お茶かけごはん と ねこまんま

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行動開始




 まず電話した先がなぜ契約した相手ではなかったかというと、「悪徳商法?マニアックス」(悪マニ)に書いてあった記事を読んだからだ。
 ―相手は手練手管に長けたその道のプロ。素人が到底太刀打ちできる相手ではない。直接話をすれば、相手のペースで言いくるめられ、下手をするとかえってこちらの不利になりかねない。だからまずは公的機関である「消費者センター」相談するのがよい。
 そこで私はまず住んでいる自治体の消費者センターに電話をした。

 担当者に業者名を告げると、
「ああ、その名前は最近よくあがってくるんですよね。」
という返事。やはり、有名どころであった。
「解約できるでしょうか。」
「まずは、ご自分で業者に電話をかけてみてもらわないと。その上でこちらの出方を決めましょう。」

 掲示板に書いてあったこととは違うが、担当者もプロだろう。その言葉に従って、件の業者に電話をかけた。
 対応に出たのは、若い声の男だった。

「お宅の講座を受けております、片桐と申します。」
「はい。」
「試験結果に納得がいきません。」
「はい。」
「どこがどう悪いかもわかりません。」
「はい。」
「これ以上続けても意味が無いと思うので、解約したいのですが。」
「はい。」
「こちらは消費者センターに届け出てあります。」
「はい。」
「…あの、お話このまま続けていいんですか?」
「担当者がおりませんので、後ほどこちらからご連絡します。」
「何時ごろお戻りですか?」
「わかりません。では、失礼します。」

 《ガチャン》
 男は無駄なことは一切口にせずに電話を切ってしまった。よく教育されている。

 翌日、メールが届いた。
“解約したいという申し出ならば、教材の状態と立替えた代金について調べたうえで解約手続きに入る”
という内容だ。

 ローンの引き落としが契約後2ヵ月で始まるが、試験に合格して仕事による収入が発生するであろう4ヵ月後まで、業者が2ヵ月分を立て替えておきましょうということになっていた。その分を返せということらしい。
 すでに契約してから半年が経っていた。自分でも更に2ヵ月分払っていた。

 私は消センの担当者に、解約の条件として
・違約金は支払わない
・私が支払った分は全額返金してもらいたい
・使用したテキスト・CD-ROMに関しては、代金を請求されても仕方が無い
というこちらの意向を伝え、業者と話してもらう事にした。

 そして、ここまでのいきさつを悪マニに投稿してみた。すると、大事なことを思い違いしていることを教えられた。
 私が目指すべき解決は、「解約」ではなく「クーリングオフ」なのだ。契約から半年過ぎたその時点でも、実は私はその権利を持っているのだと…。


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