ラッコの映画生活

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2008.02.14
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カテゴリ: フランス映画
PARIS, JE T'AIME

(所有DVD)

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前回 最初の3話について書いたので今回も次の3話を取り上げるつもりでしたが、少し長くなってしまったので、今回は第4話と第5話です。

第4話『チュイルリー』ジョエル&イーサン・コーエン(兄弟)監督
TUILERIES Joel & Ethan Coen


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『赤ちゃん泥棒』『バートン・フィンク』『ファーゴ』なんかで有名なアメリカの兄弟監督の作品ですね。と言っても自分はまだこの兄弟監督の作品は見たことはありません。アメリカ映画をあまり見ない自分です。この作品について言うと、ショートとしては良く出来ているけれど、描かれたパリには違和感を感じました。面白可笑しいショートにするためにそうなったのか。やはり外国人の見たパリなのか。それともパリを見る外国人のその見方を皮肉ったのか。舞台は地下鉄1号線チュイルリー駅のホーム。パリのメトロは便利。2つとか3つとかの路線が交差する乗換え駅はいつも乗降客が多いけれど、それ以外の駅は時間によって閑散としている。そんなチュイルリー駅のホーム、列車もいないので静かだが、ただ辻音楽家の奏する楽の音が響く。あのタイル張りで反響の多い構内で、でもとりたてて喧噪はないし、人の姿もまばら。やや暗いのと独特の臭い、寂しいような、ちょっと異空間に来たような、妙なメトロの味わいがあります。昔ならこの1号線(最初はこの路線だけ)は一等、二等車が緑と赤の旧車両ではなく薄い黄色と水色のゴムタイヤの新車両が、金属車輪とはちがった独特の音でホームに入ってきて、ドアを開けるプシューっていうエアの音が響いて、この状況ならば少ない何人かのお客さんが乗降して、ブザーが短く鳴って(これも昔ななかったような気も?)、ドアの閉まる音がして、発進してホームを去っていく。すると再び最初の静寂が戻ってくる。この感覚が、映画の音声の質を含めて、実にリアルに再現されていると感じました。

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そんな静かなチュイルリー駅のホームのベンチに一人の外国人観光客が座っている。ルーヴル美術館を見物してきたらしい。英語のガイドブックを開いて「パリは文化の街、美食の街、そして恋人たちの街」等と書かれているのを読んでいた彼がフと視線を本から上げると、線路を隔てた反対側のホームのベンチで愛し合うカップルが目にとまった。そしてその女と目と目が合ったとき、男は気付いて線路越しに文句をつけ始めた。日本的に言えば「ほら、何見てんだよ、もの欲しそうに人の女見てんじゃねぇよ!。」ってな感じ。言葉もわからず、慌てて観光客の男がガイドブックを見ると、メトロは便利だけれど、スリなどに注意することと、決して他人と目を合わさぬこと、と書かれている。巻末のフランス語会話集を見て、ホームの向こうで男が叫んでいる言葉を探すと(まあそんなのが日常フランス語会話集に出ているはずもないけれど)「Qu'est ce que tu regardes, connard?」=「What are you looking at, cunt(cunt person)?」とある・・・。いちおうストーリーのあるショートなので、この先のネタバレはしないでおきます。

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フランスの、パリの恋人たちっていうのは人前で平気でキスとかするし、抱き合ったりするけれど、彼ら内で閉じているんですね。アメリカは知らないけれど、日本のように周囲に妙に意識があったり、あるいはこれ見よがしに見せつけようというのは希薄。そんな意味で、子供を連れた母親も出てくるので、たぶんこれ昼下がりっていう時間の設定のような気がするのだけれど、そして最近は昔よりも人心が乱れているとは言っても、何かパリらしくない物語だと感じてしまいました。その母親が連れた小学生ぐらいの男の子の雰囲気もそうですね。

