上海で出逢いました その２
初秋には、
学校の計らいで、
日本文化を紹介する
コースを割り当ててもらう話になった。
また、このとき
上海の街角を
再びめぐってみたり、
市場調査かたがた
方々出歩いてみた。
魯迅公園に行ったのも
このときだった。
この文章を書きながら、
あの暑い魯迅公園での
散策を思い出す。
そうか、まだ
あのときには
「楽天日記」という存在も
知らなかったし、
いまのようにじぶんがブログを
書いて情報を発信する
ことになる、など思いもしなかった。
それにしても、
あの日のこと、まだ手に取るように
思い出すことができるなぁ。
日本から学生さんのグループが
来ていて、魯迅記念館の
中にある「内山書店」の
中で少し立ち話したなぁ。
魯迅というひとが
じつに近代的な思想を持っていて、
日本ともかかわりがあり、
いまだに中国では
精神的におおきな意味合いを
持っているということ、
よくわかりました。
「藤野先生」など、いまの
中国の若い人々にとっては
国語の試験問題の材料として
難解だな、としか思われていないようですけども。
でも、あの暑い日を
思い出すと、
そのときから
いかに多くの人たちと出逢って、
いまに至っているか、
と思うと、ふしぎだ。
率直に言って、いま、
あの日に戻りたくない、
ということは、
あの時よりも
いまのほうが充実していて、
こころに拠りどころがある、
ということではないだろうか。
あの日は公園の池を脇に
しばし物思いにふけていたものだ。
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