非常に適当な本と映画のページ

非常に適当な本と映画のページ

2025.01.08
XML
カテゴリ: 洋画




 シルヴェスター・スタローンが主演したアメリカ合衆国のアクション映画。
 1985年公開。
 1982年に公開された『ランボー』(原題:First Blood)の続編に当たり、スタローンが引き続き元米軍特殊部隊員ジョン・ランボーを演じている。
 原題は「Rambo: First Blood Part II」。



粗筋

 元米軍特殊部隊員ジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)がワシントン州のある町で事件(「ランボー、First Blood」)を起こしてから3年。
 服役中のランボーは強制労働所にいた。
 そこに、元上官のサミュエル・トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が姿を現す。特赦と引き換えに極秘任務に参加する気は無いか、とランボーに持ち掛ける。その任務とは、戦時中ランボーが脱走したベトナムの捕虜収容所付近に潜入し、戦後10年以上が経過した今なお囚われている戦争捕虜を救出する、というものだった。
 任務を承諾したランボーは釈放され、タイの米軍基地に輸送される。
 そこで、トラウトマン大佐とCIA所属のマードック(チャールズ・ネイピア)が出迎える。
 マードックのブリーフィングにより、救出作戦といってもランボーが関わるのはその前段階の偵察だけなのが明らかになる。ランボーはあくまでも収容所と捕虜の存在を確認して写真を撮るだけで、捕虜を発見出来ても手を出さずに帰還しろ、と釘を刺されてしまう。
 不満を抱くランボーだったが、命令は命令だし、より大規模な作戦が後に展開されるのだろうと期待して、低空飛行の軍用機でベトナムに潜入する。
 軍用機から飛び降りる際のトラブルによりカメラを始めとする装備の大半を失うも、女性情報員コー・バオ(ジュリア・ニクソン)と落ち合い収容所へ向かう。
 コーは、目的地の収容所は誰も使っていない筈で、何故わざわざ向かうのか分からない、と言いつつも、ランボーを案内する。
 問題の収容所は、一見誰もいない様だったが、実際には使われていて、アメリカ兵の捕虜が収容されていた。その惨状を目の当たりにしたランボーは任務外の救出活動を開始。1人の捕虜を連れ、ベトナム軍による追跡を受けながらも、脱出地点を目指す。
 目的地へ到着した彼らの頭上に救助用のヘリコプターが約束通り現れたが、ランボーが捕虜を連れているという報告を受けたマードックは、直ちに救出を中止して帰還するよう、ヘリに命じる。
 ヘリは、ランボーと捕虜を目の当たりにしながら、救出を中止して帰還してしまう。
 タイの米軍基地では、トラウトマン大佐が何故ランボーと捕虜を見捨てたのだ、とマードックに詰め寄る。
 マードックは冷酷に答える。今回の作戦は、ベトナムにはアメリカ兵の捕虜なんて存在しない、という「事実」をでっち上げる為のもので、捕虜を実際に救出するつもり等全く無い、と。使われていない筈の収容所にランボーを偵察に向かわせたのも、誰もいない施設の写真を撮らせる為だった。にも拘わらずランボーは捕虜を実際に発見してしまい、挙句の果てに1人を救出しようとした。そんな事は許されない、と。
 トラウトマン大佐は、捕虜が実在するのに見捨てるのか、と迫る。
 マードックは反論する。捕虜を全員探し出して救出するとなったらアメリカはベトナムと再度戦争する羽目になる。今のアメリカにそんな余裕は無い、と。
 ランボーは作戦中に死亡、捕虜は存在しない、で事を片付けようとするマードック。それに対し、ランボーは必ず帰って来る、とトラウトマン大佐は警告した。
 置き去りにされたランボーらは捕らえられ、収容所へ連れ戻される。苛烈な拷問を受けるランボーの前に、ベトナム軍支援の目的で秘密裏に派遣されていたソ連軍のポドフスキー中佐(スティーヴン・バーコフ)が姿を現す。
 ポドフスキー中佐は、ランボーを拷問し、アメリカが未だにベトナムに介入しようとしている事実を自白させようとする。
 ランボーは国を裏切る事を拒否する。
 ポドフスキー中佐は、傍受した通信の内容を読み上げ、このやり取りからするとお前は味方に見捨てられた様だ、これでも祖国アメリカの為に尽力するのか、と問う。
 マードックの裏切りを知ったランボーだったが、それでもポドフスキー中佐に協力する事を拒否する。
 しかし、協力しないと捕虜を殺す、とポドフスキー中佐に脅されると流石のランボーも協力するしかなかった。
 ポドフスキー中佐の要求で、ランボーは通信機を使ってマードックに連絡を入れる。
 ランボーが生きていると思っていなかったマードックは突然の連絡に動揺するが、平静を装い、ランボーがどこにいるのか訊く。今直ぐ救助を向かわせる、と。
 それに対し、ランボーは「お前を殺しに向かうから待ってろ」と言い放つと、油断していたポドフスキー中佐を捻じ伏せて脱出。
 丁度同じ頃収容所に潜入していたコーと合流したランボーは、収容所から逃走。
 これからどうする、と訊くコーに対し、ランボーは一応自由の身になったから自由に暮らしたい、と述べる。
 コーは、自分はアメリカに行きたい、連れて行ってほしい、と言う。
 ランボーは、いつか連れて行ってあげよう、と約束する。
 しかし、その直後にコーは追って来たベトナム軍兵士らにより狙撃されてしまう。
 コーはランボーの手の中で「アメリカに行きたい」と呟きながら息を引き取る。
 ランボーは、コーの仇討ちと捕虜の救出を決意。
 コーが着ていたドレスの布切れをヘッドバンドにし、彼女がお守りとして使っていたネックレスを身に着けると、敵への反撃を開始する。
 ランボーは、追って来たベトナム兵とソ連兵を次々殺害していく。
 ソ連軍はヘリを投入してランボーを追うが、ランボーはそのヘリを乗っ取って収容所に戻り、収容所を攻撃。
 あらかた敵を倒した後、収容所にいた捕虜らをヘリに乗せてタイに向かう。
 途中、ポドフスキー中佐が操縦する大型武装ヘリに襲撃され、ヘリは中破する。が、ランボーの機転で大型武装ヘリを撃墜し、タイの米軍基地に到着。
 ランボーはマードックと再会し、存在を知っている他の捕虜も救出しないと殺すと脅した後、その場を後にする。
 トラウトマン大佐は、ランボーに、今後どうするつもりだ、と訊く。
 その日暮らしで問題無い、とランボーは言い残し、基地を去る。



