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人生乾杯 マイナスからの出発 「やっぱり人生楽しみ隊」
音楽の話 編
「演奏で伝えたいこと」
もうすぐ、クリスマス演奏会。ピアノを弾きます。
今まで何度か人前で弾くことがありましたが、その度に、私は生まれて始めて人前で演奏を
披露したときのことを思いだします。
今回も、あの時の演奏が終わったあとの、なんともいえない爽快感と、今まで味わったことのない
大きな大きな達成感がよみがえってきました。
私にもできるんだという、口では言い表せない嬉しさ。怖いくらいの緊張感。etc
いろいろな思いがよみがえってきました。
実はその発表会は大手音楽教室に通いはじめて3ヶ月の無謀な参加でした。
怖いもの知らずというか、発表会というものを経験したこともなく、見たこともなかったので、
「出る」なんて言えたんでしょうね。
「出てみる?」と言われた先生ご自身が一番あせるというか、びっくりしていたようです。
まさか、参加すると思わなかったみたいです。
出るとは言ったものの、実際、仕上げるのに苦労しました。
ピアノを始めてわずか3ヶ月ですから。できるわけがないですものねえ。
前日まで、うまく弾けなかったらどうしよう、失敗したらどうしよう、
曲をアレンジしてくれた友人が聴きにくるし、うまく弾けなかったら悪いなあと、そんなことばかり考えていました。
そのことを、知人に話したら、「うまく弾こうなんて思わなくていいじゃない、
その曲を編曲してくれた友人に気持ちをこめて弾いてごらん。結果”や“出来”はともかく、
一生懸命な気持ちを伝えなよ」と言われました。
そうだなと思って、半分開き直りの気持ちもありましたが、
「曲を贈ってくれてありがとう一生懸命弾くよ。」と心を込めて弾きました。
何ヶ所か、ミスタッチはあり、その点ではとても悔しい思いは残りましたが、
気持ちとしては、先に書いたような感じが残りました。
あとから、聴きにきてくれた友人にお礼のメールをだすと、こんな返事がかえってきました。
普段は自分の感情を、ほとんど言ってこない人なんですが、
「とてもよかったですよ(^ー^)とても3ヶ月とは思えないほどの演奏でした。
なにか見てると羨ましいかぎりでしたよ。
間違えても一生懸命さが、わかって。
音楽を楽しんでるんだなぁ~、とわかる演奏でした。なんだか、とっても感動してしまいました」
とっても、とっても嬉しい言葉でした。
気持ちをこめた演奏が人に伝わったんだなあと思うと、プロのピアニストに、
うらやましいなんて言ってもらえるなんて、
こんな嬉しいことはありませんでした。
この時私はピアノを続けていくうえで、大きな糧を得ました。
無謀な形で発表会にでたことは、これからピアノをするうえで、
技術的な面で役立ったのかどうかはもちろん疑問です。
でも、一生懸命すれば、必ずそれは演奏に反映され聴いている人に
伝わるんだということがわかりました。
そういう面では、とても、いい経験でした。
技術的には、とんでもない演奏だったでしょう。
もちろん一生懸命さだけではピアノは弾けません。
だからこそ今私はレッスンを受けているのですが。
私がレッスン受けるうえでの私の望んでいることは「音を楽しむこと」
なのに先にも書いたように私は苦手意識に支配され、楽器や歌は絶対できないと思っていました。
私にとっては音楽は音苦、そのものでした。
でも、あることがきっかけでピアノを習い始めて、「あっ、私にも少しはできるようになるかな」と
やっと、ほんのちょっとだけ思いだしたところです。
音楽って楽しいと、せっかく思い始めた小さな芽を摘みたくないなと・・・、
だから、楽しんでやりたい。
だけど、楽しんでやるにしても、ある程度の基礎はしたい。
たとえば趣味でスポーツをやるにしても、それなりのルールを勉強し基礎練習を
つまなくては上手になりません。ピアノもそうだと、私は思っています。
私は自力で音楽を楽しんでいけるような基礎テクニックと底力をつけたいのです。
そして、私は音を通じて大切なものが伝えたいのです。
Re:演奏で伝えたいこと(12/13) by Lさん
うちの教室でも昨日発表会でした。
大人の生徒さんもちっちゃな子に混じって出られました。
一生懸命にピアノに向かう姿勢に、会場中あたたかな空気が流れました。
人生乾杯さんもこれから先、ピアノとなが~いお付き合いをしていってあげてくださいね。
聴く人に少しだけでも自分の幸せを伝えられるような…!
