ベティの独り部屋

ベティの独り部屋


偶に行き交う人と肩をぶつける事が多かった。
さっさと屯所に帰っちまうか…。
と思い、少し距離が遠くなるが裏道を通ろうとすると、
偶然なのか、茶髪の小柄の少女を見つけた。
「あ…!!」
と、声を上げ、人ごみを掻き分け、ほんの数メートルを走った。
十メートルも無いのだが、とても長く感じた。
長く、長く、そして…
「おい!!」
と、肩を掴み、正面を此方に向かせた。
「え…?」
と小く、消え入りそうな高い声を上げたその少女に
「お前、もしか…し…」
と途中で声が出なくなってしまった。
その少女は、髪の毛がサラサラでふんわりし、顔立ちもよく、大きな瞳に驚愕の色は有るが、決して汚くなってはいなかった。顔の真ん中にある、小さく、つんと高い鼻に、艶のある、少し淡いピンクの唇を持っている、綺麗、とも美しいとも当てはまる、顔立ちをしていた。
「あ、あの、なんですか…?」
と、小鳥の囀りよりも高い、そして品のある声で訊ねた。
「あ…いや、お、お前…」
と少し躊躇し、
「銀時の…連れか?」
「え…?あ…はい。そうですけど…。」
土方は倒れそうになった。
銀時に不釣合いにもほどがある
と。


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