2006年 11月24日 没 はっちゃん(アラスカンマラミュート 10歳 オス)
それは突然のことでした
ある晩原因不明で鼻血がとまらなくなり、往診に来ていただいたも虚しく、
翌朝はっちゃんは天国へ旅立ちました。
もともとはっちゃんはある家で飼われていました。
事情あり他のワンちゃんと共に飼育放棄され、当会で保護するに至ったのです。
他のワンちゃんはシーズーとマルチーズと小型犬だったため、すぐに里親さんが決まりました。
しかしはっちゃんは大型犬の上に10才の老齢ということもあり、ひとり取り残されたのです。
そして一時預かり先のお宅での生活が始まりました。
お宅が階段を上ったところにあるため、ご家族総出ではっちゃんをかかえて下さいました。
付近のワンちゃんともお友達になり、当会協力者により大きな犬小屋を作ってもらったり、
ご近所の方からリンゴを食べさせてもらったり、寂しかったはっちゃんにも少しずつ
楽しい思い出が増えていきました。
何より一時預かりのご家族の愛情溢れるお世話。
里親さんこそ決まらなかったものの、この数ヶ月はとても穏やかな毎日を送っていました。
実は、はっちゃんが天国に行ってしまったまさにその日、当会に一本の電話がありました。
里親探しを始めて最初の、そして最後の、はっちゃんを引取りたいとのお電話でした。
大型犬であってものびのびと飼ってあげられる自然がいっぱいの環境にあるお宅だそうです。
事情をお話すると、「もう少し早く連絡をすればよかった・・・。」と言ってくださいました。
はっちゃんの亡骸は鼻血で血まみれでした。
なすすべもなく、最後の悲しいお別れをしてくださった一時預かりさんのご家族は
たった3か月一緒に暮らしたはっちゃんのために泣いていました。
飼い主であっても人間の都合で犬を物のように扱う人もいれば、
少しの間預かるだけでも物言わぬ彼らに話しかけ、
家族同様に愛情を注いでくださる人もいる。
かたちではなく、気持ちが大切ということを犬は知っています。
はっちゃん、幸せだったよね。
少し落ち着かれてから、一時預かり先だったご家族の奥様からお電話をいただき、こう言ってくださいました。
「すぐに里親さんや一時預かり先が見つかりそうなワンちゃんより、
またはっちゃんのように大型で老齢のために行き場のない
ワンちゃんがいればうちが預かります。」と。
出会ってからあっという間に旅立ちましたが、
私達ははっちゃんから多くの事をおしえられ感動を与えてもらいました。
今後も不幸な犬猫を救う活動の「力」となり、はっちゃんは私達の心の中に
存在し続けることでしょう。
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