いなかの猫の天邪鬼部屋

第4話

OnAir~シーズン3・第4話~


#朝、ヨンウンの病室

(ギョンミン、出勤準備する。ヨンウン、起きて座ってギョンミンの姿を目で追っている。)

ヨンウン : (脹れている) 私、いつ退院出来るの?

ギョンミン : (振り返る)...退屈か?

ヨンウン : うん...(ため息) 最近忙しい?

ギョンミン : (目をちらつかせる)...あ...次の企画案を作るから...

ヨンウン : (見る) そう。だけど、それってそんなに大変なの?

ギョンミン : ..どうして?

ヨンウン : いえ...最近来たらすぐに寝ちゃうし...何日もずっと...

ギョンミン : (つばを飲み込む) ...それは...撮影の時の疲労が尾を引いてて..

ヨンウン : (やや苦い) そう...?....

ギョンミン : (すまない目).....(見る) 何か食べたい物はないか?買って来てやるよ。

ヨンウン : (かすかに笑う) 今はないわ。...思い出したら電話するね。

ギョンミン : (近付いて額にキス。目を見て) 病院に話して、早く出られるようにしよう。あまりにも長く閉じ込めちまったから...

ヨンウン : (見る。ため息) ここは本当に監獄だわ...(ふと微笑滲む) .....

ギョンミン : (首を傾げる) 監獄?

ヨンウン : (笑う目で見る) 別に....

ギョンミン : (ベッドに座る) 別に?

ヨンウン : 監獄....(はにかむほほ笑み)

ギョンミン : !......(ときめく目で見る) .....(ゆっくり近付いてキス)

ヨンウン : (ときめく) ....(ギョンミンのシャツを握る)

ギョンミン : (ヨンウンの腰に手が行く。ためらう)....(唇離す。緊張した顔)

ヨンウン : ??.....(ギョンミンをうかがい見る) ...?

ギョンミン : うーん!...(立ち上がる) 行って来る...(額に軽くキス) ....(分からないようにため息を吐き出す)

(ギョンミン、出る。ヨンウン、寂しい顔で閉まったドアを見る。)


#ドラマ局局長室

(カン局長とセア、座っている。)

カン局長 : どうだ?やるか?

セア : (にっこりと) 今になって何を.... 私は子供じゃないんです。遊びでやっているのではありません。

カン局長 : 一ヶ月休んだら考えが変わるんじゃないかと思ったんだが...続けるつもりか?

セア : (見る) 叔父様の目には、どうにも私が頼りなく見えるのですね。そんなふうにおっしゃるところを見ると。

カン局長 : (見る).... 正直言って心配もあってな。たからと言って諦めろとも言い辛いし。お前の母親をどうにか説得して送り出させまでしたというのに...

セア : (にっこりと) 母はいつもあんなふうだから、気にされなくてもいいです。

カン局長 : 今では見合い話も持って来ないようだが...お前は...そういう話に興味はないか?

セア : (口を尖らせる) いいえ。要りません。

カン局長 : (見る) 独立が目的なのか?本当の仕事がしたいのか?

セア : 二つともです.....(様子をうかがって) 私の文は大したことないと思われるでしょう?

カン局長 : (見る) そうじゃなくて...お前が私の姪でなければ、こんなに気を使うこともないんだが。放送局という所はそんなに甘い所ではないから....

セア : (ため息)....叔父様。

カン局長 : (見る) 何だ?

セア : 私は子供じゃないんです。心配はやめて下さい。そんなに心配されたら、かえって大変です。

カン局長 : ただ...愼ましくしていて、そして結婚すれば良かったのに...

セア : (にっこりと) もうそんな年齢じゃありません。未練は捨てて下さらないと...

カン局長 : (ため息)....


#芸能局PD室

サンウ : ただ、リポーターとして使って下さい。(テープを突き出す) これは有線放送で活動している姿ですから、一度御覧になって下さい。

男 : (テープを受けて) ここのリポーター役も競争が凄いから...(見る) とにかく一度見てみます。T.O.が出たら御連絡致します。

サンウ : はい、ありがとうございます。いつか一度お招きしますよ。

男 : (笑う) それはどうも。

サンウ : (笑う。目礼する) それでは、お疲れ様です。

(サンウ、出る。エレベーターに乗る。1階を押そうとしたが、ドラマ局の階を押す。エレベーターが止まり、ドアが開く。サンウ、頭を上げる。エレベーターの前にセアが立っている。セア、横目で見る。サンウ、セアを見て淡々と)

サンウ : (目礼する) こんにちは。

セア : (目礼する) こんにちは。

(サンウ、降りる。セア、乗る。サンウ、ドラマ局PD室に行く。セア、安心のため息....)


#PD室

サンウ : (ノPDを見つける) こんにちは、ノ監督。

ノPD : (振り返る) チン代表~、どうされたんですか?

サンウ : (近付いて座る) お疲れ様でした。挨拶がすっかり遅くなってしまって。

ノPD : (にやりと笑って) いえいえ、何を。チェリーが最近忙しいんですって?

サンウ : (笑う) はい。全てノ監督のおかげです。そのうち一度御馳走させていただかないとならないんですが....

ノPD : 何をまた....(期待に満ちた目つき) ...?

サンウ : (内心笑う) 今週金曜はいかがですか?いい場所を知っているんですが..

ノPD : (乗り気になる) いい場所?金曜?俺でしたら..ドラマも終わった事だし、忙しい事があるものですか。...ハハハ...

サンウ : それでは金曜の夕方に時間を取ります。私から御連絡します。(立ち上がろうとしながら) あ、そうだ...最近イ・ギョンミン監督は忙しいですか?

ノPD : (見る) はい?イ・ギョンミンですか?そうですね...そう言えば午後にはよく席を留守にしていますが...

