No.43 モノクロ


ダイレクトに響いた
灰色の空
白の雲
明日は雨

木漏れ日の光が
白くて痛かった
そういえば
僕は誰なんだ?
明後日は曇り

綺麗な言葉が並んで
僕はそれに溺れて…
何もかも失った
ただ耳を塞いで
見えるものも信じない。

花が咲いていた
綺麗には思えない
何か足りないけれど
何が足りないのか分からない

とにかく無邪気に笑って
僕は時間を稼いでいた
何もかも収まって
また元通りになる
信じていたのに…

モノクロ可笑しくて
ケタケタ笑ったよ
サイコな幻想が光る
何度か空を飛ぶんだ。

モノクロ綺麗すぎた
ヒイヒイ叫んだけど
サイコな感覚に縛られ
何度か地面に打ちつけられる…

ラジオの音が五月蝿くて
本当の音が聞こえやしない
思い出せばきっと崩れるだろう
人格も、視界も

モノクロ可笑しいよ
ケタケタ笑うよ
此処には邪魔物は居ないから
僕はずっと空へ向かうよ

モノクロ歪んだ音
キリキリ耳障りなんだ
必死でもがいても
絡まった蜘蛛の糸。侵食

嘘つきな天気予報を睨んで
食べかけのパンを放っておいて
聞こえない音を探しに行こう。
モノクロの…僕だけの…
モノクロの…音が欠けた…
モノクロの世界で…
見えなくなる前に。



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