しずくの心

しずくの心

アトピーな娘  その1


チョッと小さめ?だったけれど
なかなか寝ない赤ん坊だったので新米ママはチョッと(^_^;)だった。
お宮参りを済ませて、3人の生活が始まった頃、あれ?
顔が赤い。  おっぱい被れ?
薬局に行って、薬を買ってつけてみた。
大変!顔中が真っ赤に膨れ上がってしまった。
本や、電話をかけて調べてみて、オリーブオイルで赤みをとるようにパッティングしてあげたらス~と赤みが取れました。
肌が弱い子だと判ってから石鹸,衣類には気を使いました。
弟が生まれる時、母方の実家へ預けたのですが、両親は、身体のあちこちに傷をつけるほど掻く様子に、両腕を包帯でぐるぐる巻いてミイラのようにして掻かせない対策をして、入院先につれてきました。
それからは、皮膚科で痒み止めをもらい、赤くなると軟膏をつけていました。
掻いちゃダメよ!と言うんですが、夜中眠っている間にボリボリ掻くものですから、朝シーツやパジャマは血だらけでした。
たぶん勉強中も痒みを我慢する事も多く、能率が悪かっただろうと思います

アトピーはアレルギーですから、目も、鼻も、アレルギー症状を起こし、
皮膚科、眼科、耳鼻科に毎年お世話になっていました。

明るく、元気で学校の先生からはいつも褒められ、友達もたくさんいて、
小学校卒業まで男の子女の子の友達がたくさんいました。
身長も、卒業する時163cmあり、アトピー以外心配する事は何もありませんでした。

中学入学時に転居して父方の実家に入りました。
今までがあまりに優等生だった娘に、油断をしました。
環境が家も学校も変わって、娘にとっては大変なストレスだったのでしょう
この辺から、親の私が反省するところですが、しっかりものの娘は乗り越えてくれる!と高をくくっていました。
娘はアトピーの辛さも加わって、学校を休みがちになりました。
繊細な神経と感性を持ち合わせた娘には大変な負担が掛かっていたようです

突発性難聴と診断され、何で?と驚くばかりでした。
右耳が聞こえてない。
大きな大学病院で検査を受けたけれど,機能的な欠陥はない。といわれ
精神的な可能性を問われる事になりました。

「おかーさん、何か思い当たる事はありませんか?」
。。。。。家庭環境?
その頃、祖父と同居して母親の私も大変な思いをしていましたから、気づいてあげられなかったんです。
私がお勤めで出かけてから、家で祖父と娘の壮絶な戦いがあった事を。
娘は黙って耐えていた。
祖父は自分が言ってること、やってる事を正当化して、孫を思うが故
無理やり学校に行かせようと階段を引き摺り下ろしたり、勉強をさせようとビデオにとるアニメも全部消してしまった。
そんな事が起こっている事は、娘の口から一言も聞かなかった。
環境を変えなければ、私達家族はだめになってしまう!

引越しをしました。
人が変わったように娘は明るく元気になりました。
娘には絶対音感が備わっていました。
ピアノを弾いたり作曲をしたりしていたので、耳が聞こえないと言う事は
ひとつ将来の道を閉ざされてしまったような気がしました。
でも、絵がある。
美術をやりたい!と言う事で高校も美術科に進学しました。
通学に2時間を費やす事になりましたが、自分のやりたいことが出来ると言う事で張り切って電車に乗って毎日通学する事になりました。
電車に乗る、高校生、と言う事ですこーし外見を気にし始めると,アトピー後が気になるし、ひどくしたくないしでステロイド剤を体中つけました。
顔はそれまで出なかったのですが、春先になると、赤くなってきます
顔用のステロイド剤も処方してもらって、毎日風呂上りには十分時間をかけて軟膏をつけていました。
色々な情報が飛び交う中、ステロイド剤の怖さを知リ、娘に話しました。
これから化粧したり、結婚して子供も産むようになって、今のままステロイドを使い続ける事は自分ひとりの問題ではなくなってくるのだから。。。。

高1の春休み顔に出始めたとき、脱ステロイドを試みる事にしました。
先生!ステロイドを使いたくない! 娘は訴えました。
「今ひどい状態の時、薬を止める事は返って良くない。この症状を対処して治まってから薬から徐々にとう退くようにしましょう。」

高2の春休み前2月から又顔にアトピーが出始めて、再度脱ステロイドにチャレンジする事になりました。
絶対薬をつけない!と強い意志を持って、アトピーに立ち向かいました。
壮絶な戦いが始まりました。
3月いっぱいは一歩も外に出られない、顔は赤くはれ上がり、元の顔を思い出せないくらい変わり果ててしまいました。
耳の付け根は切れて血が滲む,首もゾウの皮膚のようにこわばり、赤くはれて首を動かすたびに切れてそこから体液が流れ、乾くとぱりぱりと革張りつき又首を動かすとその乾いた体液の下が切れる。
仕事を休めない私たちは、仕事を終えて帰って見る娘の姿に、涙が出て仕方がありませんでした。
とうとう高3の始業式には回復できず、4月いっぱい休む事になってしまいました。
高校の先生から「どうしますか?」と問われ、「4月いっぱい様子を見させてください、もし回復の兆しがないようでしたら、留年も致し方ないでしょう」と覚悟を決めました。
昼間お風呂に身体が乾くと入ると言う事を2,3回繰り返しながら、美顔器を顔に当てて保湿したり、遠赤シートを身体に当てたり、アトピーに良いという○○茶を飲んだりしてひどいリバウンドを乗り越えようと努力しました。
その甲斐あってか、5月に入った頃からうそのように顔も落ち着きました。
連休後から元気に通学する事が出来ました。

薬を使わずアトピーを改善したいと言う親心が私の中に芽生えてきました。

      その1



© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: