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11月26日(水)イゴール・レヴィットのコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番、シューマン:4つの夜曲、ショパン:ピアノ・ソナタ第3番レヴィットの音は極めてピュアで暖かみを持っています。繊細なタッチで余計なことはせず音楽の芯に迫る姿勢があります。猫背前傾や時たま斜めに傾けたりと独特でやや緊張感を強いられますが、重々しさや神経質さを感じさせないのは不思議なところです。シューベルトの一・二楽章は含蓄ある運びでじっくり聴かせたかと思うと、後半二楽章はやや素っ気ないと思わせる速めのテンポで進めましたが、物足りなさのかけらもなく見事にまとめ上げました。後半の二曲も驚愕の素晴らしさでした。流れ、バランス感が凄く音楽に角が無く、見事なアンジュレーションを頃合い完璧に繰り出します。音にも音楽にもこねくり回し感が一切なく、ありのままなのでストンと入ってきます。ショパン好きには何となくさらさらした感じで物足りないのだと思うのですが全く飽きさせず惹き込ませ、シューマンの見事さ、素晴らしさに至っては目から鱗でした。
2025年11月26日
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11月22日(土)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(ミューザ川崎シンフォニーホール)。・シューマン:「マンフレッド」序曲、ワーグナー:ジークフリート牧歌、ブラームス:交響曲第1番2日連続のマンフレッド序曲となりましたが、全く違う曲を聴いているようでした。テンポはゆったり目で抑えを利かせながら壮大さが強く感じられるアプローチで、こんなに素晴らしい曲だったのかと思わされました。ワーグナーはシンプルで繊細さに富んでいて痺れるほどの素晴らしさでした。パユ、マイヤー、フックス、シュヴァイゲルト、ドールらのスーパー布陣が聴かせました。後半は重さが強くダイナミックなブラームスでした。木管とホルンが殊に勝っていてややバランスや調和という意味では欠いた印象で乱れもありましたが、圧は十分でした。
2025年11月22日
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11月21日(金)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・シューマン:「マンフレッド」序曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番(エマニュエル・アックス)、R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」職人アックス炸裂でした。撫でるような指使いから繰り出される音は暖かみがあって渋く、ややほのぼの系の味わい深さでした。モーツァルトとしては独特感があるのですが、聴いていくうちにどんどんハマっていくイメージで癒されてしまいました。最近ではなかなか聴けない系統で、丁寧で見事な伴奏と相まって大満足のパフォーマンスでした。シュトラウスはクールで冷静、熱くならずバランス重視でコツコツ組み上げるイメージでした。長原のソロは雰囲気がありホルンも堅実でしっかりまとまりがありました。
2025年11月21日
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11月19日(水)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ヤナーチェク:ラシュスコ舞曲、バルトーク:「中国の不思議な役人」組曲、ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年改訂版)前半のヤナーチェクとバルトークはいずれも大きな色合いは付けずオーソドックスでスケール感のあるアプローチでした。オケのかっちり感とスケールの大きさは申し分なく凄みがありました。「ペトルーシュカ」は生演奏だとソロの埋没があったりして満足するケースはほとんど記憶にありませんが、見事な仕上がりでした。ややじっくり型でシックな味わいも見せつつ、やはりオーソドックス感が全面にありました。オケの力量と相まってパートの浮き上がり方が素晴らしく、今日は「ペトルーシュカ」をしっかり味わえました。
2025年11月19日
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11月16日(日)ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートに行ってきました(ミューザ川崎シンフォニーホール)。・R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」、マーラー:交響曲第5番シュトラウスはシャープでスッキリ感が勝っていて洗練されたアプローチでした。オケはさすがと思わせる力量を示しましたが、イメージしていたコンセルトヘボウ・サウンドとはやや違った印象でした。後半のマーラーは壮絶超名演でした。終始デンポ感が素晴らしく、緻密で隙が無くやや憂いを持たせながら多彩な表情を繰り出し、完璧な構成力を見せ、壮大なマーラーを聴かせました。オケもほぼ非の打ち所がなく「凄い」としか言葉が出てこないほどの素晴らしさでした。
2025年11月16日
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11月15日(土)日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました(ソニックシティ)。・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(金川真弓)、ドビュッシー:小組曲、ラヴェル:ボレロ今日は所用があって前半しか聴けなかったのですが、非の打ち所ない素晴らしいコンチェルトでした。金川の音の精度と素晴らしさは極上で、だだっ広いソニックシティをものともせず、艷やかに伸びていて最後までブレはありませんでした。オーソドックス、王道真っ向勝負で、これほど充実したベートーヴェンのコンチェルトが聴けることは稀で、極めて貴重な時間となりました。
2025年11月15日
