癒しの休憩室

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詩)小舟

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> (曲を聴きながら読んで下さいね、、、、。

「小舟」

あなたの
こころが欲しいから
ここに連れてきた

竿をさせば
すぐに
押し戻されるほど
深い
河の淵に
船着場がある

そこの
小舟に乗って
きみの安らかな
ほほえみをみている

膝小僧がすこし
ミニスカートから
抜け出て
林檎のように光っている

「ねぇ
放してみようか」って言うと
「やってみたら」って

いたずらっぽく
笑うよね。

ミント
セージ
ラベンダー
ローズマリー

僕に
匂いをかがせて

「どう?」って聞くのさ。

微笑ばかりを乗せて
さぁ、河の淵より出発だ。


川岸より離れた小舟は
すこしずつすこしずつ
大きな流れのなかにはまっていく。

そうさ、
僕達は小舟のなかで
ひとつの歌になるのさ

お百姓さんもびっくりだね。

ミント
セージ
ラベンダー
ローズマリー

流れにまかせながら
なんどもの抱擁に陶酔するんだ。

こんな事は一度だけ。
かかり舟を失敬して
河を下るなんて
一度だけ。

どこに着いたって
構わない
誰が見ていても
構いはしない。


「きっとイチゴ畑に着くわよ」って、
片笑窪をこしらえて、やわらかな体を寄せてくる。

君は屈託のない、この上無く喜ばしい希望を創り出す。


もう全てのものから
君を隔離したのだ。

> 可愛い悲鳴が川面を走り去っていく。

葦は羨ましそうにそよぎ
ためいきのために落ちた数々のまだ新しい葉を、
そっとかき分けては
進んでいく。

風は僕達の長い髪を撫で、
ちいさな戦慄を呼ぶ。

ミント
セージ
ラベンダー
ローズマリー



小舟のなかで
出来たばかりの王宮が息を吸うところだ。

やがて夕翳に小舟が包まれる頃には
全ての微笑がいのちの憧れへと変わるのさ。

ポケットに紛れ込んでいた
木の実をぽつりぽつりと川面に投げていると

アリアが流れ始める。

> 「ああ、
> 僕は願わずにはいられない。
>
> あなたの美しさときよらかさが封じ込められて
> 時が過ぎても変わらぬ輝きを保っていてくれるように
>
> 僕達の約束がすべてかなえられて、
> 誰に邪魔されることもなく
> 永遠に、心変わりがありませんように」


小舟はゆっくりと
ひそやかに流れていく

このおごそかなアリアに導かれながら


スラトリア伝説応援して下さいね♪



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