inti-solのブログ

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2025.11.09
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テーマ: ニュース(95816)
カテゴリ: 政治
SNSで旋風、草の根支持拡大 異例ずくめの次期NY市長

米最大都市の市長としては初のイスラム教徒で、ウガンダ生まれのインド系移民。過去100年以上の中で最も若く、ラッパーとして活動した経歴もある。異例ずくめの次期市長は、SNSへの動画投稿や草の根の選挙活動を通じ、ほぼ無名状態から支持を拡大した。
「次は市役所、終点です」。当確が報じられてまず投稿したのは、「市役所駅」に到着する地下鉄の映像。マムダニ氏の選挙戦を印象付けるのが、こうしたSNSの動画だ。字幕が付けられ、家賃の上昇凍結、無料の保育やバスといった生活に直結する政策を分かりやすい言葉で繰り返す。「家賃凍結」を訴え「凍るように寒い」冬の海にも飛び込んだ。
練習中のアラビア語やスペイン語でも動画を投稿し、多様な人種が集まる街の身近な存在であることをアピール。支持者による動画も多数拡散された。
今年2月の世論調査では、支持率わずか1%。その後の支持拡大を草の根のボランティア活動が支えた。陣営の発表では、集まった有志は10万人以上。300万軒以上の家を回った。自身は夜中のタクシー乗り場に現れ、ゲイバーで性的少数者への連帯を示した。こうした地道な活動が奏功し、4000万ドルとも報じられる多額の資金を調達したベテラン政治家のクオモ前州知事に打ち勝った。
父はコロンビア大教授で、母は著名映画監督。今年初めに結婚した妻は、シリア系のアーティストで、人気のマッチングアプリで出会ったという。
勝利演説で「私は完璧な候補者からは程遠い。若く、イスラム教徒だ」と誇らしげに語るマムダニ氏。今後も「移民の街であり続ける」と強調するニューヨークで、手腕が試される。

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日本でも一部でイスラム教徒に対する嫌悪感を示すネット世論があるように見受けられますが、イスラム教徒が市長になることに、何か問題があるでしょうか?イスラム教徒と言っても、極めて世俗的な立場であることは明らかで、政治を宗教に従属させたり、ムスリムの信仰や戒律を他者に強制するような主張は一切ありません。
「ウガンダ生まれの移民のイスラム教徒」というと、米国に豊かさを求めいやってきた人物というイメージを抱いてしまいますが、引用記事にあるとおり、父はインド系ウガンダ人でコロンビア大教授(文化人類学者)、母はインド人で女優から映画監督に転じ、カンヌ映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)やはヴェネツィア映画祭金獅子賞などの受賞歴があるという女性です。二人ともハーバード大卒という一家で、ムスリムの信仰はおそらく父親から受け継いだもので、母親はヒンズー教徒だとのことです。両親ともウィキペディア日本語版の記事が10年以上前から存在する人物で、ゾーラン・マムダニ本人の記事は今年に入って初めて作られているので、元々はご両親の方が本人よりはるかに著名人であるようです。

その彼は「民主社会主義者」を自称する急進左派とのことですが、日本語の「民主社会主義」という言葉は「急進左派」とは対極的な政治思想です(個人的には、かつて存在したその名前の政党に対するイメージがよろしくないのですが、もちろんそんなことは米国人であるマムダニ氏とは無関係な話です)。彼の政策「高騰する住宅家賃の凍結」や「富裕税の導入」は、言われるほど「急進的」な政策であるようには見えません。少なくとも米国以外の国では、程度の差はあれ累進課税制度は存在しますし(ただし、日本も含めて、「累進」の程度を年々軽減してきているのが世界の現状ではありますが)、今のニューヨークの家賃水準は、日本でいうワンルームマンション程度でも家賃月額が日本円で20万円以上というとんでもない状態だそうで、急進的社会主義者でなくても、そんな家賃水準か望ましいと思っている人はいないでしょう。
一方、社会主義の社会主義たる所以は生産手段の公有化(国有化)だと思いますが、マムダニ氏の公約にそのような主張はなさそうです。
つまり、資本主義の総本山たる米国だから、この程度の主張でも「社会主義者」さらには「くるった共産主義者」とまで公言されていますが、米国以外の国なら「穏健左派」でしょう。

それでも、ともかく「社会主義者」と自称する人物がニューヨークなどの大都市の市長に当選したことは、おそらく過去に類を見ないでしょう。そして、今回ニューヨーク市長選以外にもニュージャージー州とバージニア州の知事選も民主党が勝利りしており、トランプみたいな人物が大統領にえらばれる政治状況から変わり始めているようです。
なんにしても、今後どうなっていくか、注目していきたいです。





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最終更新日  2025.11.09 23:48:32
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