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11月13日(木)ジャニーヌ・ヤンセンのコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番、クララ・シューマン:3つのロマンス、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番(デニス・コジュヒン)ヤンセンはやや線は細目で、手元で鳴っていて届いて来ないように、音自体に感じるところはありませんでました。体も音も揺れまくりで、音楽も大きく揺れるので不明瞭さが残りました。時として大きくテンポを落とし朗々と奏でますが、くどさがありました。残念ながらシューマンもブラームスも曲の魅力を感じるには至らず、前半にて離脱となりました。
2025年11月13日
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11月12日(水)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・シューマン:交響曲第3番「ライン」、ブラームス:交響曲第4番シューマンはもっと揺らしてくるイメージで臨みましたが、小気味よくまとまり感のある「ライン」でした。やや渋めに時には繊細に隙のない運びでした。オケは見事の一言でした。後半は全般的にテンポやや速めで、ゴツゴツ感、渋さ、淡々さ、うねり、畳みかけ、頻繁なテンポ変動、ヨーロピアン…と様々は表情を見せるやや掴みどころのない独特なブラームスでした。オケは綻びもあってそれほど精度の高さは感じられませんでした。
2025年11月12日
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10月30日(木)レイフ・オヴェ・アンスネスのコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・グリーグ:ピアノ・ソナタ、シューマン:謝肉祭 、ショパン:24の前奏曲きっちりしていてやや乾いたイメージのアンスネスですが、グリーグはきっちり感が勝っていて硬さがありました。コロナ期に2度来日予定でいずれもカーニバルがメインプログラムだったのですが実現せず、その後の来日では取り上げられず、今回ようやく聴けることとなり待望感があったのですが結果は実に残念なものでした。一言で言えば真面目すぎて面白みがなく、曲の魅力は感じ取れませんでした。終始イメージや風景など感じることはなく、聴かせどころ満載の曲の中にあって、聴かせどころは見当たりませんでした。後半はムラがなくハイクオリティで高レヴェルでの均質性があって、クセはないもののスタイルにブレがないことから独特感さえある見事なショパンでしたが、一部に雰囲気が出てこない印象が残りました。
2025年10月30日
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10月26日(日)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(東京芸術劇場)。・ディーリアス:歌劇「村のロミオとジュリエット」から"楽園への道"、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(パヴェル・コレスニコフ)、ブラームス:交響曲第1番コレスニコフは、撫でるように軽快に飛び跳ねるように指を使い繊細なタッチを見せますが、音楽的には繊細と言うより浅さが先に立ち何となく物足りない印象がありました。ブラームスは手なり感が強く印象に薄く、部分的にティンパニの強打や金管の強奏が気になりました。
2025年10月26日
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10月25日(土)ロサンゼルス・フィルハーモニックのコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・マーラー:交響曲第2番「復活」(チェン・レイス、ベス・テイラー、新国立劇場合唱団)出だしがもの凄いスピード感と鋭角に切り込んで来るような筋肉質のアプローチに驚かされどんな展開になるのかと思いましたが、全般的に緩徐部分は極端にテンポを落としてじっくりと進めていて、大きなメリハリを利かせながら90分を越えましたがしっかりまとめました。緻密でしっかり構成され奇をてらった場面はなく抑えも利いていて上質感がありました。オケの力量が素晴らしくレンジの広い表現を大きな傷を感じさせずこなしパワーも十分で、ドゥダメルの高い要求に見事に応えました。テイラーの存在感が際立っていました。
2025年10月25日
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10月23日(木)チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(アナスタシア・コベキナ)、チャイコフスキー:交響曲第5番コベキナは音は太めで、揺らしが豊富で抑揚も大胆に効かせ、濃厚さが表に出た個性派です。時にはすすり泣き系のアプローチも見せるように表現を聴かせるタイプで、音の魅力はそれほど感じさせませんでした。どこを取ってもほぼいじりっぱなしで聴かせどころもつかみづらく、キッチリ派のビシュコフとのマッチ感も今一つでピンと来ませんでした。チャイ5は過去にも同じコンビで聴いていてテイストは変わっておらず、ベースは淡々飄々としていて抑えの効いた渋めのアプローチで、随所に様々なスパイスを放り込んで独特なビシュコフワールドを展開しました。テンポの設定もユニークで同じテーマでも全く違うテンポだったり、時間をかけながら遅くしたりとビシュコフでないと聴けない味わいがありました。オケは手堅く堅実でした。
2025年10月23日
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10月15日(水)アブデル・ラーマン・エル=バシャのコンサートに行ってきました(浜離宮朝日ホール)。・バッハ:ゴルトベルク変奏曲、モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」ベーゼンドルファーの色合いも相まって重めで時としてゴツゴツ感もありましたが暗さはなく、前に前に音は出ていきました。バッハは速めのテンポで、アンジュレーションは大きく効かせずシンプルかつストレートな表現に徹して、駆け引きの無い味わいがありました。モーツァルトはやや重め、ベートーヴェン的なアプローチで独特感が強めでしたが、音のクオリティの高さが目立ちました。ベートーヴェンは相変わらずの音の精度の高さに驚かされ、淀みない流れの中でバランス感が絶妙で素晴らしい仕上がりを見せてくれました。
2025年10月15日
