死ぬまでうたたねブログ

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うたたねの夢小説




昔から夢の中では、なぜか建造物が現実ではあり得ない構造になっている。
未知の建造物・夢で初めて出会った建物はもちろん、自分が普段からよく知っている、例えば自宅や学校やバイト先や友だちの家や、そんなものも、日常とは異なった構造になって現れる。いつもどおりの形で夢に出てきたことは思い出す限り、ない。

押し入れの奥にもう一つ部屋があったり、人が何十人も座れるリビングになっていたり、急に吹き抜けがあったり、そう言うとなんだかメルヘンチックなのだけれど、夢の中ではなんだか現実とのつぎはぎが妙にリアルで生々しい。夢から覚めてみるとグロテスクな感じすらする。建物が勝手に増殖したような、そんな。

多くの夢と同じように、私は「前からこういう建物だった」という既視感を持ってその夢に挑んでいる。


今日の夢は昔住んでいたマンションが舞台だった。

高校時代の友だちも大学時代の友だちもいて、全く顔を知らない子もいて、パーティのようなことをしている。とにかくみんな騒いでいる。テレビもつけっぱなし。音楽もかかっている。20人は座れるんじゃないかというような大きな黒いソファがコの字型に置いてあって、みんな入れ替わり立ち替わり、座ったり歌を歌ったり食べたりしている。

私のことを好きな男の子がソファの隣に座っていて、手をつないでいる。
始めは楽しく話しているのだけど、そのうちに彼は私が他の男の子と腕を組んで歩いていたとか、抱き合っていたとかそんなことを言い始めて、可愛く思えたのが半分とめんどくさいのが半分とで、その男の子の首の後ろに両手を回してきゅっと顔を近づけて「どうしてそんなことを言うの?」と聞いたら、その子は嬉しそうな顔をして、私はその表情を見て、「ああ、これと同じことが前にもあった、相手は別の人だったけど」と思う。

しばらくして玄関に新聞を取りに行くと、私の好きな人が、付き合っている彼女と二人でマンションの6階から非常階段を使って下りてくる。私の家は4階だけれど、6階にも普段はあまり使ってない部屋があるのだ(夢の中では)。
他のカップル達は4階の家の部屋をそれぞれ使うのだけど、あの二人はいつも6階の部屋まるごとを二人だけで使って、それでもみんなはなんとなく文句は言わない。

私は彼女の方に、自分の飼っている白い犬をまだ見せていなかったことを思い出して「ほら」と声をかけるのだけど、彼女は忙しそうでちょっと見ただけで彼と二人して他の人の所へ行ってしまう。


いつの間にか隣に好きな人が座っていて、彼が私のことを嫌っているのは知っているから気詰まりな気持ちでいると、突然私の反対側の隣に座っている太った女の子のことについて彼に話しかけられ、私はその子のことを見たことがなかったのだけれど、自分のことを話されていることに気付いた彼女が「なあに?」と問い返してきたので、私は少し慌ててなぜか彼女と二人で席を立った。

さっきはテレビを囲むコの字型をしていたはずのソファはいつの間にか、小さめのステージを囲んでいて、そこで私のことを好きな男の子が弾き語りをしている。

私はステージの彼と反対側にいる、さっきの太った女の子や好きな人のことが気になっているのだけど、周りの子たちは「あの子が歌っているよ」と私に言う。ステージを見ると彼と目が合って、そのことに少し安堵を覚えた。




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