サンウ : 放送の仕事で忙しいのではないんですか?

ノPD : ついこの前ドラマが終わったばかりなのに、忙しい仕事がありますか?

サンウ : そうですか....。(考える。ノPDを見て) 私はそろそろ失礼します。お疲れ様です。御連絡しますよ。

ノPD : (手で受話器の形を作って口を開いて) 連絡...ハハハ...


#放送局 1階ロビー

(サンウ、歩いて出る。電話を持つ。)

サンウ : ...... もしもし?イ監督。

ギョンミン : あ?チン代表。

サンウ : 最近忙しいですか?何をしに行かれてるんです?

ギョンミン : (にっこりと) どうしてです?

サンウ : (笑う) 特別に企画している事があるなら一口乗ろうかと思ったんです。

ギョンミン : そんな事はないです。

サンウ : そんな事はないのに、どうしてそんなに忙しいんですか?

ギョンミン : 個人的な事です。

サンウ : .... そこはどこです?


#市内某所、室内スカッシュ場

(スポーツウェアに着替えたギョンミンとサンウ、ゲーム場に行く。)

サンウ : (ギョンミンを見て) 毎日これをしに通っていると?

ギョンミン : (分からない微笑み) そういう事です....

サンウ : (怪しげな目で見る)....


#スカッシュゲームブース

(夢中で競技に臨む二人。)

(しばらく後、くたびれて床に倒れるギョンミン。座り込むサンウ。)

ギョンミン : (伏せたまま).... 凉しい...

サンウ : (横になって) 久しぶりにやるとストレスがスッキリと解消するようですね。一人で通っていたんですか?

ギョンミン : (にっこりと)...ええ。友達がいないんです。

サンウ : (笑う) まったく...そういうところは俺と全く同じですね。

ギョンミン : (考える目)......

サンウ : なぜです?

ギョンミン : (見る)..??

サンウ : わざわざこんなにくたびれるまで運動する理由です。

ギョンミン : ........(にっこりと)...事情があるんです....

サンウ : どんな....?

ギョンミン : (ぎこちなく笑う) ....(起きて上がって座る。壁にもたれてため息をつく)......

サンウ : (気になる)..何か...悩みがあるんですか?

ギョンミン : (分からない微笑み) 悩みと言えば悩みだけど...

サンウ : (目をぱちくりする)....

(しばらく後、並んで壁にもたれた二人。)

サンウ : (ギョンミンを見て) まったくもう...(笑う) ハハ..ハハハ....(大きい声で笑う)ハハハハハ~~~

ギョンミン : (見て、一緒に笑う)クククク...ハハハハ~~~~


#夕方、ヨンウンの病室

(ギョンミン、入って来る。ヨンウン、見て微笑む。)

ギョンミン : 元気にしてたか?

ヨンウン : (脹れている) いいえ...元気じゃなかったわ。

ギョンミン : (近付いて座る) どうして?

ヨンウン : あなたのいない監獄だから、とても退屈なの。

ギョンミン : (じいんと熱くなる。内心' 一緒にいると俺が大変なんだ..馬鹿..') ....金曜日に退院しよう。

ヨンウン : 金曜日?

ギョンミン : ああ。

ヨンウン : まだ二日もあるのね....

ギョンミン : ...それじゃ木曜日にしよう。

ヨンウン : それでも大丈夫なの?

ギョンミン : 一日くらい大丈夫さ。

ヨンウン : (安心する) 早く家に帰りたいわ。チュニにも会いたいし。

ギョンミン : ....(見て) 散歩しようか?

ヨンウン : (頭を上げる) え?散歩?(明るく) いいわね!

ギョンミン : (微笑む) ちょっと待ってて....

(ギョンミン、ヨンウンの服を整え、靴を履かせてやる。ヨンウン、そんなギョンミンを黙って眺める。)


#病院の庭

ヨンウン : (息を吸い込む) 点滴抜くと生きてるって思うわ。

ギョンミン : (ヨンウンの手を握って) 昼の間、散歩はしていなかったのか?

ヨンウン : たまに出てみたりもしたわ。...でも点滴のせいで窮屈でダメだった...

ギョンミン : (ヨンウンの服を直してやる) まだ空気が冷たいな。風邪引くぞ。

ヨンウン : (見て) 風邪って鬱の時にかかりやすいんですって。今は幸せだから平気...

ギョンミン : (見てすまない) .... (何か言おうとするが、堪えて)....

ヨンウン : (見る).....?

ギョンミン : (周りを見てベンチを示す) あそこにちょっと座ろう。ちょっと待ってて ....(ベンチの上に自分のジャケットを敷く)..さあ。

ヨンウン : (笑う顔。座る。ギョンミンを見て) ありがとう...

ギョンミン : (暖かい目で見て、ヨンウンの横に座る) 少しだけ居て、戻ろう...

ヨンウン : (ギョンミンを見て肩にもたれる。目を閉じる) 素敵だわ....

ギョンミン : (ヨンウンを見る。どきどきする。小さくため息をつく) .....

ヨンウン : (目を開き、微笑む) 驚か...ないでね...

ギョンミン : (見る)...

ヨンウン : (顔を上げて近付く)...

(ギョンミン、見守っている。ヨンウン、ギョンミンにキス。ギョンミン、目を閉じて拳を握る。ヨンウン、ギョンミンの顔を引き寄せる。繰り返されるキス。ギョンミン、体を震わせる。ヨンウンの腰を引く腕。夢中でキスに沒頭する二人...)

ギョンミン : (ヨンウンにキスを浴びせる) 愛してる...愛してる...愛してる..

ヨンウン : (ギョンミンの首を抱いている) 愛してる...愛してる...






(原作出処: sonkhj1116さんのブログ



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