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10月14日(火)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・モソロフ:交響的エピソード「鉄工場」、ハープ協奏曲(グザヴィエ・ドゥ・メストレ)、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」モソロフは初めて聴きましたが大きく印象には残りませんでした。ハープの常識を覆す凄さを持つメストレですが、曲の関係かそれほどインパクトは感じられずやや埋没感もあり凄さは鳴りを潜めていました。しかし相変わらず見事な技巧で繊細なアプローチを見せてくれました。チャイコフスキーは極めてオーソドックスなアプローチでテンポもいじらずほぼ何もしないイメージで一部には淡々感もありましたが、派手さはないもののしっかりしていて充実度は相応でした。オケも目立つところはありませんでしたが安定感を見せました。
2025年10月14日
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9月28日(日)東京交響楽団のコンサートに行ってきました(ミューザ川崎シンフォニーホール)。・バッハ:マタイ受難曲(ソプラノ:カタリナ・コンラディ、メゾソプラノ:アンナ・ルチア・リヒターエヴァンゲリスト(テノール):ヴェルナー・ギューラ、イエス(バリトン):ミヒャエル・ナジ、テノール:櫻田亮、バリトン:萩原潤、バス:加藤宏隆、合唱:東響コーラス、合唱指揮:三澤洋史、児童合唱:東京少年少女合唱隊、児童合唱指揮:長谷川久恵)ノットらしくテンポも含めてスッキリしていて、全編通して重々しさはありませんでした。それもあって物語色の強いアプローチでしたが全体的に質が高く長さを感じることもなく充実していました。やはりエヴァンゲリスト・ギューラの安定感、多彩さが全体の軸になっていたのは間違いありませんが、イエス・ナジのブレのなさやコンラディ、リヒターの女声陣の情感豊かさ、存在感を示した邦人男声陣、落ち着き安定の合唱と、最後まで集中力を切らさず穴を見せず見事な一体感を見せました。オケも個人技を含めて高いレヴェルでしっかりでした。
2025年09月28日
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9月27日(土)バイエルン国立管弦楽団のコンサートに行ってきました(ミューザ川崎シンフォニーホール)。・ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番(ブルース・リウ)、ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」第2稿(1878/80)新ブルックナー全集(コーストヴェット校訂版)序曲は音楽も粗くオケも粗くと言うスタートとなりました。モーツァルトもこれほどバランスの整わないコンチェルトは珍しいと言う印象でした。リウはやや散漫なイメージで方向感が見えづらかったのですが、伴奏も我が道を行くスタイルで調和に乏しく、テンポ感の齟齬やソロの埋没が随所に見られました。後半は一転、見違えるような名演でした。スケール感や重厚感に不足はなくズッシリとブルックナーを聴けました。何と言ってもユロフスキーの集中力が途切れることなく高いレヴェルでの統率が効いたパフォーマンスで、全体観、テンポ感、バランス感など見事なまとまりでした。オケは総合的には普通でしたが善戦と言えます。会場は6〜7割の入りと寂しさがありました。
2025年09月27日
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9月25日(木)河村尚子のコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番K.310、ラヴェル:組曲「クープランの墓」、ラフマニノフ:幻想的小曲集 Op. 3より第1番「エレジー」、ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」モーツァルトは柔らか過ぎず繊細過ぎず、いくらかうねりや独特な強弱をつけながらクセは強過ぎず、暗くなく明る過ぎない尚子ゾーンを見せてくれました。ラヴェルは独特感は影を潜めスッキリしたアプローチでしたが、アンジュレーションの付け方やバランスは見事で素晴らしい仕上がりでした。たっぷり聴かせたエレジーは想定内でしたが、かなりクセ強を予想していたムソルグスキーは全くの的外れながら極めて満足度の高いパフォーマンスでした。過度な表現や強調は見られず、時として物足りなさを思わせるさらり感もありながら、とにかく全体的によく練れていて上手く、スケール感に不足なく多彩さに富んでいて、しなやかなで聴き応え十分な「展覧会の絵」でした。河村のセンスの良さが堪能できる素晴らしいリサイタルでした。
2025年09月25日
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9月24日(水)ジャン=ギアン・ケラスのコンサートに行ってきました(王子ホール)。アフメト・アドナン・サイグン:無伴奏チェロのためのパルティータOp.31、ファジル・サイ:ルーツ、細川俊夫:線Ⅱ、コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ前半のトルコの作曲家による二曲は民族性や叙情性を持っていますがケラスは極めて筋肉質な表現でストイックにアプローチし、細川では二本弓も含めて多彩かつ大胆さを見せました。後半のコダーイもいつもながらの極めて高い精度と集中力を持った素晴らしいパフォーマンスでした。以前何度か聴いたケラスはハイクオリティかつ整い感や収まり感がありましたが、今日は音に鋭角さが増し随所に荒さを感じさせ、これまでとは違った印象を受けました。
2025年09月24日
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9月18日(木)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・武満 徹:3つの映画音楽、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(マリア・ドゥエニャス)、メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」武満はスッキリしたアプローチでしたが、抑揚に乏しく平面的な印象でした。ドゥエニャスは線は細目で随所で擦り感があって音的な魅力は薄く感じました。うねりを付けたかと思うとやたらと素っ気なかったりとややわかりづらく、曲がとても長く感じました。メンデルスゾーンは文句なしの名演でした。品格に満ち、テンポ感、バランス感、オケのレヴェルなど申し分なく、何も余計なことをしないルイージの良さを存分に堪能できました。
2025年09月18日
