ありがとうのホームページです

ありがとうのホームページです

三社参り

   三社参り


 ある年の正月でした。正月休みは、酒を飲む機会が多く、子供たちと一緒に過ごす時間がほとんどありません。彼らも少々つまらない顔をしていました。それでも「どこかへ連れて行って」というので、車で行くには道路が混んでいるし、午後からは飲み会が控えていましたので、そう遠くへは出かけられません。
 そこで、電車で隣の駅まで乗り、そこからその途中にある神社に寄ってお参りしながら歩いて帰るということを提案しました。子どもたちは大喜びでした。

 まず、切符を買って電車に乗ることが、楽しいらしく大はしゃぎしていました。電車を降りると、隣近所でお世話しているような小さな祠に立ち寄ったり、古い歴史を持った市内では名の通った神社に寄ったりしながら帰ってきました。
 最後に、我が家の近くの神社にお参りしました。それまで、自分が何となく拍手を打って、頭を下げていたのに対し、子どもたちはどんな思いでいるのかを尋ねてみました。

 すると一平が「お父さん、ぼくは世界中の人みんなが幸せになればいいと拝んだよ」と言いました。ですから、「へーそんなことを考えた、お父さんはびっくりした」と言うと浩平もそれに合わせるように、「ぼくも戦争がなくてみんな幸せになればいい」と言うのです。大人であれば、商売繁盛、家内安全など自分中心の願いになりがちですが、子どもたちの思いは違っていました。

大晦日から一夜明けた元日は人間を原点に戻すような、神聖な雰囲気が漂っています。子どもたちも何かを感じたのでしょう。たとえ出任せに言ったとしても、彼らの口から世界中の幸せを願う言葉が飛び出したことは、親として嬉しい出来事でした。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: