曹操閣下の食卓

グルメなパン☆ランキング



私はかつて、こんな考え方をしていた。

1. 神戸のパンは日本一である。
2. 近くの手作りパン屋は、遠くのパン屋よりうまい。
3. フランスパンは苦くてまずい。

結論から言おう。
神戸のパンは今や日本一ではない。
閣下のランキングでは、 DONQ は入らない。
今度、東京のMYプラザにこだわった店を出したが、ここは数年おくれた内容になっている。売れ残った明太子クリームなんか出すなよ。
むしろ、銀座木村屋総本店のほうが素晴らしく美味になっている。
製作している人々は、みなドイツ・フランス留学でマイスターの資格をとった専門職人たちだ。

青山の アンデルセン も善戦しているが、これはもともと広島の会社だ。
神戸でも、東京でもない。
冗談みたいだが、 神戸屋 は、創業者が神戸のパンを大阪に持ち込んで行商したところから始まった大阪企業だ。
横浜元町の ポンパドール はいい線をきている。ランキングにも入れよう。

商店街のパン屋さんだが、かなり苦戦しているようだ。
というのも、デパ地下で本格的なパンを売るようになってから、顧客数は確実に奪われているからだ。

そして第三のフランスパン革命。
今でも山崎パンのバタールは苦い。しかし、名古屋のフジパンは改良されて甘くなっている。
これは材料の小麦粉の品質と発酵方法によるものだ。

三越のJohan(ジョアン)も、味づくりのマイスターにフランスの若手職人を採用してから、味が本格的になった。
それまでは砂糖をかけて、味をごまかす菓子パンが多かったが、本当に固いパンでも、せんぺいのように香ばしく食べられるようになった。

さて、お待ちかね。
閣下のブーランジェリー・ランキング☆

1. トロワグロ(小田急百貨店)
troisgros
 惣菜もケーキも、ここが最高。その秘密は、センチュリー・ハイアットのキッチンで働いているトロワグロ出身のシェフたちである。定期的にトロワグロから留学組が帰ってきて、新しいレシピを再現している。これが20年もつづいている。
閣下も学校の帰りに、フレンチ・オ・レザン(315円)を買うのが楽しみなのだ。

2. ポール・ボキューズ(大丸)
chef
 ここもすごくいい。神戸でも買えるからな。味はわかるでしょう。でも、トロワグロのほうがいい。長い間、食べ比べた結論として。
 でもチーズ系はわりあい吟味している。ドライフルーツ・ブレッドがなくなったのは減点。

3. ガルガンチュワ(帝国ホテル)
tokyo
 日本代表だな。いろいろホテルのパンはあるけれども、おみやげにできるパンはここだけ。冷たくなっても固くならないのは、バターの品質と配合が絶妙だからだ。
 ホテル・オークラもいいけれど、残念ながら変質が早いので、ちょっと家で食べる気はしないよ。

4. ブーランジェリー・アカサカ(赤坂プリンス)
logo
 サンドイッチが充実している。半円にねじらないシェル形のクロワッサンは閣下のお気に入りである。
 バタールも甘くておいしい。半額セールも楽しめる。

5. マダム・ミクニ(新宿区若葉町)
mikuni
 ここのトイレにはいると、トロワグロさんの絵がかけてある。なるほど共通したテクニックはあるが、やはり三國さんが材料から吟味して工夫したものだ。閣下の信頼は熱い。
 ミクニのケーキは百貨店でも買えるけれど、パンはここだけしか売っていない。行ったら、買う。

6. 宝塚ホテル
takarazuka
 関西で一番信頼できるベーカリー。
 おみやげにもいい。新阪急ホテルの袋よりも、おみやげはこっちだね。
 名前を聞いただけで感激する人も多いし、期待を裏切らない味だから。

7. ポンパドール(横浜元町)

 横浜元町といえば、キタムラの鞄、ミハマの靴、ポンパドールのパンだ。チェーン展開もしているが、全粒粉を採用するなど、新しいパンの開発に意欲的な面もある。
 DONQは徹底的に勉強したらいい。

8. ドゥ・マゴ
magot
 ここをオペレーションしているのは、日本たばこ産業(JT)の子会社・ サンジェルマン であるが、ホームページで店長が書いているように、パリのレシピと材料を使って、東急の厨房で朝からその日のパンを手作りで焼くという地道な経営をしている。これがうまさの秘訣だね。
そのフィードバック効果が メゾン・カイザー(コレド日本橋) である。