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9月7日(日)金川真弓のコンサートに行ってきました(浜離宮朝日ホール)。・エネスク:幼き頃の印象 Op.28 より第1曲「吟遊詩人」、バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ BB124、バツェヴィチ:ポーランド風カプリッチョ、イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番ト長調 Op.27-5、バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004いつものことながら精度の高さに驚きです。楽曲への向き合い方は正対系でオーソドックス、シンプル、フラットで、物足りさを感じそうになる場面もあるほどですが、艷やかでストレートに伸びてきて揺らぎやムラがない音のクオリティや、完璧なテクニックが控え目な表現以上の必要性を感じさせませんでした。何と言っても弾きっぷりの凄さが他を圧していて極めて冷静でありながら深い集中力を感じさせ、ヴィルトゥオーゾの名にふさわしいと言えました。どれも高質でしたが後半2曲が際立っていて、特にバッハは金川でも何回か聴いてきましたが、終盤の高みは特筆していてややトランス状態に入る感覚もあって、更なる進化を見せてくれました。
2025年09月07日
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8月23日(土)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・R.シュトラウス:メタモルフォーゼン、ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」メタモルフォーゼンは集中力の高い名演でした。スッキリとした運びの中にアンジュレーションを利かせていましたが、オケはしっかり受けながらバランスを保ち最後までまとまりを見せました。明らかに個々のレヴェルに裏付けされたもので、一体感も強く感じさせる素晴らしいパフォーマンスでした。エロイカは期待して臨みましたが、その期待を大きく上回る素晴らしさでした。テンポは全体的に早めで一楽章のリピート有りで47分程度で、テンポ変動はほとんど見せませんでした。それでか一見淡々と感じさせますが、柔らかな響かせ方や間の取り方、さりげない強弱の付け方やミックスバランスには明らかに拘っていて、全体観を持ちながら隅々まで行き届いているイメージで極めて充実度の高い仕上がりとなっていました。オケもしっかり要望に応えていて、品格があって上質なパフォーマンスを見せてくれました。
2025年08月23日
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8月19日(火)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死、マーラー:大地の歌(メゾ・ソプラノ:サーシャ・クック、テノール:クレイ・ヒリー)ワーグナーはテンポを含めスッキリ感がありましたが、こまめにメリハリを利かせながら全体をまとめ上げていて物足りなさはありませんでした。オケのしっかり感が目立ちました。ヴァルチュハは洗練系スマートなアプローチでしたが澄ましたところはなく、充実感のあるマーラーでした。ヒリーは明るく声量がありましたが今一つ前に出て来ない印象でしたが、クックの落ち着きがあってしっとりとしている実直な歌いは、細部までしっかり届いて聴き応え十分でした。オケも優秀で木管の健闘も素晴らしかったのですが、終始ホルンの安定感が目立ちました。
2025年08月19日
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8月8日(金)広島交響楽団のコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(ダニール・トリフォノフ)、マーラー:交響曲第4番(石橋栄実)初めてトリフォノフを聴いたのが10年位前でチャイコフスキーのコンチェルトだったのですが、今回急遽ラフマニノフを弾くということで慌ててチケットを確保しました。相変わらず音の精度は極めて高く、鍵盤のスイートスポットを外さないイメージでオケがどんなに鳴っても見事に伸びてきます。芯があるのに常に滑らかさを伴っているのが凄く、スケール感と風格のある素晴らしいパフォーマンスでした。マーラーは、アルミンクのオーソドックスでキッチリしたアプローチは終始ブレず、ややゆったり目のテンポで変動はほぼ無く、表現はシンプルでありながら物足りなさは全くありませんでした。石橋の落ち着きのあるソロはややムラがあったものの伸びやかでしたし、オケはバランス良く安定感があってレヴェルの高さを見せ、総合的に充実度の非常に高いパフォーマンスでした。
2025年08月08日
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8月2日(土)新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました(ミューザ川崎シンフォニーホール)。・ブルックナー:交響曲第7番(ハース版)全体的に遅いテンポでの進行、厳かな雰囲気のアプローチで演奏時間は85分にも及びました。しかしながら正直間延び感があって全体バランスもしっくり来ず、オケの綻びも目立ちました。
2025年08月02日
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7月31日(木)エヴァ・ゲヴォルギヤンのコンサートに行ってきました(浜離宮朝日ホール)。・ショパン:幻想曲、ワルツ第3番、第7番、練習曲集Op.10より 第3番「別れの曲」、第4番、第5番「黒鍵」、第6番、第11番、第12番「革命」、シューマン:謝肉祭、ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」より 第1曲、第2曲、第3曲、第6曲、第9曲ゲヴォルギヤンはクセ強でした。まったりくどいか圧強めの強奏がベースです。全体的にうねりが強くペダル多用で音離れが悪いので不明瞭感があり、音の精度も高いとは感じませんでした。ショパンも違和感ありありでしたがカーニバルは異次元でした。様々な顔を見せ多彩さが求められる曲ですが、随所に出現するしみじみパートは謎の強打と超速で全滅状態でした。第一曲はあまりの速さで曲が潰れていて、全曲でも25分弱で終了しやや異常さを感じるほどでした。
2025年07月31日