わたしもそんな演奏できたらなあと思います。
2005年01月18日
「ピアニストの気持ち」
先日、私の好きなピアニストの演奏を聴きに行ってきた。彼女は、一月に1回位、私の自宅の近くの
ショッピングセンターでいわゆるサロンコンサートを行なっている。
ここで演奏を聴いたのがきっかけで彼女の演奏に魅せられたのだが。
毎回、演奏を聴くと伝わるものがあり、とても爽やかな気持ちになって帰ってくる。時には感動もし。
だから、このひと時を私はとても大切に楽しみにしている。
最近では、演奏が終わると近くの喫茶店で彼女とお茶を飲むのが恒例となっている。
先日も恒例のお茶のみをし、その日の感想を話したりした。
ひとしきり雑談が終わったあと、演奏の感想を伝えた。
実は、この感想を伝えようかどうしようか迷っていたのだが。
というのは、その日の演奏は私が今まで聴いた彼女の演奏の中で
一番つまらないものだったのだ。特に伝わるものがなく、終わったあとも
「あ~、終わった」という気の抜けた感じだった。
で、ついに私は彼女に言ってしまった。
「今日の演奏のっていた? いつもと違わない?」
彼女は一瞬、沈黙したあと
「わかった? やっぱりわかるのね。やっぱり伝わってなかったかあ。
たぶんだけど、今日は、のる、のらないというより、自分の世界に入り過ぎて、
ぐいぐい押していたから、お客さんが引いてしまったのかもしれない。
ああ、今日はお客さんに伝わってないのかなとはなんとなく感じていた」
私「お客さんのっていないなとか、伝わっていない時って演奏をしていてわかるの?」
彼女「わかるよ、もちろん。でも、わかってもどうしようもない時ってあるんだよね。
それと伝わってないんじゃないかと思っても確かめるすべのない時が多い。
今日みたいにストレートに言ってもらえると、すごく嬉しい。
言われた瞬間は、おっと来たか、と思って、一瞬引いてしまったけどね」
私に返した返答の何倍も色々なことを考えているだろうが、
ちょっとだけ、ピアニストの気持ちがわかったような気がした。
迷ったけど、感想を言ってよかったと思っている。
これが、これからの彼女の演奏にいい影響を与えてくれればそれにこしたことはない。
そうすれば私だって、またいい演奏が聴けますから。
Re:ピアニストの気持ち by あるプロピアニストさん
今日の日記を読ませていただき・・・すごく共感いたしました。
好きなピアニストの演奏を何度も聴いていると、その方の心情などすべて分かってしまうみたいです。
そういう感覚をお持のかたがファンだと、ピアニストにとっては何よりも嬉しいことだと思います。
自分が駄目だと思っていたときに同じ反応だと、残念は残念ですが、
感覚がお客様と一致していたんだとわかり、今後の励みにもなりますが・・
逆の場合、全然伝わらなかったと思っていたときに・・・「感動した・・こういう演奏好きだわ!」と
言われると・・・複雑な嬉しさがこみ上げてきます。結果はどうであれ・・
演奏者と観客が同じ気持ちだと言うことは、とても素敵な事なんだと思います。
Re:ピアニストの気持ち by Lさん
ピアノに限らず、何でも「表現」には主観と客観が入り交じって、何をどう伝えたくて、
どう受けとめるかというのはとても難しいと思います。
ひとりよがりな表現で受け入れられないとき、あるいは迎合だけして中身がないとき、
深く考えれば考えるほどわからなくなりそうです。
でもそうやって一緒に考えていける演奏者と聴衆の関係ってすばらしいですね。
Re[1]:ピアニストの気持ち by 人生乾杯
あるプロピアニストさん
>今日の日記を読ませていただき・・・すごく共感いたしました。
>好きなピアニストの演奏を何度も聴いていると、その方の心情などすべて分かってしまうみたいです。
>演奏者と観客が同じ気持ちだと言うことは、とても素敵な事なんだと思います。
これは不思議な感覚ですね。技術どうこうというより理屈ではなく、それこそ感覚で
心情を感じとれるといったほうがいいのでしょうか。
共感していただいて、すごく嬉しいです。
Re[1]:ピアニストの気持ち by 人生乾杯
>ピアノに限らず、何でも「表現」には主観と客観が入り交じって、何をどう伝えたくて、
どう受けとめるかというのはとても難しいと思います。
たしかに。難しいことだと思います。
こうだと思って発信したことが、まったく違う受信のされ方をしたり、はたまた伝わらないだろうなと思ったことが、
しっかり伝わっていたり・・・。 でも、そういったことが、おもしろいのかもしれませんね。
2005年02月15日
「演奏家と主催者の立場」
今、来週と4月、7月に演奏会をかかえていて、その準備や打合せにと時間をとっています。
今回の場合も企画、構成は私が中心でするんですが曲選びは難しいですねえ。
演奏会をやると決め、こういう演奏会にしようとある程度、構想を練ります。
もちろん毎回のコンセプトがありますので。
それで、演奏者にお願いするのですが。その時に「こういう主旨でやります。
