●好きを満たそう●

２６～題

■もっと切ない50のお題
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026. ひとりぼっち

いつも公園でブランコ乗ってた、ひとりぼっちの私。
何をすることもなく、ぶらぶら。
何を考えることもなく、ぶらぶら。
誰よりも高く、誰よりも高速で
この乗り物を乗りこなせたなら
鳥になれる気がしてた
結局、何にもなれず、ひとり遊びが上手くなった。

寂しい、と口に出すのは嫌い。

027. わたしは眠る

白い花びらが吹き積もる暗い水底に、たゆたう者たちに
頭上から舞い落ちる雪の正体を知る術はない
今を生き残るため今日も餌をついばむだけ
明日も明後日も同じ日々がつづくだけ

夢をみるときあなたの優しい声が聞こえる
丸い泡を吹きだして口元をほころばせる
水面で弾けた泡があなたに想いを届けるの
“もっと色々おしえて”
語らいを邪魔するように揺さ振らないで
悪い夢は誰だってみたくはないでしょ？

楽しい夢だけをみてあなたに抱かれて過ごすの
舞い落ちる雪が死者の残骸だなんて知る由もない

028. 抱擁

私を抱くその腕は、あと何人の女の骨を舐めるのでしょう？
躰にまとわりつくこの温もりは、誰の残り香？
妄想が深まるほどに落ちていくのは世の常
手に包んだ愛の化身をどうにかしてやろうかしら
あなたに関わりすぎた、愛し過ぎた私の刑
いつかの口づけには毒が仕込んであったの
覚えている？　感じている？
それが私ってものなのよ
安易に触れたあなたが悪い
堕落していくのは解っているわ

ねぇ、こっちを向いて……離れないで……
あなたに減り込むくらい私を抱いていて
女のいじらしさも解ってくれないの
爪を立てることくらい簡単なのに、それができないのは私の弱さ

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