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7月20日(日)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・ドブリンカ・タバコヴァ:オルフェウスの彗星、モーツァルト:オーボエ協奏曲【G. オダーマット補筆版】(アルブレヒト・マイヤー)、リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」ラザロヴァは振りが大きく角があってしっかりしているので、タバコヴァもそのままのイメージでまとめました。マイヤーのモーツァルトは超絶名演でした。えんじの柄ジャケットで登場し体も大きいのですが、オーラ・貫禄があって存在感満点です。柔らかみのある音の素晴らしさ、アンジュレーションの利いた多彩さ、余韻や響きが消えないイメージの凄い音離れなど、文句の付けどころのないパフォーマンスは圧巻でした。オケに対する圧も凄く、指揮者が2人いるようでラザロヴァには気の毒なほどでした。後半のシェエラザードは、表層的で全体観やバランスに乏しく音楽のぶつ切り感は否めず、見るべきところはありませんでした。オケは日下、遠藤のソロは魅せましたが、ホルンの傷を筆頭に精度は上がりませんでした。
2025年07月20日
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7月19日(土)東京交響楽団のコンサートに行ってきました(ミューザ川崎シンフォニーホール)。・ブリテン:戦争レクイエム(ソプラノ:ガリーナ・チェプラコワ、テノール:ロバート・ルイス、バリトン:マティアス・ウィンクラー、合唱:東響コーラス、児童合唱:東京少年少女合唱隊)ブリテンの超難大曲をしっかりまとめました。この曲の肝は何と言っても合唱にありますが、部分的にはムラを見せたものの安定していました。ソリストはやや硬質系のチェプラコワ、曲想からすると穏やかさが勝った感のあったウィンクラーも安定感がありましたが、ルイスの存在感が際立っていて強く印象に残りました。オケもさすがと思わせる質を見せました。
2025年07月19日
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7月15日(火)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・バーンスタイン:「キャンディード」序曲、ガーシュイン:ピアノ協奏曲(リーズ・ドゥ・ラ・サール)、バルトーク:ルーマニア民俗舞曲(弦楽合奏版)、ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」バーンスタインはシックでクラシカルな味わいがあり、なかなかの好演でした。ドゥ・ラ・サールは軽やか滑らかなタッチ、安定したテクニックで見事でした。しかし全般的に浅さを感じさせやや物足りない印象でした。バルトークは短いながら、こまめに丁寧に表情を付け雰囲気がある名演でした。ムソルグスキーは全体としてはじっくり系で、ややオリエンタルな雰囲気がありました。鳴らし方響かせ方が独特で特に打楽器は渋めの存在としてカンブルラン・マジックを十分に味わえました。オケは珍しく極めて普通で、精度は高くありませんでした。
2025年07月15日
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7月12日(土)中川優芽花のコンサートに行ってきました(王子ホール)。・ブラームス:4つのバラード、リスト:バラード第2番、ショパン:バラード全曲いつもながらパンツスタイルの中川は、しっかり重めのピアノで上体の動きは少なく軸のブレがありません。強奏部の迫力は凄く表現も多彩で、正統派本格派としてストレートに正面突破してきます。それほどペダルを使わずブラームスは素朴な味わいを見せましたし、リストはレンジが広くダイナミックなアプローチで強く印象に留めました。後半のショパンも素晴らしかったです。ややきつい感じを想像していたのですが全くの見当違いで、クリアな音色としなやかなタッチで音楽に角を作りませんでした。情緒的な表現はほぼ無くシンプルでストレートなアプローチでしたが、スケールが大きく物足りなさは皆無で充実度が極めて高いパフォーマンスでした。まだ23歳でこの完成度とどっしり感は凄く、ますます今後が楽しみな逸材です。
2025年07月12日
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7月2日(水)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(フェスティバルホール)。・ベートーヴェン:劇音楽『エグモント』(クリスティーナ・ランツハマー、宮本益光)、チャイコフスキー:交響曲第5番エグモントは凄いの一言です。序曲からキレキレバワーさく裂に圧倒されました。やはりマイヤー、フックスはじめスター軍団の木管金管は超絶でただただ聴き惚れました。ランツハマーのやや独特な声色も優しく伸びがあって素晴らしかったです。後半のチャイコフスキーもとにかくオケが凄すぎてしか残りませんでした。ドゥダメルは時たま仕込んで来ますが基本オーソドックスで直線的に前に前に向かいます。結構ロマンティックかつダイナミックに攻めますがオケは余裕を持って終始極めて冷静に受け止めていて、音楽が浮ついたり跳ねたりすることは一切ありませんでした。全てのパートが残音までしっかり聴こえているイメージで唖然とさせられました。今日はドゥダメルではなく明らかにベルリン・フィルを聴きに来た日でした。
2025年07月02日
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7月1日(火)バーミンガム市交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ラヴェル:ラ・ヴァルス、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(河村尚子)、チャイコフスキー:交響曲第5番ラヴェルは厳しい立ち上がりでした。全体的にオケに調和がなく音楽が平面的でとてつもなく長く感じました。河村はいつもながらややクセ強系でしたがいつもより幾分柔らかみを感じさせました。しかしそれがよい方向とは言えずいくらかメリハリを削いでいて、ピンとこない印象でした。後半のチャイコフスキーも相当微妙でした。こだわりなのか何なのかやたらテンポをいじっていて特に二楽章は重点的にゆったりと思いを込めていましたが狙いは見えず、楽しめませんでした。オケは至って普通あるいは弱めで、メイン終了時点で21時30分はやや苦痛な一時でした。
2025年07月01日
