ベティの独り部屋

ベティの独り部屋


チャイムを鳴らすと出てきたのは万事屋で下働き兼つっこみの志村新八だった。
「はい、あ、楓南さん。おはようございます。今銀さん寝てるんですよ、ってあれ?土方さん?」
楓南に話かけている途中に土方の存在に気付いた新八は
「え?ど、どうしたんですか?楓南さんなんかしたんですか!?」
とても信じられないような顔をしている。という事は、普段この楓南は誠実で規律正しい人間なんだと土方は察した。
「あの、違うんです新八さん、土方さんが銀時さんにお会いしたいそうで…」
と、土方の方を見て土方も
「あぁ、入んぞ。」
と半ば強引に入っていった。
応接間に入り、少し辺りを見回し、銀時が寝ている和室の襖を勢いよく開け、
「銀時!!」
と大声で銀時を起こした。
「…あっ?何?土方?何?なんでいんの?」
と銀時はぼんやりした顔で聞いた。
「何してるじゃねぇ!!てめぇ、いつから女つくりやがった!!」
と胸倉を掴んだ。だが銀時は、
「はぁ~~??何で土方に一々云わなきゃなんねぇんだよ?」
と頭をかきながら聞いた。
「れっ、礼儀だろうが!」
と、焦りながら応えた。
その反応を見て銀時は、ニヤリとして、
「へ~~??もしかして、楓南に惚れたとか?」
「な…!!違うわ!」
と顔を真っ赤にして云った。
「駄目だよォ?人の女に手ぇ出したりしたら」
「するか!!」
と殴りかかろうとしたが、はっ!と気付き、後ろを振り向くが誰も居なかった。
土方はホッと、息をもらした。そんな土方を見て銀時は大声で
「楓南ぁぁぁ!!ちょいこっち来ぉぉい!!」
と叫んだ。土方は
「は??な!!?」
と焦った。すると応接間の方から
「はい。分かりました。」
と楓南が入ってきた。土方はバッと条件反射で立ち上がった。
「土方君、君に惚れちまった様なんだけどぉ、どうするぅ?」
とニヤニヤしながら云った。土方は
「ち、違うわ!!いてまうどゴルァ!!」
と銀時を死なない程度にボコしてやろうと考えたが楓南の前だと妙に身体に自由が効かなかった。仕方ないので楓南の方を見ると、顔を真っ赤に染め憂い気に下を向いていた。土方はそんな姿を見て、少し胸が熱くなった。
「あ、いや、じょ、冗談だぜ?だろ銀時!?」
銀時を見たが、やはり締まりのない緩んだ顔で、
「いやいやいやいやぁ??土方くん照れてるからねぇ??」
と楓南に告げた。
思いっきりぶん殴ってやろう、楓南がいねぇ処で。
土方は心に誓った。
楓南は下を向いたまま、顔を紅く染めていた。
少し、困ったような顔をしていたのだが其処まで土方は敏感ではなかった。


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