いいこと探検家の人生冒険ポジティブ日記

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サンタさんへのプレゼント



サンタさんへのプレゼント




「ワーイ、ワーイ!

サンタさんからのプレゼントだ~!」

ミチルがうれしそうに、はしゃいでいます。


それもそのはず、

ミチルがずうっと心の中でお願いしていた
パンダのぬいぐるみだったからです。


「サンタさんが私のお願いをかなえてくれたんだね。

サンタさんホントにありがとう!」

ミチルは何度も何度もお礼を言いました。



「何かお返しをしなくっちゃ。

今度は私からサンタさんにプレゼントしようっと」。


ミチルは

「サンタさんって、何をプレゼントしたら喜んでくれるかな?」

と考えました。


「あっそうだ。サンタさんに聞いてみよっと。パンダのぬいぐるみの
こともちゃんと聞いていてくれたから、何がほしいか聞いたら、きっと
答えてくれるはずだわ」

ミチルは、それからというもの、毎日、毎日、寝る前に、

「サンタさん、今度のクリスマスは私がサンタさんにプレゼント
したいんだけど、何がいい?」

と心の中で質問しました。






1年がたち、クリスマスがやってきました。


残念なことに、サンタさんから何の返事もありませんでした。


「あ~あ、サンタさん、私のお願い聞いてくれなかったわ。
でも、何かプレゼントしなくっちゃね」

ミチルは、「何をあげようかな」と考えました。


「あっ、そうだ!
サンタさん、ずっと雪の中で寒そうだから、マフラーを編んで
あげようっと!」

そう言って、ミチルは学校で習いたての編み物を始めました。

なれない手つきで一生懸命に編みました。


夜が遅いので、だんだん眠くなってきました。


半分くらいできたとき、とうとう眠ってしまいました。





ふと気がつくと、だれかがミチルの前に立っています。


「こんばんは、ミチルちゃん」

「こんばん・・・・あっ、サンタさん!!!!・・・・そうでしょ!」

「そうだよ。サンタおじさんだよ。おどろかせてゴメンね」

とサンタおじさんが、もうしわけなさそうにあやまりました。



「どうして、私の質問に答えてくれなかったの?」


「ゴメンね。ちゃんと聞こえてたんだけど、サンタのおじさんは、
クリスマスの時にしかお話しできないんだよ」


「そういうことだったのね。したかがないわね。
でももういいの。こうしてサンタさんに暖かいマフラーを作って
あげたから・・・・あっ、しまった!
まだ半分しかできてなかった!
うぁぁぁ、どうしよう????」

ミチルは、どうしていいか分からなくなってしまいました。


「スゴイ、スゴイ! 最高にうれしいよ。
こんなに心のこもったマフラー、どんな大きな店にも売ってないよ。
うれしいな、うれしいな!!!」

サンタおじさんが、からだ全体で喜んでいます。

「でも、半分しか・・・・」

とミチルが悲しそうにしています。


それを見ていたサンタおじさんは、やさしくほほえんで
言いました。

「このマフラーは半分かも知れないけど、
これで世界中が幸せになれるんだよ」

「えっ、世界中が幸せに?・・・・どういうこと?」

ミチルが不思議そうにたずねました。


「ミチルちゃんがプレゼントしてくれたおかげで、
サンタおじさんは最高に幸せなんだ。
これから、そんな幸せな気持ちでたくさんのよい子たちに
プレゼントを贈るだろう。
そうすると、そのプレゼントにサンタおじさんの幸せが
乗り移るんだよ。
その幸せは、それを受け取った子どもたちにも伝わって、
そして家族みんなに伝わるんだよ。
そのうち町中が、やがて世界中が幸せいっぱいになるんだよ」

サンタおじさんがそう言って、うれしそうに
はしゃいでいます。


「ええ~っ! たったこれだけで世界中が幸せになるの?」

ミチルが驚いています。

「そうだよ。おどろいたかい?
世界ぜーんぶの幸せも、たったひとりから始められるのだよ」

そう言って、サンタおじさんがミチルに向かってウインクしました。




「サンタのおじさん、ひとつだけ聞いてもいい?」


「もちろんいいよ。何だい?」


「サンタのおじさんって、ここに来る前はどんなプレゼントが
ほしかったの?」

ミチルがイタズラっぽくたずねました。


「ワハハハハ!!! するどい質問だね。
実は・・・・
何もほしくなかったんだ。みんなの笑顔さえあればね」


「みんなの笑顔?」


「そうだよ。みんなの笑顔さ。
笑顔を見ると幸せな気持ちになれるからね。
笑顔が最高のプレゼントさ」

サンタおじさんは、これまでずっと見続けてきた子どもたちの笑顔を
思い出して幸せそうに言いました。

「そうか! そうよね。
笑顔だったら、私にもできるものね。
ホントはね、マフラーの毛糸がなかったらどうしてたんだろう、って
思っててたんだ。
笑顔だったら何にもいらないものね」

そう言って、ミチルがニッコリと笑いました。


「うぁぁぁ、マフラーと笑顔のダブルプレゼントだ!
ミチルちゃん、ホントにありがとう。

・・・・あっ、夜が明けてしまう!
みんなにプレゼントを届けに行かなくちゃ。
それじゃあ、またどこかで会おうね。」

サンタおじさんはニッコリ笑って・・・・夜空へと帰って行きました。




「ミチルちゃ~ん、朝ご飯よ~」

ミチルは、お母さんの声で目を覚ましました。


「あれ? 夢だったのかな?
なんかホントにサンタのおじさんに会ったみたい。
すごーく楽しかったなあ!

あれっ、マフラーがないわ。ベッドの下に落ちちゃったかな?」

ミチルがベッドの下をのぞいてみると、毛糸の玉が転がっていました。

しかし、マフラーは見あたりません。


ふと窓を見ると、くもったガラスに何か文字のようなものが見えました。

近づいてみると、ハッキリとした字でこう書いてありました。


「ミチルちゃん、心を込めて作ってくれたマフラーをありがとう!
そして、楽しい思い出と、幸せをありがとう!」


「あっ、サンタのおじさんだ。やっぱり来てたんだ!」

ミチルはうれしくて部屋中を走り回りました。

そのとき、少し離れた窓のところに、また何か書いてあるのを
見つけました。


「笑顔」って書いてありました。

「うあぁ、サンタさんからのクリスマスプレゼントだわ!」

ミチルはそう確信しました。


「そうそう、笑顔だね。私の笑顔で世界中が幸せになるんだね。
サンタさん、ミチル約束するよ。ずっと笑顔でいるってね」


それからというもの、ミチルはどんなときでも笑顔を忘れませんでした。


ミチルに出会った人は、みんな幸せな気持ちになりました。

そして、幸せの環があっという間に世界に広がり、みんな仲良しになり、
うれしいことに地球上から戦争がなくなりました。


笑顔!


みんな、忘れないでね。


               【by いいこと探検家】


最後のクリスマスプレゼント


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