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われらの挑戦も2日目を迎えた。初日をともにマイナスで終えた二人の思いは、前向きながらも対照的であった。あくまで予選の突破をもくろむロビンとプラスまでは戻そうという私。どちらにせよ、2日目に何かを得なくてはならない。
2日目は後半シフトになる。前半のボウラーが4 G を消化したあとのコンディションが戦の舞台だ。…となれば、前半のボウラーがどのようなラインをとっているのかを確認することは、アジャストにとって大きなアドバンテージになるはず。少々早めに会場入りした私とロビンは自分の入る予定のボックスを後方から見学した。すると…「おっ…いいぞ、外をスピードボールで投じるタイプの人が2名。一人は内から出してるけれど…でも一人だけだ。オイルは昨日の最終ゲームより内が残っているかもしれない。」
そうこうするうち、今日もボックスにボウラーたちが集まっていく。しかしこれまた前日と同じことが起こってしまう。4人中3人が両手投げ!ここまで来ると不運だ、とかではなく、普通にあることなのだろう。アマチュアはまさに両手投げ全盛。そのことに対してどうこう言うより、それでもどう合わせるか?これを考えるしかあるまい。程なくして練習投球が開始に。
★練習投球
ボール選択は前夜も悩んだ。選択肢としては、前夜の反省を活かして「内に入って出しに行く」コリジョンで攻めるべきか、これから遅くなることを想定して、前日と同じくタイフーンか。また、外を一人旅できる「レベル」か…。悩んだが、まずは感じよく投げられているタイフーンでスタートする。前日スタートの -12枚 よりも 5 枚ほど内の立ち位置、-17枚からラインを内に寄せるようなイメージでストライクが持って来れそうだった。「何のために何球もバッグに入れてきたのか?」とは感じつつも、大きな変化が起きない限り、タイフーンで今日も投げることを確定させた。
★1ゲーム目 x 62 xxxx7/x 8s1 6s1 188 ( -25 )
うまくストライクで入れたのに、2フレと7フレでリリースを失敗。手が上手く返らず、縦回転気味に抜けていってしまった。せっかく中盤にうまく 4th を持ってきていたのに。終盤は 7-10 とド厚目のスプリットを喰らい、思うようにいかずマイナスしてしまった。
★2ゲーム目 7/ 8s1 7s2 xx9/xxx8/x 203 (-22)
このゲームが大会の大きなターニングポイントであった。序盤、前ゲーム終盤に引き続いてのブレイクダウンに捕まり2度も割る。正直、ここは心が折れかけた。前日のマイナスを返さなければいけないのに、打てるはずの1ゲーム目にマイナス。さらに2ゲーム目も出鼻をくじかれてしまった。ダメージは確かに軽くはなかった。ただ、ここで一度冷静になろう、心を落ち着けようと言い聞かせ、「あそこが噛むからこうなる、ここまで厚めに行くなら 2 枚ほど入ったって問題はない!と判断して、ラインを大きめに変更した。するとそれが状況を好転させ、ダボとターキー。わずかながらプラスを持って来られた。ラインが判った。あと2ゲームある。これなら…。
★3ゲーム目 xxxx9/xx9/xx9/ 247 (+ 25 )
よし!ついに大きめのプラスを持ってくることができた!4つ目のストライクが出たところで、これでマイナス分は全て返った。こう意識したが、そこに甘んじてはいけない。もっと大きなプラスを持ってこないといけないと考えて、気張って投球した。 10 ピンが2度残ったものの、一つはギリギリながらしっかりと取れたのも大きかった。さあ、この二日間の最後のゲームに向かう。一応、 175 でプラスなのは頭の片隅にあったが、昨日のように 165 をすれば全ておじゃんになる。攻める思いを大切に!
★4ゲーム目 xxx9/xxx8/ 7s1 xxx 232 (+ 57 )
アタマ3発でスタートし、 10 ピンタップを挟んでさらにターキー。「 27 だ、 27 をもってくるんや(にーななだ、にーななをもってくるんや)」と自分を励ましていたものの、最後の 8 フレで厚目、 9 フレ、やや内で、しかもスピードも緩んだのかもしれない…。痛恨のスプリット。これまたがっくりだ。ただ、最後なんとか気持ちを立て直して、パンチアウトしてゲーム終了。これはよくやった。
★総評
自分にとって8G1657、すなわち+ 57 は上出来といえた。センターアベが207、当日も207となれば、実力通りのものが出たといえるだろう。総合順位は 47 位 /76 人。後半の 870 で多少は追い上げた!と思えども、Aクラス参加者の真ん中にまでも達していない。壁は本当に厚かった。ただ、これからの夢が出来た。まずはこの大会で真ん中より上に位置する結果を残す。来年はこれだろうかと思う。
全体を振り返れば、ターニングポイントはいくつかあった。乗り越えられたものもあれば、そうでなかったものあった。プラスまで行けたのは前述する後半2ゲーム目で耐えきれたこと。反対に、乗り越えることが出来なかったのは、前半戦4ゲーム目の変化を回避できなかったこと、また後半戦4ゲーム目の終盤に、もう1枚寄る勇気がなかったこと。面白いのは、こうした大きなレーンの変わり目は同ボックスのボウラーにも同じように荒波を呼んでいて、一人が崩す時には決まってその前後のフレームで他の誰かもスコアを崩しがちだったことだ。上級者が集まれば自然とフッキングポイントはひとつに決まってくる。そして、同じようなところを投げていれば、変化は誰にも平等にふりかかってくる。だから、こうした反省を経験としてストックすることは、今後の上達に大いに活きるのだと思う。1度で学びきることが出来なくても、もう一度もう一度と経験を重ねていくことで、いつか、大きなスコアダウンを未然に防いで次のストライクを引いて来れるようなボウラーになりたいものだ。
…というような願いを抱きつつボールを回収していると、ふと気づいた。あ、ロビン!ロビンはどうなったんだ、あいつ。だいぶレーン離れているから忘れてたぞ!「クリストファーロビーーーーーン!!」(プーさん)と前日と同じく心で叫びながら駆け寄ると、そこには残念ながら芳しくない展開のスコアを表示させたロビンが、最終ゲームを投じだすところであった。私はこういうとき、変に慣れ合わない。彼が一番悔しいのだから、不必要な声はかけない。しかもまだゲームは残っている。よし、アイツの終わるまでに配布された弁当を食おう!と決意し、一人踵を返し、控室へ向かったのであった。
食事を終えて戻ると、ロビンも最終ゲームを終え、片づけを行うところであった。初日と同じようなスコアだったため、 B
クラスの後方でやや順位を下げていた。負けず嫌いの彼としては、これは大変悔しい結果だったろう。あれだけの準備をして、結果がでなかったのだから…。しかしこうした悔しさを活かしながら彼ならばきっとまた新しい成長に繋げてゆくことであろう。次回は A
クラスで共に競い合うことが出来ればそれが一番である。
三回にわたって連載してきた「イナグラ戦記 2025
」はここまでにしたい。私も40歳でいいトシにはなったが、それでもボウリングの道はまだ見ぬ先へとつながっていることを強く実感した大会であった。
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