育児論 いく☆なみ篇  『笑顔がいっぱい』

育児論 いく☆なみ篇  『笑顔がいっぱい』

母乳育児の話





今日は私が母乳育児を始めたころのお話です。

息子は1歳1ヶ月を前に、無事に自然卒乳をしました。
もうすぐ1歳2ヶ月になりますが、おっぱいを欲しがることもなく、ご飯をたくさん食べてすくすく育っています。
なかなか発育曲線に満たなかった我が家のチビチビ息子。
そんな息子がオデブぎみになるまでの一年間を少しずつお話していきたいと思います。


思い返せば2004年11月、自然分娩で出産し、過度の出血と貧血のため入院すること約2週間。
その間、私のおっぱいはほとんど張ることも無く、また一向に出ませんでした。
量っても6ccとかそんな程度です。
仕方がないので、ミルクと混合、というかほぼミルクでした。

入院仲間の経産婦さんたちは、「退院して家に帰ると途端に出るようになる」だとか、「1ヶ月もすればピューピュー出る」などと言って励ましてくれたものです。


さて、退院してからどうだったかというと、やはりそんなに上手くはいかず、出ているんだろうか?と不安な気持で飲ませながら、あとはミルクに頼りきりでした。
吸わせる時間は、片側10分。両方飲ませると20分。
その前に、なれないオムツ替えで5~6分。(まごまごしてると10分くらい経ってしまう)
おっぱいの後はミルクを作ってから飲ませ終えるまで20~30分。

と、こんな感じで赤ちゃんの世話で1時間近くかかってしまうわけですよ。
これを一日に少なくとも8回は繰り返すのです。
日中はそれでも良いのですが、夜間に二回もこの状態がやってくるというのではなかなかゆっくり休めません。
次は○時に起きなくちゃ、と気を張っているしね。



そうこうするうちに、1ヶ月近く経ちました。
この頃の私のおっぱいはどうだったかというと、まぁ、そこそこ出るようになったんじゃないか…なんて思えるようになっていました。
ちょうどその頃、1ヶ月健診がやってきました。
母乳に多少の自信を覚えていた私は、先生に「母乳だけでも大丈夫」と言っていただけるのではないか、なんて淡い期待を抱いていたのです。

計測の結果、息子の身長は5cm伸び、体重は800g弱増えていました。
先生にはあっさりと「このまま混合で続けてください」と言われ、栄養士さんには「ミルクの量を増やしましょう」と言われ愕然……。


そして里帰りから自宅へ。
日中、息子と2人きりの生活が始まりまったのです。
おっぱいはそこそこ出ているはず、でも息子の体重が思ったように増えていない……と悩みながら混合を続けていたのでした。


そもそも、1ヶ月で+800gというのは少ないのかどうなの?
必ず全ての赤ちゃんは1ヶ月で1キロ増えなくてはいけないの?
生身の人間がマニュアルどおりの成長を辿らなければいけないの?

私の疑問は山のように湧いてくるのです。
ネットでもいろいろ母乳育児について調べました。
そして、思い切ってミルクをやめることにしたのです。

小児科医に「混合を続けるように」と言われながらも、自分の母親としての勘を信じて母乳のみの育児をしよう!と決心しました。
もちろん、これまでのように一日8回というわけにはいきません。
泣いたら飲ませる、10回でも20回でも。
その覚悟がなくてはできません。


でも、周囲の理解を得るのには努力が必要でした。
旦那も親も、これには大反対だったのです。

私の「母乳だけで育てたい!」という思いは、悲しいことにはじめは周りに理解してもらえませんでした。
特に、旦那には「なぜ母乳にこだわるのか」理解できなかったようです。

旦那の反対した主な理由とは…。

1 赤ちゃんはおっぱいでは足りず、ミルクを飲みたがっている。
2 母乳の成分に比べたらミルクの方が安全ではないか?

という、この2つでした。


まず、1についてですが、何故か男性は(男性に限らないかも)赤ちゃんが泣くと『お腹がすいている』と思いがちです。
だからおっぱいが終わっても泣いている赤ちゃんを見ると、もっと欲しいのだ、ミルクを飲みたがっているに違いないと考えます。

何しろ、おっぱいを飲み終わった後でも、赤ちゃんはよく泣きます。
飲んでからしばらく経ってからでも泣きます。
いつでも、時間も何も気にせずに泣くのです。
どうして泣くのかって?
それは赤ちゃんにしかわかりませんよねぇ(^^;)

赤ちゃんが泣くのはお腹がすいているときとは限りません。
おっぱいは飲み終わったけど、もっと抱っこされていたいからかも知れない。
オシャブリみたいにくわえていたいだけなのかもしれない。
あるいは暑いのか、寒いのか、不安なのか、嫌な気分なのか……。
おっぱいが終わってしばらく経ってからでも泣くし、オムツが濡れれば泣きます。
起きたときも泣くし、眠くなっても泣きます。

赤ちゃんだって「人間」です。
「言葉」を持たない赤ちゃんは「泣く」ことでしか、自分の全てを表現することができません。
泣いていろんな気持や状態を訴えているわけですね。
それを全て「泣く」=「空腹」と解釈してしまっては、赤ちゃんが気の毒じゃありませんか?


この「泣く」=「空腹」の固定観念には、随分と辟易させられました。
何しろ、「そうとは限らない」といくら説得しても通じないのですから。
こんな石頭の旦那を説得するには第3者の介入しかない!と考えた私は、桶谷の母乳育児相談室に電話することにしました。

そこで、先生に今の自分の状況と、息子の状況をお話したのです。
身長・体重におしっこやうんちの回数、スケールで測った母乳の量など。
その頃の息子は、朝は多くて140cc、少ないときで60ccほどでした。
もちろん、回数は決めずに泣くたびに飲ませていました。
(「泣く」=「空腹」の図式を否定している割には矛盾しているんですけど(^^;)、完母の場合は「泣いたら飲ませる」というのがセオリーですから)


で、先生の回答はどうだったかと言うと…。
「それだけ出ているなら母乳だけで大丈夫ですよ、マッサージには来なくても大丈夫じゃないかしら」

というものでした。
この先生の言葉にどれだけ救われた思いがしたことでしょう。
今まで誰からも支援されなかった完母育児。
初めて理解してくれる人に出会えた喜びと安堵でいっぱいでした。


夜、帰宅した旦那にこのことを話すと、以外にもアッサリと受け入れてくれたのです。
「じゃあ、母乳だけでがんばろうね」
と言ってくれました。
あんなに反対していたのにねぇ。
専門家の言葉の威力ってすごいんだなぁ……。
(最初は桶谷のことも「そこは医者なのか?専門家なのか?」なんていっていたくせにですよ(苦笑))


そんなうちの旦那さん、この後もたびたびくじけそうになる私の完母育児を支え、応援してくれる強い見方となるのです。




次回は、2の「母乳の成分に比べたらミルクの方が安全ではないか?」についてお話したいと思います。


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