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6月29日(日)アリス=紗良・オットのコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・フィールド:ノクターン第17番、ベートーヴェン:ソナタ第19番、フィールド:ノクターン第1番、第2番、第4番、第10番、ベートーヴェン:ソナタ 第30番、フィールド:ノクターン第14番、第16番、第9番、ベートーヴェン:ソナタ第14番「月光」紗良・オットの音の質は極めて高く、素晴らしいリサイタルでした。クリアなのにふんわり感があるタッチで、緩みがなくしっかりとしているのに自然体で暖かみを感じさせるのは比類なく、何とも魅力的でした。フィールドは明朗淀み無く多彩な表現で、どれも文句のつけようのない素晴らしさでした。ベートーヴェンは30番がやや独特で宇宙を感じさせるようなひと味違ったアプローチを見せましたが。14番は全く隙がなく圧巻でした。トークを織り交ぜながらフィールドとベートーヴェンの関連性などを聞けたのも興味深かったです。
2025年06月29日
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6月27日(金)ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(庄司紗矢香)、ブラームス:交響曲第4番序曲のヨーロピアンな響きを聴いて以前の印象と大きく違って驚きました。そんな中にもシャープさがあってバランスよい好演でした。庄司のヴァイオリンを初めて聴いた時は濃厚感が強く前に前に来るイメージでしたが明らかにスタイルは変化していて、力みのない自然体なアプローチで大半は淡々と進める印象でした。ただ緩みはなくキリッとしたところが特徴です。音もしっかり伸びていてさすがと思わせるのですが、時としてこだわりの強さを感じる場面があって曲自体の素晴らしさがストレートに伝わって来る感は残念ながら乏しかったです。シャニはオーソドックスな中にメリハリを付けながらスケール感を持って全体を構成していきます。やや弦を抑え気味にバランスを重視した組み立てで、ゆったりと十分に響かせてしっかりした音楽を造るので聴き応えがありました。オケは重厚さはありませんが穴が少なく安定感に富んでいたことから、充実したブラームスが聴けました。
2025年06月27日
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6月24日(火)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(アウグスティン・ハーデリヒ)、ドヴォルザーク:交響曲第7番スメタナはヴァイグレらしく実直丁寧なアプローチでヨーロピアンな響きも好感が持てました。ハーデリヒはやや太めで最近主流の綺麗に響かせるタイプではなく、ゴツゴツ感もありました。結構揺らしながらテンポの変動や表現を細かく付けるので濃厚感が勝っているイメージです。ただ全体的に見るとどこも同じ切り口な印象で一本調子感がありました。後半のドヴォルザークは淡々としていて抑え気味な部分もありましたが、効果的には今一つ伝わらずやや味わいに欠けた印象でした。管のボリュームが大きめでバランス的に気になる場面もありました。
2025年06月24日
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6月21日(土)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(NHKホール)。・コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲(ダニエル・ロザコヴィッチ)、マーラー:交響曲第1番「巨人」若手注目株揃い踏みで会場は相当埋まっていました。ロザコヴィッチは線はやや細めで神経質系美音のイメージですが、音自体に大きな引力は感じられず埋没する場面も少なくなく、コルンゴルトのイメージからするとやや乖離があった印象で、最後まで今一つ盛り上がらず終わりました。ペルトコスキは珍しく脇を締めて振るので横の動きではなく縦や前後の動き主体でやや分かりづらい印象です。タイタンは全体的に大きくメリハリを利かせながら、時として大胆にテンポを落としたり濃厚に表現したり、ソロやティンパニを際立たせたりしながらまとめ上げたのは見事でしたが、やや流れを失したイメージでまとまりと言う意味では今一つな印象でした。オケは珍しく精度は不十分で整っていませんでした。
2025年06月21日
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6月19日(木)パリ管弦楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付」、ベルリオーズ:幻想交響曲もういいかなと思いながらまた来てしまったマケラですが、相当クセ強のサンサーンスでした。随所に縦ノリ系のイメージでうねりも強くボリューム高めなのでうるさく感じる部分は少なくありませんでした。繊細さには乏しく音楽がよく練れているようには聴こえないので雑然さが残りました。そのようなアプローチが理由なのかオケからも特別に感じるところは無かったのですが、乱れを見せなかったところが力量の高さということでしょうか。不安一杯で迎えた後半でしたが、打って変わって文句のつけようがないベルリオーズでした。終始悠然としていてクセ強は影を潜め、曲の魅力を十二分に発揮しました。洗練さの強い高質高位安定しているオケとのマッチ感が素晴らしく、会場の爆声ブラボーにも納得でした。
2025年06月19日
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6月12日(日)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・イベール:フルート協奏曲(カール・ハインツ・シュッツ)、ブルックナー:交響曲 第6番シュッツはきっちり端正でムラが無く、しっかり感の強いソロでした。メナは流れ重視のアプローチで細かくはこだわらず、ある意味淡々と進めました。全体的にボリュームが大きくやや不明瞭になる場面も見られましたが、朗らかと言えるブルックナーでした。オケは総合的に安定感がありました。
2025年06月12日
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6月8日(日)東京交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・モーツァルト:交響曲第25番、ロッシーニ:スターバト・マーテル(ハスミック・トロシャン、ダニエラ・バルチェッローナ、マキシム・ミロノフ、マルコ・ミミカ、東響コーラス)モーツァルトはじっくり感のあるテンポで、こまめに指示を出しながら丁寧に進めました。極めてバランス感に富んでいますがメリハリも失わず、味わい深くしっかりとまとめました。オケも上々で充実度の高いパフォーマンスでした。ロッシーニは文句なしの名演でした。マリオッティの的確なテンポ感、緻密な構成力は終始揺るぎない上に、ソリスト陣のレヴェルの高さと合唱の安定感で聴き応え十分でした。トロシャンの艶のあるボリューム感とミロノフの堅実さもさることながら、バルチェッローナの囁いているだけようで突き上げるように伸びてくるメゾは圧巻でした。オケも申し分のない出来で、終曲後もじわじわ感動が押し寄せてくる満足度の高いコンサートでした。