感想

 デイヴィッド・マレル原作の小説(First Blood、邦題:一人だけの軍隊)では、主人公のジョン・ランボーはラストで死んでしまうが、劇場版ではランボーはトラウトマン大佐に説得されて投降する、というラストで終わっているので、続編を作る事が可能となった。
 マレルは、自身が作中で殺したキャラが映画では生き続ける事になった展開に違和感を覚えた様だが、映画版第2作と第3作の小説版の執筆を手掛けているので、最終的には問題視しない事を決めたらしい。といっても、流石に第4作と第5作のランボーの扱いには抵抗感があったらしく、一切参加していない。

 第一作はアクション映画ながらもアメリカを舞台にした戦闘を扱ったものだったが、本作は舞台を東南アジアに移し、ジャングル戦等を描いている。
 ランボー=上半身裸でマシンガンを打ち捲るアクションヒーロー、というイメージが確立したのも本作から。
 ただ、実際には音を立てないという理由からか弓やナイフで戦闘する場面が大半で、銃を使うシーンは意外と限られている。

 ベトナム戦争に参戦したアメリカ兵の捕虜が未だにベトナムに残っている、という当時の社会問題を取り上げてはいるが、基本的に頭を空っぽにして見るアクション映画。
 ランボーも、前作の「戦争トラウマに苛まされる元軍人」という要素はほぼ排除され、ひたすら戦い捲る男として描かれている。

