かすみ草 の原っぱ

 かすみ草 の原っぱ

足跡


私は、主とともに、なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでの私の人生が映し出されていた。
その光景にも、砂の上に二人の足跡が残されていた。
一つは私の足跡、もう一つは主の足跡であった。

これまでの人生の最後の光景が映し出された時、私は、砂の上の足跡に目を留めた。
そこには一つの足跡しかなかった。
私の人生で一番辛く悲しい時だった。

このことがいつもわたしの心を乱していたので、私はその悩みについて、主にお尋ねした。
「主よ。私があなたに従うと決心した時、あなたはすべての道において、私とともに歩み、私と語り合ってくださると約束されました。
それなのに、私の人生の一番辛い時、一人の足跡しかなかったのです。
一番あなたを必要とした時に、あなたが、なぜ、私を捨てられたのか、私にはわかりません。」

主は、ささやかれた。

「わたしの大切な子よ。
わたしは、あなたを愛している。
あなたを決して捨てたりはしない。
ましてや、苦しみや試みの時に。
足跡が一つだった時、私はあなたを背負って歩いていた。」

                      マリースティーブンソン


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