tomorrow

tomorrow

明け方にはケリがつく。


外も寒くなり、順一はフライトジャンパーをいつも着ていた。

バイトはいつも終わるのが遅く、次の日の一限目の授業はキツカッタ。

順一はユミコとのホットラインが欲しかったので、部屋に電話を引いた。

「おはよう、順一!早く起きて!」

朝が早い時はユミコに起こしてもらった。

順一は大学が終わると車を飛ばして、スタンドのバイトに精を出した!

少しでも多く稼ぎたかった。

しかし、いつも心のどこかに、淋しい風がすり抜けて行った。

バイトが終わると小菅のインターチェンジから、ただ宛てもなく、首都高を何周も走った。

トラックの脇をすり抜けながら、ただ走った。

気がつくと、寂しくて涙がこぼれた。

首都高を三郷で降り、道路沿いでクルマを停めた。

自動販売機で缶コーヒーを買いポケットのなかで、

冷たくなった手を温めた。

「いったい、僕は何になれるのだろう??」

順一は自問自答していた。

月は高々と僕を照らしていた!!

意気地の無い自分に嫌気がさしていた。

勝つか、負けるか、ただそれだけ!!

明け方にはケリがつく。

                     つづく。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: