第3話



 涼子さんの友達で、私も高校時代、先生に英語を教えてもらった事があります。
(先生は覚えてないでしょうが…)

 去年の夏、私は涼子さんと同じ病気で母を亡くしました。喪中はがきを涼子さん
に送ったら電話をくれて(何年も会ってなかったからびっくり)涼子さんは「喪中
はがきが届いたけど誰が…?」と私に聞きました。

 私は「実は母が…」と母の事を話しました。そしたら涼子さんは自分の病気の事
を打ち明けてくれました。こんな偶然いらないけど母と同じ病気で同じ病院で主治
医の先生まで同じ!私は何か力になりたいなと思いながらも結局何にもしてあげれ
ませんでした。

 涼子さんは、時折メールで、うちの母の時はどうだったか?と聞いてました。ど
うなっていくのか不安だったのでしょう。でも顔を見に行くと、いつも辛そうな顔
を見せずにあたたかく迎えてくれました。そしていつも「子供は宝だね」と言って
いました。よく先生の事も話してくれました。私は涼子さんと同じ病気で天国に旅
立った母の介護を通して、得たものや感じた事をエッセイにして、今秋出版する事
を決めました。涼子さんに読んでもらう事ができなかった事は残念ですが今、同じ
ような病気を持つ方や家族の方の力になれればなと思っています。



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