帰って来たかえるのへや

その13)04月09日記




お外解禁はアカネに予想外の効果をもたらしたが、
残念ながら本来期待した効果はまったく出なかった。
アキラがアカネを攻撃したのは
アカネのように刺激不足、欲求不満だったからではない。
アキラは相手がアカネと言う関係性をキッチリ掴んでいて、
それは別の要素が導入されても残念ながらいささかも揺るがなかったのだ。

相変わらず攻撃を続けるアキラに対して
アカネが結局反撃を始めてしまった事は先に書いた通りだ。
わたしにはもう打つ手がなかった。
アカネを不良少女パターンと見たなら
それが正しいかはともかく、それに対して人間相手なら
こんなサポートが可能だったかと思い付けなくもないが、
猫に対して行動で示すにはどうしたらいいかは今もわからない。
それにもしも思い付けたとしてもわたしにそれが行えたかどうか。

自分の感情もどうしようもないものになっていたのだ。

催眠誘導の件でも推察されるだろうが、
物言わぬアカネにKaeruは自分のいろいろな人間関係の問題を重ねていた。
それなりに愛していたからこそ努力もしたのだが
アカネに余裕が出て来たと見るや吹き出す自分の気持ちをどうしようもない。
そして不良少女論のような希望のないビジョンでアカネの足を引っ張り出す。
見よ、アカネはわたしの望み(怖れ)通りの挫折をした...。

最初の壁は偶然の機会を得て(催眠誘導)越えたが、
今度こそわたしの限界が来ていたと認めざるを得ない。




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