発達障害の診断



目に付きやすい病気や体の障害と違い、発達障害は目につきにくく、「子どもの個性か障害か」の区別が難しいため、発見が困難です。私の子どもたちも、私が異常に気づいてから、専門医から診断名をもらうまでに、長い時間がかかりました。

かかりつけの小児科医も、自治体の検診でも、「異常なし」「ちょっとおくてなだけ」といわれるだけで、何もしてもらえませんでした。今の時代は、たとえ障害の疑いがあっても、「様子を見ましょう」と言われるばかりで、診断をつけることにどこも慎重な態度です。

子どもに障害があるからといって、その子の価値が下がるわけでも、可能性がなくなるわけでもないのですが、大多数の親は子どもに「障害児」というレッテルを貼られることを拒みます。

障害児差別を恐れるあまり、子どもの診断が遅れ、適切なケアが受けられないことの方が、私は怖いと感じました。上の子が適切なケアを受けられるようになったのは、私が子どもの障害に気づいてからなんと10年後です。下の子はそれより早かったものの、それでも5年かかりました。

「やる気のない子」「みんなと同じことができないワガママな子」という誤解を受けたまま過ごした年月を思うと、子どもに申し訳ない気持ちになります。発達障害の正しい診断をしてくれる病院は少なく、予約まちで一杯です。

子どもと接する機会の多い人には、ぜひ発達障害の知識を持ってほしいと思います。


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