こがめの目

●先生の足跡

　　１）先生になるまで

　　　　　日本語教師への道はいろいろあります。
　　　　　ちびは、大学の副専攻で2年間勉強しながら、養成講座に
　　　　　2年間通いました。
　　　　　大学と養成講座とどちらが役に立ちますか？ってよく聞かれます
　　　　　その学校の方針や、やり方にもよるのですが、
　　　　　ちびの答えは
　　　　　「どっちも同じかな？」です。

　　　　　だって、現場に出たらわからないことがたっくさんありすぎて、
　　　　　学校相手に裁判起こしたくなるくらいだったんですから！！

　　　　　一番役に立ったこと？
　　　　　学生時代ずっと続けた「日本語ボランティア」かしら・・・

　　　　　そこでは、日本語学校の学生さんを始め、
　　　　　不法で正規の学校へ通えない人、時間を持てあましてる奥様、
　　　　　恋人・友達を探してる人、
　　　　　いろんな人とお話していました。

　　　　　そこで聞いた「嫌がられる先生とは？」
　　　　　「不法滞在者の苦悩」「日本を好きになれない理由」
　　　　　「口説き文句」・・
　　　　　などなどは今でも思い出します。
　　　　　精神的なこと、そのサポートの必要性がすっごくわかったんえｄす。
　　２）先生誕生

　　　　　今でこそ、「あなたは～」と呼ばれると
　　　　　「はっ？！あなたって誰？」
　　　　　と、「先生」とちゃんと呼んでもらうようにしていますが、
　　　　　最初の頃は「先生」と呼ばれるのがこっぱずかしくて、
　　　　　たまりませんでした。

　　　　　とにかく手探り状態で始まった日本語教師。

　　　　　最初に入った学校が規模の小さい、学校として成り立って
　　　　　いないような学校だったもんだから、さぁ大変。

　　　　　先輩に聞きたいことも聞けない。（というか先輩がいない）

　　　　　待遇も激悪！
　　　　　　（未経験者ということで、足元見られまくりました）

　　　　　学生も「悪」じゃないけど、ちょっとお育ちが良くない方々。

　　　　　教室では、小さい中華人民共和国ができていました・・・

　　　　　足を広げて座るかわいい女の子たち。
　　　　　休み時間に（男子学生がいる前で）ワキ毛をそり始めた時には、
　　　　　こんなことを注意するのも日本語教師の仕事なんかい？
　　　　　なんて切なくなってしまいました。

　　　　　＊でも、今思うとこのこじんまりとした学校の学生たちとの
　　　　　　結びつきは強かったです。
　　　　　　「先生の家はどこですか？」と聞かれ、
　　　　　　素直に教えたら次の週には引越ししてきたり。。。

　　　　　　水商売の仕事を辞めたいけど、店長が辞めさせてくれない、
　　　　　　と言うので、乗り込みに行ったり・・・

　　３）マレーシアで日本語教師

　　　　　日本の日本語学校でくたびれ果ててしまったちび。
　　　　　今思うと、自分の力や気の使い方をコントロールできなかった
　　　　　んです。
　　　　　かわいそうなことに、「手を抜く」ということも知らなかった。
　　　　　（今は上手ですよ＾＾）

　　　　　「日本語教師向いてないかも・・・」
　　　　　と思い悩み、
　　　　　「一度環境を変えてみよう。そこで同じことを思ったら
　　　　　もう辞めちゃえ～！」
　　　　　ってことで、知人の紹介でマレーシアの日本語学校へ。

　　　　　首都のクアラルンプールにあるマレーシアで一番大きいという
　　　　　語学学校。
　　　　　ネイティブが教えるのがウリで、日本人の先生が15人くらい
　　　　　教えていました。

　　　　　そこでちびは悟りました。

　　　　　「・・・先生っておいしい仕事だ」

　　　　　先生を大切にしてくれるアジアの国へ行ったからでしょうか。
　　　　　マレーシア人が外国からの訪問者を歓迎してくれる国民性だから
　　　　　でしょうか。
　　　　　・・・・至れりつくせりでした。
　　　　　やっぱり生活の心配がない分、
　　　　　日本語の勉強を純粋に楽しむ余裕があります。

　　　　　マレーシアの生活については、『ちびがゆく』で書くとして、
　　　　　ここでは「楽しく日本語を教える」ことに重きを置くことが
　　　　　できました。

　　　　　日本の学生との大きい違い。
　　　　　それは、学生の「生活指導」「進学指導（無理にでも入れる）」　　　　　がないこと。
　　　　　日本では「叱ること」も仕事だったけれど、
　　　　　マレーシアではそんな必要がなくなったこと。

