犬も歩けば地雷を踏む@雅没徒始原本家07

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J-POP勃興期

J-POP勃興期

1974年以降になるとこっちも20代になるわけで行動範囲も広がり経済力も多少はでてくるんだけど

それでも当時のアルバムは2800円、まだラーメンが100円前後、200円あれば学食でステーキが食えたことを

思うとやっぱり高い。レンタルなんてない時代だから頼りはFMのエアチェックということになる

1974年のオリコンチャートを見ると 演歌・歌謡曲が強いように見えるが、

上にも書いたように高校生や大学生が気楽にレコードを買える時代にはまだなっていない。

深夜放送やFM放送では四畳半フォークや抒情派フォークが大人気だった。

赤ちょうちん かぐや姫  1月10日発売 年間32位

かぐや姫 は 南こうせつ 伊勢正三 山田パンダ の男性三人組

4thアルバム 三階建の詩  には   22歳の別れ   なごり雪  も含まれていた

精霊流し グレープ  4月25日発売 年間13位

グレープは さだまさし と 吉田正美 の男性二人組

このあとの  追伸  や  ほおずき  も名曲だった

岬めぐり 山本コータローとウィークエンド  6月1日発売 年間17位

もかなり売れたし チャートでは目立たないが  NSP  も人気があった

1975年になると フォーク という範疇におさまらない いわゆる ニューミュージック と呼ばれるものが登場する

港のヨーコヨコハマヨコスカ ダウンタウンブギウギバンド  4月20日発売 年間5位

歌謡曲とフォーク中心のヒットチャートに突然異色の音楽が登場した。

これ以後 宇崎竜童は70年代後半の主役になっていく

フォークで人気のあった かぐや姫 は解散し メンバーの1人伊勢正三が

猫 の大久保と組んだユニットで かぐや姫の  22歳の別れ  を

セルフカバーでしてデビューしたところいきなり大ヒット 年間7位

小椋佳の  シクラメンのかほり  を歌った 布施明 がレコード大賞 年間2位

全体にジャンルや畑の境界がなくなってきたのがこのころからだったように思う

演歌では さくらと一郎 の  昭和枯れすすき  年間1位

フォークでは  小坂恭子 の 想い出まくら  年間3位
(FORKSONG3で2002年に中澤裕子がカバーしライブでも歌った)

男性アイドルでは  沢田研二 の時の過ぎゆくままに  年間4位

女性アイドルでは  岩崎宏美 の ロマンス  年間6位

個性的なヒット曲が多い年だった。あとアーティスト名だけ紹介すると

かまやつひろし、イルカ、バンバン、クラフト、しまざき由理、増沢末夫、坂上二郎

など個性派がとにかく目立つ。

アルバムでは  河島英五とホモサピエンス の1st  人類

がすごい。このなかの  てんびんばかり  は8分以上の大作で

吉田拓郎のイメージの詩 をおもわせる 説得力のある そして 重い名曲

シングルでもでたけど B面の  酒と泪と男と女  のほうが有名になってしまった。

てんびんばかり は 現在 CDには 短くなった 世紀末ヴァージョン が収録されているようだ。

B面ラストの  さよなら  もすごいが この曲は 

あのねのねビューティフルオンステージ に収録されたライブのほうが迫力がある。

1976年にはオリコン史上まだ破られていない記録が・・・・

すでにいろんなところで書かれてるけど

およげ!たいやきくん 子門真人   年間1位 の記録は破られていない。

ただ純粋に音楽的な評価をするならたいした曲ではない。(だんごよりはましだが)

2位は洋楽 3位は演歌 4位はフォーク歌謡 5位はグロ演歌

音楽は60年代の頃に後退してしまったかのようなチャート内容だが

このころから使わっるようになった言葉が

ニューミュージック

不思議な言葉だ ニュー といったっていずれ古くなるんだから

どうしてこういう言葉を使うんだろう

ニューロック ニューフォーク ニューファミリーに新人類・・・

まあ 歌謡曲 という言葉が メッチャ ダサい時代だったから

そんな中で光ったのは 中島みゆき の

1stアルバム  私の声が聞こえますか  と

2ndアルバム  みんな去ってしまった

この2枚は陽水の初期の3枚と並ぶ名作アルバムだと思う。

NSP の 7th シャツのほころび涙のかけら

大塚博堂の1st  ダスティンホフマンになれなかったよ

など 拓郎や陽水がいいアルバムを作れなくなってきていただけに新旧交代を感じさせた

(大塚博堂はこのとき32歳でデビューしたわけだが、

7枚のアルバムを世に出し、3年後に脳出血で死亡する)

もう1つ きくち寛 の1st  遠まわり  も隠れた名作

ホンキートンクピアノ 日陰の花 三下り半  といった名曲がいっぱい。

逆に 期待はずれだったのが  井上陽水 の  招待状のないショウ

陽水はポリドール時代に多賀プロデューサーと組んで4枚のアルバムを出したが

自分でレコード会社をつくりセルフプロデュースをすると わがままが通ってしまうので

いい作品は生まれなくなるのではないだろうか 拓郎も同じことだが

かわって脚光を浴びてきたのが 東大卒の第1勧銀社員 小椋佳 で

布施明 にかいた シクラメンのかほり がレコード大賞となり

 夢追い人  道草   などの名作を出す

河島英五 の2nd  運命  は前作を 越えていないがいい曲は多い

1977年

アルバムから紹介しよう。

大塚博堂の2nd  過ぎ去りし想い出は   前作ほどのインパクトはないが

基本路線は同じで せつない系の男性ボーカルとして貴重な存在

河島英五の3rd  信望

中島みゆきの3rd  あ・り・が・と・う

 いずれも期待を裏切らない内容だった。

逆にシングルは惨憺たる状況で、いわゆる歌謡曲との融合が進んだだけでなく

視覚的要素がセールスの第1条件になってしまった。

1978年

年間売上の上位3曲が ピンクレディ というとんでもない年。そして4位が

堀内孝雄 の 君のひとみは10000ボルト

ふつうなら  君の ひとみは  10000  ボルト と切るところを

きみのひ  とみはい  ちまんぼ  ると

と切って 強烈なインパクトを出している。

(このテクニック 今では あたりまえになっているけど 作曲をする人は意識してやるのもいい)

23位には あの サザンオールスターズ の  勝手にシンドバッド  がある。

このころから 歌詞を大切にして曲を作る という考え方から

曲やサウンドをもとに歌詞を考える という考え方に変わっていくような気がする。

アリスの堀内 サザンの桑田 20年以上たった今でも現役だし・・・・

アルバムでは

アリス6   と  アリス7  がともに素晴らしく

6の  砂塵の彼方  や 7の  チャンピオン  は屈指の名曲だろう

1979年はやけに演歌の強い年だったが 

6位に  ゴダイゴ の ガンダーラ

8位に   アリス の チャンピオン

11位に  サザンオールスターズ の いとしのエリー

など今でもカラオケでよく歌われる名曲が多い。

そのほか70年代後半には個性的なスタンスで独自の音楽を書き続けた

アーティストも多い

荒井由実(松任谷由実) 五輪真弓  りりぃ  高木麻早

丸山圭子  渡辺真知子  庄野真代  八神純子

などの女性シンガーソングライターは今でもよく耳にするが

とりわけ印象深かったのは  谷山浩子

で   窓  忘れられた部屋で   などは知られざる名曲である



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