2025年06月08日
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5月31日(土)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール)。・ガーシュイン:パリのアメリカ人、ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲(阪田知樹)、ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」溌溂としたガーシュインでしたが、きっちり感が勝っていてやや硬い印象でした。阪田はチャレンジングなプログラムが目立ち好感が持て、このラヴェルもらしく綺麗に仕上げました。ただ、やや雰囲気は物足りずラヴェルのコンチェルトを聴いた感は薄めでした。後半も川瀬の硬さが気になりました。久々に聞くのですが以前とはやや違う印象があり、音楽の造りは極めて丁寧ですが指揮ぶりも含め硬さを感じました。全体的に結構いじりながらメインのパートは明確にさせますが、やや全体感・調和に欠けうまく響いているようには感じられませんでした。オケもムラがあって精度は今一つでした。
2025年05月31日
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5月30日(金)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(NHKホール)。・シューベルト:「ロザムンデ」序曲、ドホナーニ:童謡(きらきら星)の主題による変奏曲(藤田真央)、R. シュトラウス:歌劇「影のない女」による交響的幻想曲、歌劇「ばらの騎士」組曲シューベルトは何とも味わい深い超名演でした。いくらかゆったり目のテンポとやや渋めのアプローチで、N響の重厚感を活かしながらヨーロピアンに仕上げました。さすがオペラの実績豊富な実力をのっけから見せてくれて、これだけでも十分満足して帰れるほどのレヴェルでした。藤田の軽やかで超滑らかなタッチは見事でした。弾いているようには見えず鍵盤に軽く触れているだけのイメージで多彩に捌きました。曲も全体的にややうねりがあって藤田にはマッチ感がありました。いつもはやや生真面目できっちり感に勝っていて時には厳格ささえ思わせるN響が、シュレキーテによって丸みを感じさせたのは驚きでした。シュトラウスも見事で特に「影」がより雰囲気があって強く印象に残りました。
2025年05月30日
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5月16日(金)東京都交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ペンデレツキ:広島の犠牲者に捧げる哀歌、ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番(アンナ・ツィブレヴァ)、交響曲第5番ペンデレツキはいつものように暗譜で向き合うウルバンスキの統率力に感服しました。非常に精度、集中力の高いパフォーマンスで強い引力を感じました。ツィブレヴァは軽やか伸びやかなアプローチで時に強めのアクセントを見せましたがやや特徴に薄く、聴かせどころの二楽章も表情に物足りなさがありました。細かいミスも目立ち雑な印象が残ったのは残念でした。ショスタコーヴィチは文句なしの超名演でした。テンポやまま見せる変動、間の取り方など明らかに独特でウルバンスキワールドと言えるのですが、奇をてらった感は皆無で躍動感に溢れ極めて効果的でした。都響の重厚感を活かしながらヨーロピアンは失わず懐深く響かせる中、細部に至るまでよく練れていて音楽が丁寧、弦から打楽器に至るまでどのパートとは言わず全てが活き活き浮かび上がって来るようなイメージには驚かされました。PMFの時とは大きく違った印象を受けたのは明らかにオケの違いで、全体的にハイレベルで穴が少なく、中でもフルート松木は圧倒的な存在感でした。
2025年05月16日
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5月5日(月)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(所沢市民文化センターミューズ・アークホール)。・武満 徹:3つの映画音楽、グリーグ:ピアノ協奏曲(リーズ・ドゥ・ラ・サール)、ブラームス:交響曲第武満は立ち上がりだったこともあるのかやや温まっていない印象があり独特な静謐さは出てきませんでしたが、進むにつれてしっかりまとめました。ドゥ・ラ・サールは芯がある陽系の音質で最後までオケに埋没することなくしっかり伸びてきました。グリーグとしては憂いは薄いものの聴かせどころを押さえた見事で多彩な表現は素晴らしく、聴き応え十分な名演でした。実演を聴いてもピンボケなソロが多く中々納得感のあるパフォーマンスに巡り合わない曲ですが、多少のミスも全く気にならず最後まで集中できました。伴奏も秀逸で申し分のない出来でした。ブラームスは正直あまり期待していなかったのですが十分満足でいる名演でした。ベースはオーソドックスで余計なことは何もしない系、全体バランスを意識したやや抑え気味でヨーロピアンな響き満載でした。一楽章のピュアなアプローチが特に印象に強く、四楽章は他の楽章に比べると思いがあるのかややいじっていてそのまま行ってほしかった思いがありました。オケは結構綻びもありましたが、ヨーロッパ公演を意識したのかダブルコンマスで客演を含めてほぼフル布陣でしっかり感を見せました。
2025年05月05日
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5月1日(木)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ベルク:ヴァイオリン協奏曲(諏訪内晶子)、マーラー:交響曲第4番(森麻季)諏訪内のベルクはややインパクトに欠けました。そもそも決して明るくはない音質ですが音自体の魅力としても捉えどころが難しく今一つ迫ってくるものがありませんでした。どうしてもオケに耳が向かってしまいました。マーラーは小気味よくバランス感、品格に富んでいて素晴らしかったです。時として音楽がやや堅くなるきらいのあるルイージですが4番は終始安定していました。森のソロは目立ちませんでしたがオケはさすがと思わせる隙のない出来でした。
