かんぽうで子育て

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ところてん・寒天



この白い乾物に「寒天」と名付けたのは隠元和尚といわれ、寒い日に天、つまり自然が作らしめるという意味を込めたものであるようです。

今や、みつ豆やところてんなどの冷菓としておなじみの寒天ですが、純粋なものは菌を植える培養基として用いられるなど、現代バイオテクノロジーに欠かせないものとなっています。

寒天は、「食物繊維の王様」とも呼ばれ、昔から親しまれてきた食品の一つです。50年ほど前までは子供が便秘になると、寒天やところてんを食べさせたと言われています。
また、寒天はアメリカの食品医薬品局(FDA)によって「一般容認安全性食品」に認定されており、日本でも同様の適応を受けています。


*「寒天」と「ところてん」は同じもの?
寒天はテングサやオゴノリといった海草を原料とした植物性食品です。長時間かけて海草を煮出し、抽出された「寒天液」を冷却してまず「ところてん」を作ります。さらにこれを圧搾(あっさく)脱水もしくは凍結脱水することにより水分を取り除き、乾燥させたものが寒天です。

つまり、ところてんと寒天は元は同じもの。ところてんの水分を取り除いたものが寒天と呼ばれているのです。凍結させて水分を取り除くため、温暖の差が激しい気候である信州(長野)が寒天の本場と言われており、消費量も長野県がナンバー1です。

*寒天の効果*
寒天はそのほとんどが食物繊維で、100g中80.9gとあらゆる食品のなかで食物繊維を一番多く含んでいます。またカロリーはゼロなのでダイエットに最適です。他にも以下のような効果が認められています。
乾燥重量100g中80・9gの食物繊維を含む寒天の働きは、以前から高く評価され、健康食品とされています。
腸の中でコレステロールの吸収を阻害する機能があり、100g当たり7キロカロリーとローカロリーなので、肥満者対策食品としても人気があります。


・便秘の改善
体内を通過するときに、腸に溜まった老廃物やコレステロール、塩分などの余分なものを包み込んで体外へ押し出し、体の中をきれいにしてくれます。また、大腸の粘膜を強くしたり、腸の健康を守る善玉菌を増やす効果もあります。
寒天の主成分はアガロースと呼ばれる多糖類で、加水分解すると「アガロオリゴ糖」が得られますが、加水分解は胃酸によって胃の中でも行われています。
寒天には、便秘改善、腸内でコレステロールの吸収を妨げるダイオキシン等の有害物質を体内から排除するなど、様々な食効が確認されています。
札幌医科大学によって調査され、便秘を自覚する女子大生に毎日2gの寒天を摂取させたところ、2週間後に75%の学生の便秘がなくなったと報告されています。現在では寒天は、日本のみならず欧米でもノンカロリーの美容食・健康食として注目を集めるようになりました。

・ガン抑制、抗酸化作用
寒天は、主に「アガロース」と呼ばれる多糖類からなっています。 このアガロースが1~3個繁がったアガロオリゴ糖に、強いガン抑制作用や抗酸化作用があることが日本ガン学会で発表されました。この発見をしたのは、バイオ技術では日本有数の宝酒造株式会社です。
さらに最近、アガロオリゴ糖にガン抑制作用と抗酸化作用という2つの生理機能が発見されています。実験では、ガン細胞を持つマウスに3%の寒天オリゴ糖を4週間与えると、20%のマウスのガン細胞が自滅し、残りのマウスの腫瘍の犬きさが約60%小さくなったとされ、細胞の培養実験でも、大腸ガンは24時間、胃ガンでは48時間で自滅したと報告されています。

・リュウマチ予防
アガロオリゴ糖が関節リューマチなどの炎症性疾患の予防と治療に効果があることを宝酒造が発見し、発表しました。

・高血圧症予防
海藻の繊維質に含まれるアルギン酸が過剰なナトリウムを均等に保つ動きをし、またカリウムの吸収を助けます。

・動脈硬化予防、改善
血中のコレステロールが高くなるのを押さえます。また血糖値を抑えるので糖尿病の方の食事にもおすすめです。

・骨粗しょう症予防、改善
ノンカロリーなのにミネラル(カルシウム)も多く含んでいるので骨を丈夫にします。

驚異の寒天パワー



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