9. ビゴの店(芦屋市業平町)
 ビゴの店って、確かに本店は芦屋なんだけどさ、経営の中心は今や東京進出というより、 まったくの流出状態 だね。
 場所は閣下のホーム・グラウンドの一つ、自由が丘から田園調布に向かって、ちょっと歩いたところにある。
世田谷でも芦屋の味はそのまま楽しめるわけだ。お嫁に来てもさびしくないね。(^-^)g

10. 神戸屋キッチン
 これね。自宅の近くにあるので、どうしたって一ヶ月に一回は食べ放題のパンをいただいてしまう。でも焼きたてと冷めたものの違いは歴然としているので、持ち帰る気にならないのが難物。神戸屋プリンは安いし、いいんじゃないか。

11. フォション
よし子ママさん に案内はおまかせ。
 ここもフレンチ・レシピを若い人たちがまじめに懸命に仕事している。ただし、人気の売り物の焼きたてパン・ド・ミーは、ポール・ボキューズやマゴのほうが数段上だな。
ついでに、 ダロワイヨ PAUL ブルディガラ デュヌラルテ ラビラント も書いておこう。

雑誌で大人気の PAUL よし子ママさん の案内が詳しい。
 ここはデニッシュなどはすべてフランスから冷凍空輸するそうだ。オペレーションは敷島パン(パスコ)の子会社。

 こんなに本格的な店が多くなると、近くのベーカリーは衰退するしかないということだ。
そいつもつらいが。でも本当に最近、商店街のパン屋さんは全然なつかしくないんだよね。
 とにかく、パンは安くてうまいのが一番だ。

12. 浅野屋
 これはいい店だ。本店は軽井沢。
 隠れた皇室御用達といわれるゆえんだ。
 少し高いけれど、カンパーニュやミッシュブロートはドイツ人やスイス人も認める味。青山の紀伊国屋がなくなったので、ここは貴重になっている。
 四谷三丁目は、フォションのアイスを製造しているナポリ・アイスクリーム本社直営店もあって、閣下もチャンスがあれば、足を運ぶところ。

13. サンピエロ・ドミニクドゥーセ(日本レストラン)
 杉並の西荻窪にカフェ付きの店ができた。安いし、なかなかいけるよ。ドミニクさんは、テレビ東京のTVチャンピオンで本気で挑戦した鈴鹿サーキット近くの小さな自営のレストラン兼パン屋さん。
 日本レストランは、もともと国鉄の食堂車の運営をしていたところだが、JRになってから、J-Dinerに押しまくられている。ヒットできるかな。
 京都の 寺町店 もできた。
ここはフランス大使館も全面的に応援。シラク大統領も訪問している。このチェーンが大きくなったら、ドミニクさんはレジョン・ドヌール勲章は確実ですね。えっ。もうシュバリエをもらったんですか。なるほどね。

14. 木村屋総本店(銀座)
 銀座に行くと、ここで黒豆あんぱんを買う。クランベリーをつかったパンもなかなかである。
 3階のグリルでは、三越前の夜景をながめながら、ビーフ・ストロガノフと、パンの食べ放題が楽しめる。

15. パンヤ・デ・プレ
 アパレルのトゥモローランドがプロデュースした新業態。
うーん。コムサ・カフェの向こうを張ったか。
 まだ自由が丘の一店のみだが、さて成長株になるかどうか。今は生みの苦しみだね。

番外★ Johan・ジョアン
 ここはもともと三越とDONQが提携した店だった。しかし、バターがきつかったり、砂糖かけてごまかしたり、DONQ風の関西味が閣下は気に入らなかった。
 三越も相当に考えて、フランス人の職人を招いたが、何人かが日本女性と結婚して、東京に帰化してしまった。これで相当に味が改善された。今は完全にフランス・レシピでやっていて、DONQから卒業した感じだな。
 パリ本店のローラン・ジョアンは、創業者のジョアンさんが死亡して、すでに閉店しているが、それでもParisのラベルは変更しない。これはよくないよ。パリに実在しない店の看板なんて、セシル・マクビーParisみたいなものじゃんか。


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