子どもの教材から・おおきなかぶ



もし、私が先生だったら?授業をするとしたら、と仮定をして、思いついたことを書いてみます。

この話は、大きなかぶを収穫しようとしたおじいさんが、次々助けを求めることから始まります。おじいさんはおばあさんをよび、おばあさんはまごを、まごはいぬを、いぬはねこを、ねこはねずみを・・・

みんながひっぱって、ようやくかぶは抜けました、で話は終わります。劇も多分そこで終わりでしょう。

私が子どもに教えるとしたら、まずは大きなかぶがおじいさんにとってどんなものだったのか、考えさせます。大きなかぶ、引き抜いても抜けないかぶをおじいさんはどうしてあきらめないで抜こうとしたのか。大きなかぶを抜いたあとどうしたのか。

かぶが冬の野菜ということも、知らない子はいるでしょう。水遣りや草取りが必要なことも。おじいさんが収穫をどんなに心待ちにしていたか、ということは絵本のどこにも書かれていません。長い冬を越すために、たくさんの食料がいることも、冬野菜がどんなに貴重かということも。

Bは畑で大根を抜いたことがありますし、長い根を持つ草や木を抜いたこともありますから、大きなかぶを抜くために、たくさんの人出が必要なことは想像がつくと思います。それに力もちのおじいさん(高齢者でも、長年農作業をしてきた人は、おどろくほど力もちです)でも抜けないほどのかぶというものが、どれほど大きくて重いかも実感できているはずです。

重い作物は、軽い葉もの野菜に比べて貯蔵がきくことや、おなかもちもいいこともできたら教えたいですね。

かぶを抜こうとする前の状況を想像させたり、抜いたあとどうしたかも考えさせたいですね。かけない子には話し言葉で、それもできない子には、状況を書いたカードを選ばせたりして、新しい話を作ります。

おじいさんは、あまった種をもらって植えました。忘れたころにかぶができました。抜いてみても抜けないので、あきらめて帰りました。

おじいさんは、荒地をたがやして畑を作りました。苦労して水をやって、ようやくかぶができました。おじいさんの家にはもう食べ物がないので、おじいさんは楽しみにしていました。ようやく抜けたかぶで、おじいさんとおばあさんは料理を作って、みんなを呼んでパーティーをしました。

劇の練習だけでは出てこない発想や答えも多分でてくるでしょう。かぶの実物がどういうものなのか、知りたいと言う子もでてくるでしょう。

一冊の絵本からいろんな世界が広がります。



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