今が生死

今が生死

2025.10.04
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テーマ: 生命(3)
カテゴリ: 学習
満開の彼岸花。今年は猛暑が9月になっても続いたので満開が10月にずれ込んだ。

生命とは何なのかと色々な観点から論じられてきた。細胞から成り立っているもの、DNAを有するもの、呼吸しているもの、増殖するもの等と言われてきたが本質を的確に表現したものはなかった。
本年4月19日の内科学会総会で生物学者で青山大学教授の福岡伸一さんが「生命を捉えなおす」という題で特別講演を行った。今から100年前シェーンハイマーという生物学者が生命体は固体というよりも流体で絶えず合成と分解を繰り返しているものだと明らかにした。100年以上前にフランスの哲学者ベルクソンは、宇宙の大原則であるエントロピーが増大するということは、何事も時間と共に形あるものは崩れ、高温は冷え、金属は錆びる方向に流れるということだが、生命はエントロピー増大に逆らって、先に破壊して新たに作り直しており、その時絶えず他者に何かを渡し、自分も何かを他者からもらって再生を繰り返していると述べている。そこでは生物体相互の補完や協力が働いており、進化は決して利己的遺伝子の独壇場ではなく、利他的共生が織りなしたものである。と福岡さんは解説していた。
福岡さんは大阪万博のテーマ事業のプロデューサーを任され「いのちの動的平衡館」を建設し、エンブリオというパビリオンを作り、絶えず移ろいゆく32万個の光の粒子たちが利己ではなく利他によって紡がれてきた38億年の生命のドラマを描き出しており、多くの入場者が生命について学んでいるとのことである。ドーキンスの「利己的な遺伝子」は私も15年くらい前に読んだが、生物が生き残るためには自らのコピーを増やそうとする遺伝子の利己性があり、争いは無くならないという内容だったと思うが、福岡さんの生命論はドーキンスの利己的遺伝子に真っ向から対決し、生命とは本来利他的なもので、常に流れに逆らって上昇しようと努力しているものだと説明していた。生物の死も生命にとっては最大の利己的振るまいとのことで福岡生命論をもっと深く学びたいと思った。これらのことは万博で詳しく展示してあるとのことだが、日程内に万博に行けそうもない。パソコン動画でも説明しているとのことなのでそれを使って学ぼうと思う。





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Last updated  2025.10.05 08:48:39
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