2025年05月01日
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4月20日(日)東京・春・音楽祭『こうもり』(演奏会形式)に行ってきました(東京文化会館)。・J.シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」全曲【演奏会形式】(指揮:ジョナサン・ノット、アイゼンシュタイン:アドリアン・エレート、ロザリンデ: アニタ・ハルティヒ、アデーレ:ソフィア・フォミナ、アルフレート:ドヴレト・ヌルゲルディエフ、ファルケ博士:マルクス・アイヒェ、オルロフスキー公爵:アンジェラ・ブラウアー、ブリント博士:升島唯博、フランク:山下浩司、イーダ:秋本悠希、フロッシュ:志村文彦、管弦楽:東京交響楽団、合唱:東京オペラシンガーズ、合唱指揮:米田覚士、構成:リリ・フィッシャー)ノットの「こうもり」で何となく想定した通りのキレがあるアプローチで、オケもしっかりしていて聴き応えがありました。ソリストは大きな穴がなく全体的にレヴェルが高く最後まで楽しめました。強いて言えばアイゼンシュタイン:エレート、ロザリンデ: ハルティヒが終始安定していました。
2025年04月20日
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4月17日(木)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシカ」(松田華音)、ブリテン:ピアノ協奏曲(ベンジャミン・グローヴナー)、プロコフィエフ:交響組曲「3つのオレンジへの恋」きっちりしていてスッキリ、随所に軽快感もあるアプローチでしたが、ややきっちり感が勝っていて躍動感に薄い印象でした。オケもややムラがあってやはり一筋縄ではいかない曲です。グローヴナーは衝撃的な凄さでした。鍵盤に吸い付くように這うようにやや独特な動きから繰り出される音はクオリティが極めて高く多彩さに富んでいて、終始瑞々しさを失わない音楽に惹きつけられました。加えて繊細さも持ち合わせていて極めて魅力的で非の打ち所の無いソロと言えました。おかげで聴く機会がなかったコンチェルトですが、曲の素晴らしさを十二分に味わえました。オケのサポートも素晴らしく大満足のパフォーマンスでした。事情があって誠に残念ながら大満足のまま席を立ちました。
2025年04月17日
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4月16日(水)読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番(ルーカス・ゲニューシャス)、ベートーヴェン:交響曲第5番ゲニューシャスはソフト柔らかなタッチが主体で多彩な表現を見せましたが、相当な独特感を醸し出していました。クリアに音を聴かせるタイプではなくやや不明瞭に思わせるスタイルですが中途半端で味わいが見えづらく、やや押し付けがましさがあってクドく感じさせる部分もありました。合わせづらそうであった伴奏も精彩を欠いていました。ベートーヴェンの三楽章までは手なり感が強く緻密さに欠けていて一部漫然と感じさせまさしたが、四楽章はしっかりしていて音楽に躍動感も出て締まってくれました。
2025年04月16日
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4月15日(火)ルドルフ・ブッフビンダーのコンサートに行ってきました(東京文化会館小ホール)。・シューベルト:4つの即興曲D899、ピアノ・ソナタ 第21番全く軸がブレないピアニストです。想定通りと言うかどこまでいってもブッフビンダーでした。自然体で力みは全くなく、かと言ってややゴツゴツ感もあって、時として畳み掛けるように激しさも見せ、速めのテンポでさらりと淡々とこなしていきます。情緒的な表現を排除しスコアに正対している感が強く感じられました。即興曲もシンプルな運びで良かったのですが色濃くブッフビンダー色が出ていたのはソナタで、他の楽章に比べて三楽章のテンポ設定が一番遅く感じる構成で、それこそ余計な事は一切せずに最後まで駆けぬけました。
2025年04月15日
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4月12日(土)金川真弓のコンサートに行ってきました(神奈川県立音楽堂)。・バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番、第1番、第2番あっぱれ見事なバッハでした。思い切りがいいと言うか全く淀みがなく、アプローチとしてはややサッパリ系ですが物足りなさも感じさせず、前に前に向かって来るのでストレートに伝わってきます。音は極めて質が高く洗練されていますが暖かみも感じるところが「凄い」の他に表現が見つかりません。軸がブレることのない金川らしさを満喫できるリサイタルでした。
2025年04月12日
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4月5日(土)東京交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・ブルックナー:交響曲第8番(第1稿/ノヴァーク版)ノットらしいキリリと締まったブルックナーでした。まったり感や情緒的な表現は見せず洗練された響きの中でも重厚感は十分に味わえるアプローチでした。オケが高位安定していたことから90分を越えましたが最後までしっかり聴けました。
2025年04月05日
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3月30日(日)東京交響楽団のコンサートに行ってきました(ミューザ川崎シンフォニーホール)。・ニールセン:序曲「ヘリオス」、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番(イノン・バルナタン)、プロコフィエフ:交響曲第5番ヴァンスカの雄大かつ繊細なアプローチで極上のニールセンで幕をあけました。バルナタンはクセがなく明るく伸びやかな音色で、音の粒をクリアに聴かせて明朗な音楽を奏でました。極めて高い安定感があり満足度の高いパフォーマンスでした。伴奏もメリハリが利いていて上々の仕上がりでした。プロコフィエフはオーソドックスでロシア色は薄めながら極めて丁寧なアプローチで、落着きまとまりがありました。オケも難曲をしっかり受け止めていて充実度高めでした。
2025年03月30日
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