INFINITY

INFINITY

待ち伏せ



 ↓ ↓ ↓




冷たいベンチに腰掛ける。
ぶらぶらと意味も無く足を揺らしてみる。
寒かったのでちょっと手をすり合わせる。
月が木々の隙間から見えて綺麗だった。
アルフォンスはの仕事はまだ終わらないのだろうか。

では、お疲れ様でした。
遠くから優しい声が聞こえた。
部屋の灯りが開いたドアの隙間から少し漏れて、直ぐに消えた。
中ではもう一通り作業を終えたらしく、仲間内でなにやら騒いでいるらしかった。
彼はその輪を悪びれながらそっと外れた。
気を、使わせているのだろうか。
でも、嬉しい。

「お疲れ様」
「エドワードさん」

せっかく待ってたのに、しかもお疲れ様の労い付きなのに
彼は少し怒った風に驚いてオレを見て、呆れた。

「何やってるんです?」
「見ての通りです」

わざと敬語。んなに怒るなっての。

「何で家で待ってないんです?風邪でも引いて体壊したら!」

彼が怒る理由はオレを気遣って。いつもそう。
呆れたように、怒って叱って気遣って。
そのやわらかくも張りのある、ピンと通るその声が好きだ。

「オレの身体は頑丈に出来てんだよ。帰ろうぜ?」

ため息を吐きつつ彼はオレの後に付いて来る。
なぁ、ホントに分かんねーの?

好きだからとか、会いたいからだとか、そんな単純で当たり前な理由。
勿論あるけど置いといて、オレはあの一人の空間が怖かった。
知らなかった、こんなに自分が臆病だ何て。
迫り来る闇、音の無い空間、どうしようもない刹那。
独りの自分、広がる恐怖、置いて行かれる寂しさ。
お前まで消えてしまったらと。
置いて行かれるのではないかと。
そしてそんな自分の浅ましい感情。信じられない弱さ。
悟られたくないのに気付いて欲しいこの矛盾。
近くに居れば、この不安は消えるのか。
答えは否。増すばかり。
幸せであればある程それを失う恐怖に打ちひしがれる夜。

だから、今日も一晩中一緒に居てよ。
オレでお前を満たす時間、頂戴?


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誘い受けっぽ


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