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だから、ショートとして見るにはなかなか面白いのだけれど、あまりパリを描いるとは言えない感じで、「パリ、ジュテーム」という全体にはそぐわない。ニューヨークでもロンドンでも、どこの地下鉄での物語にしても同じで、パリのメトロを描いてはいませんね。アメリカ人が自分の文化的発想で思いついたストーリーを、ただパリのメトロを舞台にして撮っただけです。


第5話『16区から遠く離れて』ウォルター・サレス&ダニエラ・トマス監督
LOIN DU 16E Walter Salles & Daniela Thomas


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この第5話は個人的にはいちばん好きな1編です。監督はブラジル出身の二人。他にも共同監督しているらしいですが、作品は見たことはありません。主演女優のカタリーナ・サンディノ・モレノは、監督のブラジルと同じ南米のコロンビア出身の人です。パリ郊外に住む貧しい移民の役で、子供にたぶん故郷の子守唄を歌ってやるのだけれど、その言葉がわからないので、何処人という設定なのかの特定は出来ませんでした。でも気持ちとしてはベトナムにしたいところです。何故ならこのショートのタイトル『16区から遠く離れて』(Loin du 16e)は、明らかに1967年の映画 『ベトナムから遠く離れて』(Loin du Vietnam) を文字っているからです。この映画は北爆も盛んであったベトナム戦争に関して、遠くベトナムから離れて(主に)パリからベトナム戦争を考えるというものだったわけです。ベトナムは旧フランス植民地であり、またベトナム戦争も米国がフランスから引き継いだものだし、南北問題というか西側先進国の資本主義構造の世界、反共という意味での米ソの対立等が背景にあって、単純に批判だけできるものでもなかった。

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(たかだか5分のショートですが以下ネタバレです。) まだ薄暗い早朝に目覚まし時計で、まだ眠い目を覚ましたアナは、生後間もない我が子を託児所に預け、バス・電車を乗り継いで郊外からパリ16区のベビーシッターの仕事へ向かう。託児所でベッドに寝かせたとき赤ん坊に泣かれ、アナは子守唄を歌ってやる。子供は泣き止んで彼女も託児所を後にするんですが、本当はそのまま子供のそばにいたいんですね。でも食べるためには仕事に行かなければならない。急いで、走って、向かうけれどそれでもやや遅刻。着いたところは木立のある街並も美しい16区高級住宅街のアパルトマン。彼女が建物に入るのは正門ではなく従業員口ですね( その辺の事情はここを参照 )。その彼女に(姿は見せない声だけですが)奥様に「今日はちょっと遅くなるけど、時間平気よね。」と一方的に言われてしまう。抗弁できる雰囲気ではないのだろうけれど、アナにとってはなによりも子供に会える時間が遅くなることなんですね。帰りが遅くなれば託児所から子供を引き取って翌朝はまた早いのだろうからすぐ寝るしかない。子供の世話を自分でする時間もないんですね。

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そんな彼女がする仕事は何か。それは他人の子供の世話を一日中すること。出かけていった帰りは遅くなるという奥様は、彼女には彼女の生活での用事があるのだろうけれど、きっと望めば1日自分の子供と一緒にいることもできるはず。出来てもそれをしない金持ちの奥様と、嫌でも生活のために自分の子供は預けて他人の子供の世話をしなければならないアナ。貧乏人(移民)は子供と過ごすことも出来ないということですね。託児所の人はアナの子の面倒を見、アナは奥様の子供の面倒を見る。貧富の差ということは別にしても、一つずつチェーンがズレて、みんな自分ではなく他人の子供の世話をして一緒にいるという社会のあり方の矛盾を指摘しているような感じもします。奥様がお出かけになってしまってアナが子供の部屋に行くと子供が泣き出す。すると彼女は朝自分の子供に歌ってやったのと同じ子守唄を歌ってやるんですが、他人の子ではあってもそこにはアナの優しい母性がある。決して自分の子供の代替物としての奥様の子供に優しいわけではないですね。もちろん歌いながら自分の子供に対する思いはあっても、やはり目の前の子供に対する優しさが美しいですね。そう解釈したいです。

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Last updated  2012.03.30 09:08:07
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