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2018年04月21日

「寂聴さん『切に生きる』ってどういうことでしょう？」「『切に生きる』とは一瞬一瞬を一生懸命に生きることです。生きることは生むこと、同時に愛することです。私たちは愛するために生まれてきたんです。愛は、人を喜ばせること、人のために尽くすことです。」

カテゴリ：五日市剛・今野華都子さんの世界

「寂聴さん、『切に生きるーこれが仏教の極意です』とおっしゃたけど『切に生きる』って、どういうことなんでしょう？」
と若い女性が質問する。
「『切に生きる』とは一瞬一瞬を一生懸命に生きること、過去を悔やまない、未来を取り越し苦労しないことです。
『切に生きる』ーこれは道元禅師様のお言葉です。
生きることは生むこと、同時に生きるとは愛することです。私たちは愛するために生まれてきたんです。愛は、人を喜ばせること、人のために尽くすことです。そのためには相手が今、何を欲しがっているかを見抜いて、欲しがっていることをしてあげて、嫌がることをしないことです。相手が何を欲しがっているか。それは想像力がないとわからない。想像力、イコール相手の心を思いやること、イコール愛です。」

2017年12月31日
生きるとは生まれること、愛すること

「寂聴さん、午前中の法話で『切に生きるーこれが仏教の極意です』とおっしゃたけど『切に生きる』って、どういうことなんでしょう？」と若い女性が私に質問するんです。

皆さんは遠いところから、あるいは近いところから、ここにこんなたくさん集まってきてくださいました。

それでも皆さんはここへ来てくださる。来た以上はほかのことを考えないの。

私の話を一生懸命聞いて笑ったり怒ったりなるほどってうなずいてくださる。
それがもう『切に生きる』ということですから
『切に生きる』とは一瞬一瞬を一生懸命に生きること、過去のことを悔やまない、未来のことを取り越し苦労しないということ。

『切に生きる』ーこれは道元禅師様のお言葉です。
それでは『生きる』とはなんなのでしょうか？
1994年に99歳で亡くなった天台宗の山田恵諦お座主様はその法話でこうおっしゃっています。
「生きるとは、生まれることだ。生むことだ」
女の人が子供を産む。
男の人が仕事をする。仕事をするということも何かを産んでいるんです。
生きることは生むことだ。

と同時に、私は、生きるとは愛することだと思っています。私たちは、愛するために生まれてきたんだと思うんですね。

女の人が子供を産む。もちろん愛するために産むんですね。
男の人が仕事する。自分のためだけじゃない、自分のした仕事が人の役に立つから、それが幸せなんですね。

人を喜ばせるために、一生懸命努力してあれこれ工夫して、何かを生み出すんですね。
人を喜ばせるということは、これは愛なんです。

相手が何を欲しがっているか。それは想像力がないとわからない。
想像力、イコール相手の心を思いやること、イコール愛です。

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