不思議の泉

不思議の泉

13.丘のうえの白い花

13.丘のうえの白い花



(朝の)陽にわたしの儚い声を聞いてください。
 たとえそばに姿はなくとも、
 貴方の幸せな1日の始まりを祈る声です。


   空が、藍色から水色に染まってゆくように。

   〈 運命のいじわるな問いかけ 〉

   人生の答も (色) 変えてゆくようです。

   為す術のない耳。時の砂がすべる音をきき。

   諦めではない、‘受容’。

   を教えてくれます。そこに陽の光を感じ。

   〈 どれ程の、抗いの、の、ち、に、、。〉

   みえるもの と みえないもの が

   心の窓にへだてられていることでしょう。



若い物書きは朝陽に声を聞いた気がして
白い花咲く丘に目を覚ましました。
それは、重い病を患い遠い地で療養している妹の声でした。

白いその花は、妹の好きな花。。

キャンドルの妖精は輝きを増した羽で飛び回り、
白い花を摘み可愛い花束を。
若い物書きの胸ポケットにさし、優しく微笑みました。


―――ガタゴト ゴットン!


丘の下に、荷馬車が停まりました。
ゆうべ現われた泉は消えていました。
御者が手を降り。

「よろしければシェーラザード市場までおおくりしま~す!
 うさぎ屋さんがよろしくお伝えしてほしいとのことで~す!」

森の朗読会でうさぎ屋とジャムセッションをした
あの銀狼でした。









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