帰って来たかえるのへや



    「猫の心の傷 (2004年2月15日の日記より抜粋)

まひるととら
カンナがわたしのアパートで産んだ子供達をご紹介します。
いずれ劣らぬ美猫揃いだったの。
昔の写真をデジカメで撮りました。
この子達のご幼名は「まひる」と「とら」。共に雌。


押し掛け猫のカンナは、特に初対面の人には社交的で愛想もいい。勇気がある。
だが、親しくなると気難しい面も見せて来た。

変わっていると思ったのは、顔面以外は撫でても喜ばない事だ。
顔面はしつこいほど撫でろと求める割に、
普通猫が喜ぶ喉はまったく反応がなく、
臀部はさわるとびくっとした。
お腹をいやがるのは一般的なので、要するに顔以外ほとんど撫でる事ができない。

妙に怖がりで、一緒の布団で眠る事ができない。
これが可能になったのはようやくここ数年の事で、
それまでは寒さのあまり一緒の布団に入っても,
Kaeruが寝返りを打とうものならすぐさま怒って出て行ってしまっていたのだ。
引き止めても聞かなかった。
どうも寝返りでつぶされると思っているようだった。

自分で自分の寝姿を見ていないので断言できないが、
わたしはカンナの子供を含め何匹かの猫と一緒に眠った事がある。
どの猫も押しつぶしてはいないし、ギャッと言われて目覚めた事もない。
自分は寝相が悪く、良く動くらしいのだが、
一方でそういう実績も持っていたので、どうぶつ2匹は眠っている間
以心伝心に動きあい、つかず離れずの距離を保てるものだと信じていた。
猫の方が一方的に融通をつけていたとしたら、
そんな同衾がいつまでも続くわけはないと思う。
だが、カンナとはそういう融通ができなかった。

カンナにはひどく人を求める面と、怖がり拒絶する面があった。
もともと恐がりな過敏な猫でもあったのだろうが、
臀部の反応は彼女が叩いてしつけられた事を想像させた。
この反応はKaeruに心を開いた時点から案外すぐ取れた。
今も一番嬉しいのは顔らしいが、お尻もお腹もおさわり自由の猫になっている。
同時に顔つきが変わり、額が横に広がった。
人間で言う「眉をひそめた顔」をどうもそれまでしていたらしい。
だが、起きている時のKaeruには安心したとしても
眠っているKaeruにもそうなるのには先ほど書いた通り長い期間がかかった。

さしあたり、彼女が「心を開く」のには、何となく徐々に、ではなく
ハッキリしたぶつかりあいがあった結果であった。








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