斜視?これは違う・・・



同居の年寄りが多いこと。
母親が30代、父親が40代と、親がどちらかと言えば高齢なこと。
きょうだいの年齢差が大きい(6歳)こと。
年の近い子どもと接する機会が少ないこと。

並外れて神経質なことも、睡眠時間が短いことも、発達が遅いことも皆生育歴のせいでしょう、大きくなるとまたかわるでしょうと言われた。

Bも一日わめいて紫になっているわけではないし、睡眠も少ないけれど、まったく寝ないというわけでもない。BはBなりに成長してたし、私はそんなBがかわいくて仕方がなかった。二番目の子だから、育児にはなれてきていたし、これはこの子の個性だ、人並みじゃないくらいでけっこうだと思っていた。

Bについて気になることが一つあった。こんなに小さいのに、人を横目で見る。上目使いでじーっと眺めていることもあった。目ざとい人は気づいて、「あらやだ、この子いやな目をするね。」と言った。言葉がやさしい人は、「子どもの目は大切だから、気をつけてあげてね。」という言い方をした。

私もBの目がおかしいということは気づいていた。生後すぐに涙菅狭窄を起こしてしまい、ブジーを入れて広げたこともあった。風邪を引くとすぐ涙がでて、目やにがたまってきたし、目がうるんでいることも多かった。眼科に通うこともけっこう多かったから、そこで異常を指摘されないということは、目の異常ではなく違うことからだろうと思った。

・・・・やっぱり自閉症、かな?昔読んだ本の「自閉症児は周辺視野を好む」という一文が頭に浮かんだ。自閉症児は目をあわさないとよく言われる。人の目をまっすぐに見つめるよりは、横目や上目の方が自分にとっては刺激が少ない。Bもそれかなあと思った。斜視の可能性は薄いと思った。もし斜視なら眼科の先生が気づかないはずがないからだ。

私はBが自閉症かもしれない、ということより、Bが「目つきの悪い子」と言われる方が気になってしかたがなかった。こんなにかわいい子なのに、なんでそんなことをずけずけいうんだろう。そんなことを言う人だから、Bが目をそむけたくなるのも無理はないと思ったり、Bが傷つかないように、何かできないかとも思ったりした。


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