　　　　　ちょっと物足りないかな？とか思った時もありましたが、
　　　　　やっと自分自身楽しみながら教えることができたのです。

　　４）帰国後大きめの学校での専任講師

　　　　　1年間のマレーシアの後、本当はタイの大学で教えるはずだった
　　　　　のですが、家庭の事情で帰国。
　　　　　韓国人と中国人メインの400人以上の学生のいる学校へ。
　　　　　そして、あれよあれよという間に専任になりました。

　　　　　この学校の先生方はみんなアイディア豊富な先生方で、
　　　　　おまけに「ＬＬ教室」なんて粋なものまであり、
　　　　　勉強になりました。　　　
　　　　　先生たちと勉強会などもしたし、教材作りもしたし。
　　　　　（この教材、マジで売れるよね。なんてよく話しています）

　　　　　規模の大きい学校だと刺激になります。
　　　　　でも、この学校では学生への指導よりも、
　　　　　先生たちをまとめることの難しさを実感。
　　　　　・・・いやぁ先生って、やっぱり先生ね。
　　　　　自分を持っているというか、
　　　　　なんというか強い。
　　　　　こっちから指示を出す場合、しっかり理由が説明できなくちゃ
　　　　　聞いてもらえない。

　　　　　そうそう。ここで初めて模擬授業を見学する立場になりました。
　　　　　う～ん、凝り固まったちびとは違って皆様、
　　　　　面白い発想しなさる。そんな例文もありよね～、
　　　　　とこれまた勉強になりました。
　　　　　（中には“反面教師”的な人ももちろんいましたが、
　　　　　　うっかりすると自分も陥りそうなことなので、これまた勉強）

　　　　　だんだん強くなり、先生方に対してもハッタリがきくように
　　　　　なったのですが、学校の方向性にどうしても納得ができず、
　　　　　新天地を求めて再出発！！

　　５）モンゴルっ子学校

　　　　　ここは、新規校でスタッフはみんな初めまして。
　　　　　「ゼロから学校作りに参加するのも楽しそう」

　　　　　校則や、授業時間などを教務・事務と一緒に
　　　　　決めることから始まりました。

　　　　　同じ気持ちでスタートし、絶対いい学校を作るぞ！！
　　　　　と頑張っていたのですが・・・・

　　　　　その後のことは日記にこちゃこちゃ書いてあります。
　　　　　教務側と事務側の考え方の違い。
　　　　　当然といえば当然なのですが、説得し切れなかった自分に
　　　　　腹が立ちまくりました。

　　　６）おっきめの学校

　　　　　初めての多国籍学校。
　　　　　担任を持たせてもらったクラスは、11カ国から来ている学生さんが
　　　　　集合していました。
　　　　　進学校のため、かなり詰め込み無理をさせた感がありますが、
　　　　　みんな仲良く一緒にがんばってくれました。
　　　　　問題児ももちろんいましたが、
　　　　　闘わなくちゃいけないのは、先生の宿命。
　　　　　この学校でも、結構「熱い先生」として過ごしました。

　　　　　日本へ来ても、辛いことがいっぱい待っている。
　　　　　それでも日本へ来てくれた学生さんたちに、
　　　　　感謝の気持ちを持って、
　　　　　私たちは何ができるのかな？といつも考えていました。

　　　７）二度目のマレーシア
　　　　　また戻ってきました。マレーシアの語学学校。
　　　　　日記にも書きましたが、日本語教師を続けることを前提に、
　　　　　もうちょっと新しいことにチャレンジしてみたくなったのです。
　　　　　そんな時に、友人が学校を立ち上げていて、
　　　　　その考え方・やり方に共感してまた来ちゃいました。

　　　　　今は、学校内でプライベートレッスン・グループレッスン、
　　　　　そして日系企業に派遣されて教えています。
　　　　　学習者のお年の頃は、下は7歳から、上は・・？何歳だ？
　　　　　よくわかりませんが、いろいろなタイプの学生さんを持たせてもら　　　　　っています。

　　　　　今後はレストランとかホテルにも教えに行きたいな、っていろいろ
　　　　　構想はあります。さっさと実行できたらいいのですけどね。

　　　　　マレーシアでの私の仕事は・・・
　　　　　学生さんを楽しませて満足感をあげること、と思っています。
　　　　　進学や仕事のため、っていう人はほとんどいません。
　　　　　「興味があるから」といって始めてくれる人を
　　　　　がっかりさせないクラスをしなきゃな、って思います。

　　　　　あ、あと最近、すっごく偉そうに
　　　　　先生たちのお勉強会を仕切らせてもらっています。
　　　　　実はすっごいやだ。
　　　　　自分がいかに今までいい加減にやってきたのかを見せてるようで、
　　　　　あせります。
　　　　　でも、これまたいい経験なのかもしれません。
　　　　　まったりとしているマレーシアで、たまにはこんな刺激も
　　　　　必要なのかもしれませぬ。

さぁて、まだまだ行くぞ。
ちびの教師活動。
皆さんもどうぞ今後ともお付き合いくださいね。

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