こういうテーマでお願いします。こういった感じの楽曲を選んでください。
その範囲内なら、あとは、自由に選んでいただいていいです」とか、こういって依頼をし、
演奏者が納得がいったら出演をしていただきます。
あとから、そんな主旨いやだ~、と言われても困りますから。
それにもかかわらず選曲の時点で、どうも演奏者が「弾きたい聴かせたい曲」ばかりを持ってくる時があります。
それで主催・企画者が「弾いて欲しい曲」「こんなふうにしたいなと思っている演奏会」との距離が中々、縮まらない時があります。
もちろん、「弾きたい聴かせたい」という気持ちもわかります。
でも演奏者が「弾きたい聴かせたい曲」が必ずしも、聴衆が聴きたい曲ばかりではありません。
プログラム構成の時にそのバランスをどうとるかホント難しいですねえ。
「出演料を払って雇っているのは私だし、客を集めるのも私なんだから、こちらの言うこと聞いて、
最低限この曲とこの曲は演奏してよ」な~んて言ってしまえば話は早いのですが、
決してそんなものではありませんしね。
いい演奏をしてもらうためにも演奏者のモチベーションを上げられるように配慮しなければいけませんから。
この仕事、やればやるほど難しいです。奥が深い。
演奏者も企画者も聴衆も生きてますから、生き物相手の仕事は難しいですよ。
そして、最大の主役である、楽曲そのものが生き物ですから。
2005年05月31日
「恐怖の譜めくりデビュー」
数年前、ピアノを習い始めて一ヶ月もたたない頃。
もちろん、その時期は自慢じゃないが楽譜なんて読めるわけがない。
仕事で講演会の企画・主催にかかわり私がステマネをやっていた。
講演のアトラクションとしてピアノとフルートの演奏があり、事前の打合せの時、ピアニストから譜めくりをしてくれる人を
決めてくれと依頼があった。
周りにピアノ経験者は…? いない!
音楽や楽譜のことが少しはわかる人は…人は~? いない!
う~、いない!!
結局、「おまえ、やれ。 ピアノ習ってるって言ってたじゃないか」
「ピアノ習ってるっていったって!! でも…
習って一ヶ月だし。音符も読めないのに」と心でつぶやく。
絶対に誰かいるから、私はやらずにすむだろうなんて思ってたら、結局、私以外、見事に誰もいない状況。なんちゅうこっちゃ。
ピアニストの「合図するから大丈夫ですよ」という言葉を信じて人生初の譜めくりを引き受けることになりました。が…。
これを「怖いもの知らず」って言うのですね。
ここからが恐怖の始まりです。
心配なので事前に楽譜をお願いしました。
その楽譜を受け取った時の私の驚きと緊張。
全然、どんな音楽かわからない。楽譜が読めない。
普通、音符を読むと曲が浮かんでくるのでしょうが、楽譜が読めないんだから、そんなことが浮かんでくるわけがない。
「どうしよう!! どうすんだい!!」
でも、引き受けちゃったし「え~い、なんとかなるさ」と結局いつもの楽観主義。
でも本番までには万全を期しておかなくちゃ、とそのころ、習っていたピアノの先生に曲を弾いてもらってリハーサルをした。
今の先生だったら、どう考えてもピアニストに迷惑をかけるから即座に「断って来い」と怒られるところだろうが。
でも、楽譜をみていても、ほとんど音符が読めないわけだから譜めくりのタイミングなんか掴めるわけがない。どこやってるかさえわからない。
楽譜から落ちる以前の問題だった。
困ったのは先生だった。
もう、しょうがないから音で覚えるしかないということになった。
ちょうど、めくるタイミングのところの管のメロディに特徴があったのでそれでタイミングをはかることにした。
今、考えればすごい綱渡り、怖いもの知らず、無茶苦茶。
あとは、当日まで音符を読んで、少しでも目で追えるようにしておくこと。
信じられないでしょうが、ホントにピアノを習う前は楽譜読めなかったんです。
さあ、いよいよ本番の日がやってきました。
リハの時、実際に譜めくりをしてみました。
もう舞台での緊張は半端じゃなかった。
それが、終わるまでは自分の仕事も、そっちのけでしたよ。
そのころには、なんとか音符を読めるようになっていたのですが、もう、舞台の上では真っ白!!
でも覚えた管楽器の音を聴いて楽譜も見て。
必死に楽譜から落ちないようにしがみついてました。
親切なピアニストの指示もあり、なんとか無事に終えたが、もう冷や汗たらたら。
譜めくりのタイミングは難しい。
譜めくりって演奏するより緊張。
今のわたしだったら、絶対に引き受けないでしょう。
怖いもの知らずだからできたのでしょう。
責任重大だし。絶対やりたくないな、やっぱり。
いい経験にはなりましたがね。
後日、講演を聴きにきた知人に「人生乾杯さんはピアノも弾けるんですね。
譜めくりは音符が読めてピアノが弾けないとできないでしょ」私は返す言葉がなかった。
私も恐怖の「譜めくりデビュー」だったけど、ピアニストがこんな状態を知ったら私より恐怖を覚えたかも。
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