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二人の夏休み




二人の夏休みは、あっという間だった。

二人の思い出の地、鎌倉の花火にも行った。

昼間は葉山マリーナに行き、そして、葉山の御用邸の先に、長者ヶ崎と云うちょっとした湾になっている綺麗な海水浴場があり、

僕らは好んで順一はガソリンスタンドのバイトが終わると、ユミコを迎えに行き、

夜明け前に、ここから朝日を拝むと、遠くに江ノ島が見え、ちょっと日本とは思えないイメージが出来て、いつも、南の島に二人で遊びに来ている想像を二人で楽しんだ。

「ねぇ、順一!もし、地球最後の日が来て、私と順一二人きりになったら、こんな風景なのかなぁ?」

朝焼けは天気が悪くなる事を僕らに伝えた。

僕らは江ノ島よりも、この辺の海が好きだった。

朝焼けの日はいつも決まって天気が崩れ、

この日もやはり雨になった。

ユミコは雨が降ると僕を困らせた。

「順一、せっかく来たのにつまらない!!海で遊べないし、」

まるで子供の様にユミコは僕を困らせた。

「どこかに探検に行かないか?」僕はあてがあるわけじゃ

無いが、とにかくユミコに機嫌を治して欲しかった。

「うん、賛成!!」僕らはゴルフに乗り込み長者ヶ崎海岸を

後にするのだった。

僕は少しお腹が空いていたので、彼女に提案をした。

「葉山の海岸から、横須賀までの間で、一番海に近いレストランを探す。どちらが先にみつけるか?どう?勝った方が、
今日の食事を奢る」

ユミコは、いつの間にか僕にキスをすると、「へへっ、いいよ。」と答えた!!

左に音羽の森ホテルを見ながら、カーブを曲がると、

ユミコが「順一!!ストップ!!」

僕は慌てて車を路肩に停めた。

左側の海の岸壁に、崖を海の中に飛び込む様な道があり、

道のカンバンにはお店の名前が書かれていた。

「プラージュスッドって読むのかな?何のお店だろう?」

ユミコは小さな声でつぶやいた。

「順一、何のお店かわからないけど、行ってみようよ!!」

僕らの葉山の探検は続くのだった。

                    つづく。


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