 映画ならではのご都合主義というか、不自然な場面も多い。
 ランボーは飛行機に乗ってタイからベトナムまで潜入し、飛行機から飛び降りてパラシュートで降り立ち、そこから徒歩で収容所に向かって偵察し、写真を撮影して戻る、という任務を負わされる。
 が、いざ任務決行となると、ランボーは飛行機から飛び降りる際にベルトが引っ掛かってまともに飛び降りられず、カメラや銃等装備のほぼ全てを失ってしまう。ナイフと弓だけで収容所に向かう羽目に。
 優秀な特殊部隊の筈のランボーが、飛行機から飛び降りる、というあらゆる作戦の基本中の基本でミスを犯すなんて有り得るのか。
 あくまでも地上での戦闘に長けているだけで、それ以外の活動はあまりやった事が無い、という事か。もしそうだったとしたら「伝説の特殊部隊員」とされるには無能過ぎないか。
 そもそも優秀な筈の軍人が、上官からの命令を無視して「撮影だけで帰って来いだと? ふざけるな! 捕虜を連れて帰ってやる!」なんて命令違反するのか。命令をしっかり守って任務を遂行し、余計な行動は例え理不尽に感じても避けて動くのが「優秀な軍人」ではないのかね。
 結局ランボー、て戦闘能力は圧倒的にあるが、命令を聞かないトラブルメーカーだったから除隊されてしまい、帰還してもどこにも馴染めず、ワシントン州での大事件に発展してしまった感が無くも無い。

 ヘリのパイロットとしてランボーの救出に向かうもののマードックの命令によりランボーを目の当たりにしながら救出を中止して彼を見捨てるエリクソンを演じているのは、マーティン・コーヴ。
 コーヴは本作の前年に公開された「ベスト・キッド(原題:The Karate Kid)」で悪徳空手道場の指南役を演じて有名に。
 コーヴ自身は空手の有段者なので格闘の心得があるが、本作ではあくまでもパイロット役で、格闘シーンには全く参加していない。ラストで帰還を成し遂げたランボーにぶん殴られて終わるだけという、損な役。
 コーヴは本作出演後「ベスト・キッド」の第2作と第3作に出演し、「悪徳空手家」の役柄を不動のものとする。
 彼が演じたエリクソンは、マードックと同様悪役扱いされている。が、例え理不尽であっても上官の命令はしっかりと順守する、という観点ではランボーよりまともな軍人と言えなくもないのは皮肉である。

 第1作の原題は原作小説と同じ「First Blood」だったが、日本では「ランボー」という邦題で公開された結果、大成功を収めた。
 それに影響されてか、本作の原題は「Rambo: First Blood Part II」となっていて、「ランボー」の名が前面に押し出されている。
 その結果世界的には「ランボー・シリーズ」として知られる様になり、シリーズ作は単に「ランボー1」「ランボー2」「ランボー3」等として認識される様になってしまった。

 ランボーというと、赤いバンダナで髪を纏めている勇姿がポスターにもなっている。
 本作で登場する女性工作員コーが、収容所に潜入するのに売春婦を装う必要があり、その為に赤いドレスを着用。
 ランボーはそのドレスの切れ端をバンダナにして仇討ちに挑んだ、というのが赤いバンダナの由来だが、本作以降の続編ではあまり言及されない。

 早い段階でお役御免となってしまう偵察用のフィルムカメラは、ニコンだった。
 この頃は高性能なカメラはニコン、という事になるらしい。

 本作は、アメリカで劇場公開された時は評価は芳しくなく、ラジー賞を受賞し捲るくらいだった。
 が、興行成績では1985年公開映画の中で全米第2位に付け、世界市場では第3位という好成績を残した(ちなみに、この年の全米1位は「バックトゥザフューチャー」、3位は同じくスタローン出演作の「ロッキー4」)。
 本作をきっかけに機関銃を撃ち捲るアクション映画が続々と制作され、アクションヒーローやアクションスターが多数誕生。
 社会現象となり、それまでのアクション映画シリーズにも影響を及ぼし、現在も映画界に影響を与え続けている。
 スタローンはここまでの作品になると知っていたのか。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ランボー/怒りの脱出 [ リチャード・クレンナ ]
価格:1,320円(税込、送料無料) (2025/1/5時点)







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.03.22 20:13:33
コメント(0) | コメントを書く
[洋画] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: