希望の綴り

前日



数日前から、私は、頭がガンガン痛かった。
夕飯の支度もしないで、寝ていた。土曜日だったせいもあって、旦那は早く帰ってきて、子供達にご飯を作って食べさせてくれた。その後の片付けもしてくれた。

その時私は、聞いた「明日も仕事?」
旦那「午後から」と答えた。
休みなしに仕事をしている旦那に「そんなに仕事仕事って、次男が中学卒業するまでは、生きていてもらわないとこまるんだからね」と言った。旦那は、苦笑いをした。

今思えば、4月3・4日に旅行に行く予定にしていた(それは、お通夜とお葬式に変わってしまったが)から、そのために仕事を終わらせようのしていたのだと思う。それにしても、亡くなる前、3・4ヶ月は、休んでいなかった様に思う。記録として残しては、いなかったから、はっきりした事実は残っては、いないし。残業をあまりつけると、会社から文句(管理職よりも給与が多くなってしまうと)を、言われるからと残業もつけていなかった。
亡くなる前一年間は、残業をキチンとつけていた頃よりも年間百万円収入が減った。
残業もつけて無かったから、私がいくら過労死と思っても、証拠が無い。裁判を起こしたところで、毎日の生活をしていくには、お金が必要。裁判は労力がいるし、何年もかかるという話も聞く。だったら、黙って遺族年金を、貰って生活して行こうと、決めた。

話をした後、珍しく旦那は、早く寝た。旦那は、何日か前から、顔色が悪かった。それでも、朝早くに起きて取引先のお店の開店のお手伝いに行っていた。いまいち夫婦の会話が無かったから、「どうしたの?病院に行ったら」の一言が言えなかった。いまだにそれは、私の後悔として残っている。

私も続くように、寝た。
夜中に、玄関の開け閉めの音で目が覚めた。一瞬どろぼう?と思った。しかし、旦那の布団を見たら居なかった。
時々夜中に起き出して、テレビを観たりする人だったので、タバコを吸いに外に出たのかな?と思った。(私は、タバコが大嫌いで子供達にも良くないから外で吸ってもらっていた。亡くなってから、その話をしたら、義姉にそんな事させてたの!と言われたが)

しかし、それはタバコを吸いに出たのではなく、気分が悪くて、外の空気を吸いに出たのだったと思う。どろぼうでは、無いと思い安心して私は、また寝てしまった。(時間をみてなかったので、これが30日だったのか?31日だったのか判らない)


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