Book - ファイナンス

財務・ファイナンス
 企業の財務担当者や経営者のみならず、一般投資家もファイナンスのリテラシーが問われる昨今、益々その知識の重要性が高まっています。今まで読んだ書籍で、そんな知識を理解するために手助けとなるものを上げました。いくつかは内容的に古いので、規制緩和や新しい金融商品が次々に登場しますので、そのフォローのためにも頻繁にインプットする必要がありますね。
No. タイトル 著編者 短評
1 戦略財務マネジメント (日本経済新聞社1994/06) 大庭清司 /山本功  "売り上げ至上主義からの脱却"というサブタイトルが示すように、今では定着しつつある株価・株主重視経営、キャッシュフロー・マネジメントを読み物風に解説しています。著者はNRIの方です。現在は『入門「戦略財務」経営』というタイトルで出版されています。
2 入門企業金融論 (日本経済新聞社1994/10) 岩村充  企業金融の入門書に最適です。数式などを使わずに、最適ポートフォリオ、MM理論、資産証券化とエージェンシー問題などをやさしく解説しています。著者は日銀の方ですが、本書は日本公社債研究所の若手アナリストの勉強会の資料をまとめたものとのこと。
3 株主価値創造革命 (東洋経済新報社 1998/07) 井手正介 /高橋文郎  ベストセラー『企業財務入門』のNRIコンビによる。これまでの日本企業の経営財務の問題の分析と今後のあり方については、今では目新しさはないものの鋭い眼差しで解説しています。
4 外国為替金融の基礎 (東洋経済新報社 1990/12) 山口雅仁  著者は旧東銀(?)の外為畑出身。もう十年も前の出版なので、オプションなどのデリバティブに関する記述はなかった気がしますが、一般企業の財務で必要な知識は網羅してるのでは。入社当時は本書と住友の外国課の研修テキストをよく参照した覚えがあります。
5 実践・資金繰りの実務 (日本生産性本部 1993/11) 平井謙一  CF計算書云々と世間では騒いでいますが、本書で資金繰り表、資金運用表、資金移動表の考え方や作成法をマスターしていれば、怖いものなし(かな?)。かなり丁寧に解説してて親切設計なのですが、やや図表が見づらいのと初版では誤植が目立ったのが玉に傷かも。
6 日経証券記事の読み方 (日本経済新聞社 改訂3版1998/09) 日本経済新聞社編  証券市場・資本市場の基礎知識をやさしく解説しています。改訂も頻繁に行っているようで、アップ・トゥ・デイトな情報も改訂版で補完できます。企業の財務担当者だけでなく、一般投資家の方にもお勧めです。
7 入門の金融 投資信託のしくみ (日本実業出版社 1998/06) 大島和隆  投資信託の仕組を平易な言葉で説明しています。著者は「さくら日本株オープン」のファンド・マネージャーとして有名ですが、この手の書籍にありがちな"こうすれば儲かる"的な記述ももなく、投信の基礎知識だけでなくリスク全般や個人資産のポートフォリオの考え方についても触れているので参考になります。。
8 企業財務入門 井手正介/高橋文郎 全体的に分量もカバーしている内容もよくバランスしており、コーポレート・ファイナンスの入門書としてお勧めしたい一冊です。ちなみに、現在は、『経営財務入門』と改題されています。
9 企業分析入門
(東京大学出版会 2001/12)
K.G.パレプ/著 P.M.ヒーリー/著 V.L.バーナード/著 斎藤静樹/監訳 筒井知彦/〔ほか〕訳 企業分析の定性的・定量的アプローチについて、高度かつ非常に丁寧に説明をしており、経営分析の参考になりますし、その背後のある考えも理解しやすいです。ただ、不自然な日本語や実務上で使用しているのか″?″な単語が目に付きます。それでも、このジャンルの中では一押しの一冊です。
10 ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理 バートン・マルキール/著 井手正介/訳 効率的市場仮説に基づいて、インデックス・ファンドの有効性を説いています。証券市場の慣行や税制面で日米の違いがあるので、そのまま通用するかは別として、これから証券投資される方には是非お勧めしたい一冊。
11 ピーター・リンチの株で勝つ アマの知恵でプロを出し抜け ピーター・リンチ/著 ジョン・ロスチャイルド/著 三原淳雄/訳 土屋安衛/訳 伝説的ファンドマネージャーの投資哲学が満載の一冊。ただ、何一つ目新しく奇抜なことは書かれておらず、一貫して<長期投資>あるいは<ファンダメンタル重視>の姿勢が重要なことを痛感させてくれる。


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