tomorrow

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横浜ベイブリッチ



何もかも、忘れさせてくれる、一人きりのドライブが好きなんだ。

東中野から、山手通りを抜けて、富ヶ谷一丁目の交差点を

左に曲がり、表参道に向かう。

いつの間にか、僕らが過ごした街は無く、ブランドショップ

が立ち並ぶ街になった。

「ペニレインでバーボンを」の吉田拓郎の歌に出てくる、

ペニーレインも様変わりをしてしまった。

国道246に入り、皇居に向かい右折して、銀座にむかった。

今日も相変わらず、タクシーが数寄屋橋を我が物顔で、

三重駐車している。Mカルロは健在らしい。

左折して、京橋から、一号線にアクセスする。

昼間の渋滞が嘘の様だ。

そのまま、屋根を開けたまま、お台場へ向かう。

今夜は懐かしい織田哲郎のベイビーローズを聞きながら、

久保田トシノブにスイッチする!!流星のサドルがお気に入りだ。

レインボーブリッチから、懐かしいお台場を通過する。

まさか、橋の上から、海を眺める事なんかあの頃想像出来なかった。

お台場から、大黒向けて走る!!

スピードで目がくらみ、風の音にジェットコースターの様に

空を飛んでいる様な錯覚に囚われる!!

10トントラックを横目に見ながら、後ろに誰もいない事を

確認しながら、全開で川崎の工業地帯の三車線のストレート

を加速する。

スーパーチャージャーの加速がエキゾーストがコダマする。

翼橋を通り、僕は横浜にたどり着く。

この橋を幌無しトラックで渡った時から、一人で生きる覚悟

をしたんだっけ!昨日の事の様。

ここから、町並みを見下ろすと、あの頃の覚悟が蘇る。

風が車体を揺らし、僕は町並みを見つめる。

山下町で降りて、チャイナタウンを流した。

クレイジーケンバンドの「ブラウンメタリック」をかける。

そうそう、バンドウホテルは、今はドンキになっちまった。

味のあるホテルだったのにねー。

苦い思い出に浸りながら、港の見える丘公園を駆け上がる。

昔、良く真夜中のデートにあいつ誘ったっけ。

僕はそのまま、本牧を抜けて家路を急いだ!!

今は、ここが、僕のホームグランド。

僕の街にやっと辿りついたのだった。

                    終わり。


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