な力で奪っていたのだ。

母はシュウジに気遣い、病院に行かなくてもいいと、大丈夫だと言います。しかし、シュウジは気付いてしまった。自分の背中にいる母が、「こんなにも軽くなっている」ということに気付いてしまったため
「オレ、もーこどもじゃないんだって、まかせてみろよ」と口に出して言います。

病院は、やはり人でごった返していました。でもシュウジは母を見てくれる医者を見つけ、3時間後くらいに診てもらうことになりました。

シュウジは母の治療を待つ間、自分の母と話していたが、もう少し経てば冷えてくるだろうと思い、母に
「毛布を家から持ってくる。ついでに少し部屋を片付けてくる」と。

シュウジが家に帰ると、シュウジの友人・アケミの妹が家の前で、シュウジを待っていました。
「お姉ちゃんが呼んでいる」
アケミの部屋に行ったシュウジは驚愕します。いつも元気で、いつも自分を助けてくれた友人が大怪我をして、命の危険が迫っている中、ベッドから動けない状況に居合わせます。

アケミが自分が生活していくはずだった平凡な日常を語っている間にも、アケミの命の灯火が消えてゆこうとしています。
「まさかもう死ぬなんて思ってなかった・・・死にたくないよ、シュウジ!」
アケミがどんどん弱っていくさまを見ることしかできないシュウジは、自分がやるせなくて、自分が許せなくて、自分が何もできないちっぽけな存在だと、何も役に立たない人間だと、ただただアケミの傍に立ち尽くしました。

日も暮れ、シュウジは母のもとへ行きます。母の治療は終わっていて、シュウジは何事もなかったかのように接し、また母を背負い家へと歩き出します。
倒壊している道を歩きながらシュウジは母に言います。
「・・・オレ・・・いまのうちに謝っておこうと思って」
「今までと、きっとこれからと。」
「わりぃ・・・母ちゃん、オレ・・・なんにもできねぇし、なんにもしてこなかった」
そんなシュウジに母は一言。「アホ」
「なんにもしてない?バーカ。生きてるべや、生まれてきた」


私は泣くことしかできなかった。
許されるのかもしれないと思った。生きてていいのだと思った。
母にこんなこと言われたらもう十分なほど幸せだ。
シュウジの「これからと」も怖いことだと思います。だって、何の確証もない明日やから。
これから先に延ばせば、言えないまま死んでしまうことがあると知ったから。
この本に出会えてよかった。


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