かすみ草 の原っぱ

 かすみ草 の原っぱ

地産地消の学校給食



子どもの給食をよくする会の総会に行ってきました。
始めあまり気乗りはしなかったんですが、生協から参加要請があって特に用事もない日だったのと、記念講演に惹かれて行ってきました。

総会自体は、去年の活動と決算と新年度役員の承認という、簡単なものでした。

学校給食に携わる栄養士さんの表には出ないご苦労の話も聞けました。すべての食材を完全加熱しなくちゃいけないとか、調理釜の数など、様々な制限の中で苦労して献立を考えてくださっているのだと感じました。

記念講演は高知県南国市教育委員会教育長の西脇芳郎氏による『教育としての学校給食 地産地消の学校給食』でした。

西脇さんは過去6年間かけて、学校給食に地元の棚田米を使うということに取り組んでこられ、今年度から完全米飯給食になったそうです。それまで、棚田を手放す方も多くおられたのに、学校給食で棚田で作った米をすべて買うことになってから、手放す方がいなくなったそうです。
ところが今まで週に何回かだった米飯を(それでもS市よりずっと多い)週5日にするとなったときに、農家の方から反対の声があがったそうです。なぜか?自分のところで食べる分の米がなくなるというのです。素人の私は、じゃあ足りない分は他から買えばいいじゃないか?と思いました。が、西脇さんは「ここで他の米を少しでもかうことになればいずれその割合がどんどん増えて、棚田は衰えてしまう。自分のところで食べる分をほかで買えばいいじゃないか。」と言い切ったそうです。
結局その意見を農家側も受け入れて、完全米飯給食(棚田米のみによる)が実現したんだそうです。

彼の姿勢で印象に残ったのは、学校給食のことだけを考えるのではなく、食教育→食農教育→食文化を作る、という大きな視野に立って進めていったということです。もちろん順調にいかない事のほうが多かったといいます。それでも、日本の米を、棚田を守らなくてはいけない、というこだわりを持ち続けていらっしゃいます。

もう一つ驚きは、その米を業者に任せて一括して炊いて運んでもらうのではなく、一クラスずつ1升炊きの電気釜で炊き、炊き立てご飯を出しているということです。初期投資(電気釜の購入から、多い学校では60個の電気釜で一度に炊くための電気工事など)はかなりかかったそうですが、業者への委託金がなくなったため、2年ほどで回収できたそうです。
また、炊き立てご飯は食欲をそそり、南国市の学校では食べ残しはほとんどないそうです。(これは意図していたわけではなかったそうです)

他にも田植えと稲刈りを4年生にさせて自分も一緒に植えるなどの取り組みもされているようです。

南国市の地元産の食材を使う割合は、季節などにもよるけれど30~80%だそうです。
今後の課題としては、規格外の野菜(曲がったきゅうりなど)をどれだけ給食に取り入れられるか、だそうです。ただ、これには現場の声として、手間が非常にかかる、仕事が増える、ただでさえパン食がなくなって学校でご飯を炊くようになり仕事が増えているのに、このご時世公務員の給料も下がっているのに、という声もあります。でも、学校給食だけでなく、日本の食文化を取り戻すために”あきらめない”と言っておられました。

最後に、やってきたこと、目指すものの根底には、"感謝の真情を育てること"があるんだといっておられました。
それは、今の大人社会が無くしてきてしまい、育てられていないことそのものだと。

給食だけでなく、現在自給率が40%という日本の食文化を改めて考えるいいきっかけになったと、感激して帰ってきました。
(まとめるのって、難しい・・・)




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