ベティの独り部屋

ベティの独り部屋

12


土方はハッと思い出した。
「…銀時さんは私が男だと云うことを承知して、付き合ってくださりました。」
少し頬を染め、嬉しいような顔をした。
そんな楓南を見て胸が張り裂けそうになった。
「…俺だって…」
「え?」
土方は何かを呟いたがあまりの小ささに聞こえなかった楓南は
「なんですか?もう一度云ってください。」
急かすように云う楓南に、土方は思い切って、
「俺だって、楓南が…!!!」
息が詰まった。
これ以上云ったら、もう、後には退けないことを反射的に判断した。
ー…云え…。
土方は自分との戦いをしていた。
楓南は黙って土方を見ていた。
何を云うのか、自分はこの人にとって、なんなのか、知るために。
土方は
云え、云わない。云え、云わない。云わない、云え。云わない、云え。
そんな言葉を繰り返していた。
何度も、何度も。
土方は肩を震わせていた。
真選組、鬼副長と恐れられた土方は、もう、この世に居なくなったも同然の様に、肩を震わせ、目に涙が出そうになった。
自分はこんなに臆病だったか。
土方は自分で自分に問い詰めた。
違う、俺は真選組の副長。
土方十四郎だ。
「……楓南。」
やっと、口が開いた。
「俺はお前が好きだ…っ!!」
土方は云い切った。
楓南は、目から一筋の涙が出た。
そして、楓南は口を開いた。



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